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先輩の結婚式で見かけた新婦友人の女性のことが気になっていた雄太。
しかしその後、偶然再会した彼女は、まったく別のプロフィールを名乗っていた。
不可解に思い、問い詰める雄太に彼女は、
結婚式には「レンタル友達」として出席していたことを明かす。 「レンタル世界」
成長するに従って、無駄なことを次々と切り捨ててく薫。
無駄なものにこそ、人のあたたかみが宿ると考える雪子。
幼いときから仲良しだった二人の価値観は、徐々に離れていき、
そして決定的に対立する瞬間が訪れる。 「ままならないから私とあなた」
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レンタル派遣業、ずいぶん前から小説の題材としてはあって、そのときどきで興味深く読みはしたが、現実問題になってくると、怖すぎて言葉を失う。ほんとうのことって何だろう、人間関係ってなんだろう、と疑心暗鬼に駆られてしまいそうになる。
表題作は、まったく人間というものは、なんとままならないものだろうというのが、率直な感想である。雪子と薫、アナログとデジタルの象徴であるかのようなふたりだが、お互いの考え方がまるで違うことに(主に雪子が)疑問を抱きながらも、遠ざからず遠ざけずに一緒にいるということ自体、0か1かで割り切れない何事かがあるからだろう。人間ってやつは、自分で自分のことすらわからないのであり、ままならないのが普通のことなのかもしれない。雪子と薫の補完し合う関係性が愛おしくもある。自分は雪子寄りだと思って読み進んだが、薫の言葉にも頷けるところがあって、そんなところも、0か1かではないのだと思わされる一冊だった。
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「レンタル世界」と表題作の2編。
どちらも今の時代をきりっとではなく
ギザギザとナナメに破いたような読み心地。
「レンタル世界」は普通にありそうだ。
表題作の雪子と薫、
不思議な関係だけど なんだかんだとありつつも
長く付き合えてるってことは
いい友達、なんだろう。
芸術がボタン一つでっていうのは味気ないけれど
意外とすでにそれに翻弄されてる気もするな。
何も言わずに聴かされてたらわからなかったりするのかもしれない。
どっちもどっち?と言う気がする。
ままならないなぁ、
ほんと。タイトルの付け方がめっちゃうまいとうならされる。
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ユッコと薫 背中合わせの親友・・・
以前は絶対ユッコ派だったけど薫に説得されそう・・・
でも大人になったらままならないから人生は。
一筋縄ではいかないよ。
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#読了。
「レンタル世界」と表題作「ままならないから私とあなた」2編。価値観の違いを考えさせる作品。
雄太は先輩の結婚式で気に入った女性と、後日偶然出会う。新婦の友人と思っていた彼女は、実は「レンタル友達」として式に出席していたのだと知る。その考え方についていけない雄太だったが。。。
小学校からの親友、雪子と薫。効率を追い求め、無駄なことをしない薫と、そこに意味があると考える雪子。戸惑いながらも関係は続くが、雪子が追い求めていた音楽が、薫の合理性によって侵されたとき。。。
もちろん人の価値観はそれぞれで、だからこそ面白いこともある反面、まったく理解できないこともある。理解し合おうと努力をどこまでするのかというのも、距離の近さによって変わってくるだろう。表題作の薫の言う「効率」という点では、単に人間関係だけの話でなく、社会的なシステムにも言えることなのだろうと。
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新鮮味がない。マンネリ。
朝井リョウに期待しすぎたのか。
レンタル家族。
これ結末わかっちゃうよね?
星新一風?
駄作。
表題作。
中途半端だよ。詰めが甘いし。
なんだろう、がっかり。
すいません、辛口で。
今年はずっと読書スランプでひどい遅読…
胸に刺さる良作に全く出会えない。
だれかおすすめありませんか?
