投稿元:
レビューを見る
「旅」にふさわしい、一コマとそれに添えられたエッセイ。見開きでワンシーン。読みやすく、自分も旅をした気になる。旅行ではなく、旅。なにがない一コマが何故かとても印象に残ることはよくあることだ。観光ではなく、自分やそこに見える人々の一挙手一投足が。
新型コロナによってなかなか外出できなくなっているから余計に、こういう旅に憧れがつのっているのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
紀行小説『深夜特急』も有名な作者による、見開きの左右に写真と文を配した81組のフォトエッセイ集です。
世界各地、約20カ国で撮影した写真に、それぞれ短い1ページ分の文章が添えられています。
登場する地域はアジアと欧州が多く、とくに全体の1/4ほどは中国とその自治領です。
その他ではアメリカ、キューバ、ブラジル、モロッコなど。
個人的に好みの写真は、大きくふたつに分けられます。
・広漠とした自然のなかにポツリと人や人工物が佇む風景
「生きる力」「一本道」「輝く光の中で」など
・子どもの無垢な表情を写したポートレート
「まぶしい笑顔」「姉と妹」「笑顔ひとつ」など
最後は「人生は(それ自体が)旅である」と言いたげな一篇で締めくくられています。
旅情をかきたてる、当今ではやや罪つくりな一冊かもしれません。
投稿元:
レビューを見る
ぐいぐい引き寄せる文章を読むと旅の絵が思い浮かんでくる。そして短めの章の終わりに筆者の撮った写真が現れる。そしてその写真はほぼ想像を越えない。文章ほどには届かない。やはり筆者は文章のプロということなのだろう。
中には想像を超えた心をうつ写真もあることは補足します。
投稿元:
レビューを見る
旅の一コマを切り取り、エッセイに写真を添えたもの。まあ、なんちゃない内容ではあるが、こうしたなんちゃない出会いなんかも今や得難いものになっている。あー旅に出たいなあ。そう思いながらページをめくった。
投稿元:
レビューを見る
好きなページ
「ひとりで立つ」(ブラジル・ベレン)
「記念写真」(ドイツ・ケルン)
「美人と老人」(ベトナム)
「移動綿飴屋」(中国・麗江)
「素晴らしい人生」(中国・浙江)
「日付のある写真」(キューバ・ハバナ)
「うずく」(サイパン、池上)
「勝負師」(ネパール・カトマンズ)
「笑顔ひとつ」(ベトナム・メコンデルタ)
「カーテンの向こう側」(世田谷)
投稿元:
レビューを見る
写真と文章で構成されており、とても読みやすい。
好みだったのは、
美人と老人
姉と妹
生き方は顔に出るのだろうか。
私はどんな顔なのか。
投稿元:
レビューを見る
世界を旅して、生死に関わる体験をしたり、眼球が震える位の景色を見た人が語るとき、言葉は追いつかないことが多い。
ただその遠い彼方を見つめるような表情だったり、「この人が語るならそれは素晴らしい経験だったに違いない」というような相手との関係性によって補われる部分が大きい気がする。
写真は本来、そういう補填する力を持っているから、言葉を加えると途端にその枠組みが小さく限定されて、構図さえも説明的に思えてしまうから、終始違和感を覚えた。
試しに写真だけパラパラめくって見ると全く紙から立ち上がってくる空気が違う様に思えた。そんな風に文章と別々で読む楽しみもあるのかな。
投稿元:
レビューを見る
「沢木耕太郎」のフォト&エッセイ集『旅の窓』を読みました。
「沢木耕太郎」の作品は、『ポーカー・フェース』以来なので3年半振りくらいですね。
-----story-------------
「旅を続けていると、ぼんやり眼をやった風景のさらに向こうに、不意に私たちの内部の風景が見えてくることがある」。
マラケシュのホテルで見た「待つ女」、ローマで旅愁を覚えた終着駅、カトマンズで胸をしめつけられた裸電球――。
旅先で撮った八十一枚の写真から、人生の機微を描いた物語が立ち上がる。
「沢木耕太郎」「もうひとつの旅の本」。
-----------------------
VISAカード会員向け月刊誌『VISA』に連載された『feel感じる写真館』という見開き2ページのフォト&エッセイ(コラム?)81篇を収録して、2013年(平成25年)に単行本化され、その後、文庫化された作品です。
「沢木耕太郎」が『まえがき』で、
「私たちは、旅の途中で、さまざまな窓からさまざまな風景を眼にする。
それは飛行機の窓からであったり、汽車の窓からであったり、バスの窓からであったり、
ホテルの窓からであったりするが、間違いなくその向こうにはひとつの風景が広がっている。
しかし、旅を続けていると、ぼんやり眼をやった風景のさらに向こうに、
不意に私たちの内部の風景が見えてくることがある。
そのとき、私たちは「旅の窓」に出会うことになるのだ。
その風景の向こうに自分の心の奥を覗かせてくれる「旅の窓」に。」
と記していますが… なかなか同じような写真って撮れないですよねー
旅先で、何気なく視界には入っているけど、見過ごしている風景や人々を、きちんと見ているだなぁ… と感心しましたね、、、
そうじゃなきゃ、旅先での一瞬の出会いを、こんなに巧く写すことなんてできないですよね。
写真が巧い人って、人や物を観察する力… センスなのかな、それが凡人とは圧倒的に違うんだなと感じましたね。
写真の雰囲気がとても良かったのですが… 文庫本サイズじゃ物足りなかったなー 雑誌サイズで観たかったです。
そして、旅に出たくなる一冊でした… コロナ禍での窮屈な生活が続いていますからね、ホントに旅に出たくなったなー
投稿元:
レビューを見る
著者が旅の途中で出会った風景を写真に撮り、簡単なエッセイとともに紹介している図書。いろんな人生や価値観に出会えるのでとてもよかった。旅って心が落ち着くよなぁ…
投稿元:
レビューを見る
深夜特急を読んだことがあれば沢木耕太郎がほとんど写真を残さない旅をしていたことは知っている
そんな彼の、旅とはおよそこういうもの、と思わせてくれる写真とエッセイ
旅したくなる
投稿元:
レビューを見る
写真付きの旅エッセーである。沢木作品はテロルの決算に始まり、深夜特急と王道を読んできたが、最近は軽いエッセーが多い。叙情あふれる文章にこころがホットする。
投稿元:
レビューを見る
文章がとにかく美しい。
写真もポストカードのよう。
写真一枚からあそこまでのストーリーを紡ぎ出せるのが凄い。
人を観察する視線がちょっと気障で、その感じが大好きです。
投稿元:
レビューを見る
たまには写真集もいいですね。この本は、それぞれの写真にそえてある文章が短すぎず長すぎず、私の好みでした。何となく手元に残しておきたくなるのも「写真集」かもしれません。お勧めはアメリカのニュージャージー州のある町の写真と文章。「名もない町」などというものはない。手にとって見て読んでいただきたい。