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80歳まで生きると考え、人生を四季の4等分とする。
0~20歳は春、21歳~40歳は夏、41歳~60歳は秋、61歳~80歳は冬。
そんな人生の秋を迎えた人たちの短編集なのだが、
人生を四季に分けるというのがまず素敵だった。ふむふむと思ったり、確かにあのころは春真っ盛りだったな、と思ったり。今は夏なのかな、や、30になったから夏の終わりあたりのあのさみしい感じかとも。
そんな表題「たそがれどきに見つけたもの」。SNSで懐かしの友人と再会、甘酸っぱい初恋のあの人は今頃何してるのだろうと思いにふけってみたり、元彼であるいまの旦那とのもやっとしたことなど。
すべての短編にいえることは甘いだけでない、ほろ苦い様々なこと。人生の秋、その頃わたしは自分の新しい家族を作れているのか、それとも独りを貫いているのかわからない。そんな様々な秋を想像してしまう短編集でした。
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短編集。アラフォー。家族。こども。恋。陸奥A子。コンビニ。北海道。「王子と温泉」は、え?そこで終わるの?だった。「その日、その夜」が好きだな。どれもほんのりと優しい。きらら2016.2にて。
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もう若くない、まだ若い、そんな複雑な気持ちを抱えた、人生の折り返し地点にきた女と男が抱える様々な問題――家族、仕事、そして恋愛――を切り取る、短編集
「たそがれどきに見つけたもの」――SNSで高校時代の友だちに久しぶりに再会。彼女はまだ、そのときのことを引きずっているようで。
「その日、その夜」――きむ子は思った。(お尻、出したまま死ぬのはいやだなあ)と。
「末成り」――ちょっと話を盛りすぎちゃったかな……ゼンコ姐さん―内田善子は家に帰って、服を脱ぎ濃いめのメイクを落としながら考える。
「ホール・ニュー・ワールド」――コンビニのパート先でちょっと話すようになった朴くんに、淡い恋心を抱く智子。朴くんも、やぶさかではないんじゃないかと思っている。
「王子と温泉」――結婚して、子どもが生まれてから初めてのひとり旅。夫と娘に送り出されて行った先は、贔屓にしている”王子”との温泉ツアーだった。
「さようなら、妻」――1985年、6月。妻と初めてふたりきりで会った日。彼女はあじさい柄のワンピースを着ていた。
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なさそうでいてありそうで、もしかすると身近なところにもあるかもしれないと、ふっと思わせてくれるような物語ばかりである。読む人の心のなかにも、程度の差こそあれ、似たような思いが秘められていそうなところが怖くもあるが、可笑しくもある。気づいていなかったものに気づかされて、笑ってしまいたいような気持になったりもする。誰もが、そこはかとない狂気をはらんでいるようにも見え、案外それが普通なのかもしれないと思い直したりもする。著者らしいテイストの一冊である。
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(2016/4/10読了)
偶然にも、この本の前に読んだ山崎ナオコーラさんの「開かれた食器棚」に続き、ほぼアラフィフの話。ほぼ同年代なので、昔を懐かしむシーンなんかはかなり共感。
こんなにも微妙な年齢の想いを細部まで書けるのはすごい!って思ったら、朝倉さん自身が1960生まれで納得。
星は3.5ってところだけど、同世代の共感はあっても、心に染みたとか、感動とまではいかなかったので3としました。
あっ、でも、この本のタイトルの作品の、人生全部を季節や時間に例えるという発想は驚きだった。確かに、アラフィフは秋の夕暮れ時なのだなと思う。
(内容)
人生の「秋」をむかえたおとなたちは、家族、恋愛、仕事のあれこれに、日々惑わされている。ほろ苦く、そして甘やかな、彼らの6編の物語。吉川英治文学新人賞作家の珠玉短編集。
(目次)
「たそがれどきに見つけたもの」――50歳・子供を亡くした主婦。SNSで高校時代の友だちに久しぶりに再会。彼女はまだ、そのときのことを引きずっているようで。
「その日、その夜」――54歳・独身女性作家。きむ子は思った。(お尻、出したまま死ぬのはいやだなあ)と。
「末成り」――42歳・独身女性。ちょっと話を盛りすぎちゃったかな……ゼンコ姐さん―内田善子は家に帰って、服を脱ぎ濃いめのメイクを落としながら考える
