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地球と生命の歴史について最新の見解をうまくまとめている、必読の書といえる。自分が子供の頃にあった恐竜図鑑ではカンブリア以前など謎の空白地帯であり、恐竜絶滅原因も説が多々あり、変温動物の可能性が高いとされていた。あれから30年も経たないうちに、これだけの証拠や新学問によって数々の謎が解けつつあるとは驚愕
かなりの労力、コスト、頭脳を結集した自然科学の最新書・・・読まないのは勿体なさすぎる
ただ、本の和文タイトルは内容に沿わない。Xエラストテネス→○エラトステネス などの誤植もある。 編集者のレベルの問題か
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☆地球科学(地質学)のロマンを感じるな。
(参考)
アメリカの歴史教科書問題 ローウェン
『生命40億年全史』 フォーティ
『バージェス頁岩化石図譜』
『シマウマの縞 蝶の模様』 キャロル
『植物が出現し、気候を変えた』 ビアリング
生と死の自然史 レーン
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生物とは何なのか。どうやって生まれたのか。
酸化と還元。酸素濃度の変化。小惑星の衝突。などなど。
たいていの大絶滅は酸素濃度の低下に付随して起きているが、カンブリアのそれは、酸素濃度が短期的に上昇して起こっている、ということを示唆するデータが見つかっているそうだ。
生命は火星生まれだというし、これはトンデモ本なのか? とも思うけれど、いまオーソライズされている考古学説の多くは当初トンデモ扱いだったのだろう。
酸素濃度は変化しつつ下がっていく傾向にある。そして人のゲノムは大規模な再編成を、そして進化の速度が加速しているようだという。
大量絶滅のあとは、生物多様性はそれ以上に回復するというから楽観しよう。まあそのときに僕は生きていまい。本書の中には自らはまるっきり存在の予知がなく、著者の思考を追うのがなかなか難しい。とはいえドキワク感がなかなかにある素敵な本。
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■著者
ウォード 古生物学者 大量絶滅について
・ワシントン大 生物学・地球科学・宇宙科学教授
カーシュヴィンク カリフォルニア工科大教授
・スノーボールアースを発見、地球物理生物学者
●歴史の3つのテーマ p16
1 生命の歴史が最も強い影響を受けてきたのは環境の激変である
2 生命の歴史に最も大きな影響を与えたものは単純な3種類の気体分子である。酸素、二酸化炭素、硫化水素。さらに踏み込むなら、硫黄といっていいかもしれない。
3 現存する生物が今の顔ぶれになったのは、生物自体ではなく生態系の進化が最も大きな要因として働いている。
■19章 人類と10度目の大絶滅 p493
・化石記録によると、原生人類のうち、現時点でわかっている限り最古の仲間は、十九万五千年前に現在のエチオピアにあたる地域で暮らしていた。
人類の拡散 496
・およそ三万五千年前、進化における最後の微調整が行われ、私たちは今のような姿になったとみられる。
・数千年をかけて世界中に拡散
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46億年前に地球が誕生し、40億年前には既に生物が誕生していたという。そこから人類が登場するのはずっと後の20万年前だ。その壮大なドラマが記されている。
この本には、2016年時点での最新の内容を中心に記載されている。どの時代の話も驚くことばかりである。そしてその解明は、化石と、その化石が発見された地層から読み解くという、多くの人の気の遠くなる様な地道な努力によってなされたものだ。
過去にはビッグ5言われる、全体の半分以上が絶滅した時期が5回もあり、その間にも小規模だが何度も絶滅時期があったらしい。また、絶滅の原因も分かってきている。例えば、温暖化、寒冷化、二酸化炭素の欠乏、酸素の欠乏、隕石の衝突などが挙げられている。
現在私達は、このまま二酸化炭素を放出し続ければ、益々温暖化し、大絶滅の時期を迎えてしまうように思う。その環境変化は過去に例のない急激なものである。人類の叡智により回避できるのだろうか。