花丸押してくれた皆さん、フォローしてくださった皆さん、有難うございます。
長い付き合いの方々、大変ご無沙汰です。
ぼちぼち復帰していければと思います。
どうぞよろしく。
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レンタル世界は園子温の紀子の食卓、ままならないから~は豊島ミホと綿矢りさのいいとこ取りな感じって思いながら読んでたけど、全部読み終わってなんかこの表題の心髄に触れたっていうか。あ、私らしさってなんだろうって。うわーって発狂しそうな本。
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すっきりしないというか、色んな人の考え方があってそれが重なり合うことすらない。分かり合うこともできない。だから「ままならない」。考えさせられるものだな、と思いました。
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朝井さんってすごいなぁ~
人間の深層心理の部分を これほどドンピシャの言葉で 表現し しかも近未来にほんとに実現しそうな ギリギリのところを物語にするって。おもしろくて一気読みしました。
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「レンタル世界」と表題作の2編。
どちらにも共通する押し付けがましい
熱血キャラクターにムカムカしたが
正論ではあるのである程度納得もし。
でも、薫ちゃんやレンタルの仕事をしている
なんとも合理的な人たちの言い分もよく分かるな~。
となんだかもやもやしながらの読了でした。
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短編(レンタル世界)+長編(タイトル作)。どちらのお話もリアリティに乏しく読後感も悪い。相変わらず当たり外れの大きい作家です
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うわぁー、うわぁー。
この本読めてよかった、本当に。
幸せな終わりはしてないんだけど、府に落ちる終わり方で、胸がきゅーっとなる。切なさで。
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短編集かと思ったら…~レンタル世界:頼りに入社した大学ラグビー部の3年先輩は,結婚して2歳の娘がいるのに,風俗を奢ってくれる。彼女もいるけど,同僚の結婚式で読モをしていた新婦の友人が気になって仕方ない。脱出ゲームでチームを組み,色々聞くと,実際は知り合いでも友だちでもなく,レンタルされたのだという。会う口実としてレンタル彼女になって貰って,野上先輩の家を訪問するが,その彼女は野上の妻もレンタル品だと言う。先輩の好みの風俗嬢に聞くと,確かに別居しているが,理由は異性より同性に興味があるからだった。まま…:小5のユッコの友だちはカオルだけだ。日直を一緒にやる男子は黒板ふきも日誌書きもやってくれない。黒板の高いところは届かなくて,長い手を使ってくれたのは渡邉君だったし,休んだカオルにプリントを届ける道行きも先生に命じられ付いてきてくれた。カオルは通信教材を使う新しいタブレットに夢中だった。中学時代,数学に夢中になったカオルは無駄を省く合理精神を高めていったが,雪子はピアノの練習を重ねて,高校は音楽科のある所に入って,大好きなバンド・Overのピアノ担当である光流のように世界でたった一つの音楽を作ることを夢見る。高校時代も様々なコンクールに応募し続けたが,先に賞を得たのは薫が作った「おうちでピアニスト」というソフトだった。誰でも憧れのピアニストのように演奏できるというのだ。両親が留守にした渡邉君の家でそのニュース映像を見た晩,雪子と渡邉君は結ばれた。大学を出ても就職せずに,楽曲を様々なコンクールやコンペに提出し続けたが芽が出ず,一方の薫は大学院時代に起業したteamERAで注目を集めていると思ったら,突然結婚するから,会場で流す音楽を作ってくれと依頼してきた。結婚式後,二人で話す機会を得たが,Overを脱退した光流がプロデュースする新しいボーカルグループに歌わせる楽曲の最終候補に残った作品は,薫が作ったソフトが作った楽曲と瓜二つ。体調が悪いが作り直さねばならなくなったが,手つかずだったドーナッツに手を伸ばすと,吐き気が湧いてきた~短編が3つか4つで,同じテーマの連作集かと思ったが,表題作だけではページが足りずに,短編を一つ付けたのかな。この時期で,留学しても原級留置にならずに,進級できる制度があったろうに,1989年生まれの彼の時代でも先進的な高校は採り入れていた筈なのになぁ…。あらあら,雪子の妊娠発覚でお話はオシマイ??
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友達と分かり合えない価値観の違いを浮き彫りにしていく表題作。
どちらの言い分もわかるからきっと又ここから関係性が新たに始まる予感がします。
ドラマみたいなトントン拍子の展開なんて人生にはない。ままならなくていい。
大切な人とだからこそラストの偶然が雪子と渡邊くんや、雪子と薫のこれからをいい方へ導いてくれると信じています。
もう一つの話「レンタル世界」も人との繋がりを違う視点から見ている。
ストレートにお金で人間関係をレンタルできる時代の是非を問われてガツンときました。
正しさなんて危うい曖昧な世の中なんだと気付かされました。
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レンタル世界と表題作が入った2作品。ざっくり言うとどちらも価値観の違いがテーマかなぁ、と。価値観の違う2人は価値観の違いをお互い認識していた。相手に解って欲しいが為に自分の価値観を無理矢理にでも相手に押し付けてしまい、相手とぶつかり合ってしまう。絶対に譲れない価値観があり、その価値観がお互い一致しなければ相手は自分の思い通りにはならない。それはお互いがどんなに仲が良くても好きな相手でも、一生平行線のままの関係にしかなれない。何とも言えぬもどかしさが残る一冊でした。
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曖昧に曖昧に生きるのと、徹底的に合理化自動化するのと。家族レンタルするの。何が正しくて何が悪いかなんて誰にもわからない。