「ホール・ニュー・ワールド」――53歳・パート主婦。コンビニのパート先でちょっと話すようになった朴くんに、淡い恋心を抱く智子。朴くんも、やぶさかではないんじゃないかと思っている。
「王子と温泉」――52歳・主婦。結婚して、子どもが生まれてから初めてのひとり旅。夫と娘に送り出されて行った先は、贔屓にしている”王子”との温泉ツアーだった。
「さようなら、妻」――56歳・妻に去られたサラリーマン。居酒屋にて。1985年、6月。妻と初めてふたりきりで会った日。彼女はあじさい柄のワンピースを着ていた。
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個人的には、直木賞受賞の『つまをめとらば』が男目線の物語だとすれば、こちらは女目線で中年女性の自虐混じりな物語ばかりで、女直木賞でも良いくらいに思ってしまう。
表現が豊かなのも凄く面白かった。
ん?でもこの分かりやすさは芥川賞により近いのかな。
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第三者の目線から少し突き放して描かれた情景
主人公の冷めた目線 その近しい人々の目線
いろんな角度 時間軸で描かれていて
他愛もない話だけど ぐんぐん引き込まれる描写でした
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「たそがれどきに見つけたもの」「その日、その夜」
「末成り」「ホール・ニュー・ワールド」
「王子と温泉」「さようなら、妻」
おばちゃんのあるあるネタ満載の一冊。
それぞれの女性が
痛かったり、ユーモラスで面白いのだが
最終的になんだか切なくなってしまう。
40代~50代まだまだ諦めきれない何かがあるのだ。
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もう若くない、まだ若い、そんな複雑な気持ちを抱えた、人生の折り返し地点にきた女と男が抱える様々な問題――家族、仕事、そして恋愛――を切り取る、短編集
「たそがれどきに見つけたもの」――SNSで高校時代の友だちに久しぶりに再会。
彼女はまだ、そのときのことを引きずっているようで。
「その日、その夜」――きむ子は思った。
(お尻、出したまま死ぬのはいやだなあ)と。
「末成り」――ちょっと話を盛りすぎちゃったかな……ゼンコ姐さん―内田善子は家に帰って、服を脱ぎ濃いめのメイクを落としながら考える
「ホール・ニュー・ワールド」――コンビニのパート先でちょっと話すようになった朴くんに、淡い恋心を抱く智子。
朴くんも、やぶさかではないんじゃないかと思っている。
「王子と温泉」――結婚して、子どもが生まれてから初めてのひとり旅。
夫と娘に送り出されて行った先は、贔屓にしている”王子”との温泉ツアーだった。
「さようなら、妻」――1985年、6月。
妻と初めてふたりきりで会った日。
彼女はあじさい柄のワンピースを着ていた。
(アマゾンより引用)
それぞれにおっと思う結末があったり、意外な展開で面白かったりしたけど、えっ?それで終わり??みたいな話もあり( ´ー`)
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人生の黄昏時=40、50代の戸惑いや迷い。
どれもすごく身近で少しヒリヒリした。
表題作がかつての少女漫画に影響された話でもあり
改めてタイトルに膝を打つ。
嗚呼同世代。
【図書館・初読・5月24日読了】
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ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲四季を聞きながら、人間の一生みたいだな、と思った。タイトル作の冒頭に、そのような記述がありどきっとした。さらに主人公は、24時間に例えて50歳は16時半だと発見する。
6つの短編からなる本書は、そんな黄昏世代を主人公にした作品で50代って疲れた世代のイメージが合ったが、とても素敵に思えた。みんながみんな生活に追われ自分を見失わないそんな50歳になって欲しいと切に願う。
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「たそがれどきに見つけたもの」
冒頭、人生80年を4で割って、四季に例えると今どこか、主人公が考える。
私自身、ちょうど昨日同じことを考えたので、グッと物語に引き込まれる。
割合とのんびり話は進むのだが、終わりあたりで急にトーンが変わり、主人公と私自身があまりにも違うタイプとわかり、落ち着かなくなる。小説を読んで、こういう嫌な感じになったことがない。
何だろう?
「その日、その夜」
最初から死の予感はあったが、やっぱり…突然死んでしまった。
「末成り」
ゼンコ姐さんには何かあると思っていたが、そういうことだったか。
冒頭、ソフトバンク、三井住友銀行両社の名称の移り変わり、私自身も同じように名称の変化に付き合ってきた?ので、グッと物語に引き込まれる。
「ホールニューワールド」
智子の気持ちがとてもよくわかり、そのことがちょっと恥ずかしい…
「王子と温泉」
これもまた、真苗の気持ちがよく分かり、恥ずかしくなった。
美魔女と美魔女風の違い、辛辣だった。
「さようなら、妻」
これだけ男性が主人公だった。
更年期小説というジャンルがあるのかどうか知らないが、まさにそういう短編集だった。
だから、身につまされたとしても、そうそう読んでスッキリした気持ちにはならない。
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人生を四季にたとえると、今はたそがれどき~
そんなたとえはありふれたものだろうが、
作者のそれはもう少し細やかだった。
確実にやってくる親との別れや自分の老い
(中には自分が亡くなってしまう人もいた)
今は、そんなことはあまり気にせずとも
何となく過ごせそうな世の中だが、それでも
あえてそういう重たくまどっろこしいものを
自分の目で見つめ、自分の感覚で表したいと
いう意欲が見えた。
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(講談社 小説現代のweb siteより)
はっと気付いたら、”いいとし”になっちゃってた大人たち。
でも心のどこかで、「まだ大丈夫、もうちょっといけるーー」と思っている彼らの6編の物語。
「その日、その夜」
きむ子 作家。身につまされて怖くなる。
「末成り」
あたしの中には小さい小さいゼンコ姐さんがいる。
「ホール・ニュー・ワールド」
53歳 コンビニのパート。耐えらんない。幸せな人。同属嫌悪だったらどうしよう。
「王子と温泉」
鳥肌が立った。怖かった〜。
「さようなら、妻」
うっすい男。
そして表題作の、
「たそがれどきに見つけたもの」
50歳 朱実 と夫の多田くん。
勘繰りが止まらないタイトル。
“講談社と集英社が手を組んだのかも!”と、おばちゃんはやっぱり妄想が大好き。
でも、その件がなくても良いタイトルだ。
多田くんの様子も大変良い。
ラストは何度も読み返した。
「おとめちっくラブコメ」の要素が染みついている昭和生まれは、ツイートやメールでその雰囲気を醸し出さぬよう更に気をつける所存である。
それにしても、
伊智子のFBの真相と、
やっぱり『special thanks 陸奥A子先生 & 集英社さん』なのか気になる。
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40-50代男女の、悲哀に満ちた短編6編。
各ストーリー、年代は一緒でも、立場の違う人たちばかりで、興味深く読みました。
過去に振った多田くんと結婚した朱実、
トイレで死ぬのは嫌だなと思っていた作家のきむ子、
華やかに男を渡り歩いていると噂のゼンコ姐さん、
夜のコンビニでのバイトで、遥かに年下のイケメンくんとのおしゃべりを楽しむ智子、
地方の局アナ「王子」と過ごす温泉旅行に参加した真苗、
4年前に受け取ったチラシの居酒屋に、ようやく立ち寄った利一郎、
どの話も悲しく切ない。そして、痛々しい。
50代ってそういう年なのでしょうか…
同世代、私は彼女達のように痛々しくはない、と信じていますが、周りの評価が少し気になり始めました(汗)
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うーん、50代って実りの秋というより憂いの秋かもしれません。オシロイバナのようにもうひと花咲かせたいところですが。2016.8.13読了。