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読み終えて、今回のタイトルを改めて思い出すと目頭が熱くなった。
今回、話の中で何度も同じ情景とフレーズが繰り返される。その場面はなんだか自分が夢を見ているような、酩酊しているかのような心地にもさせられた。
まるでループものの映画を見ているような感覚に陥る。
そんな中でも、マメの強い感情が噴き出す出来事があったり、妖人に対しての謂れの無い差別があったり、心を揺さぶらることも多かった。
マメ(トウ)の行為は許されるものでは無いけれど、辛い現実・施設から逃げたことでウロさんに出会えたことが幸運・更正のきっかけになっていて、ウロさんがこんなに作品の鍵になっていたとは衝撃的だった。
あまり頼りない人なのかな、と勝手に思っていたが、今回、ウロさんの株が爆上がりした。
また脇坂のマメへの許し方がある意味男らしく、Y対2人の洗足家への愛が感じられる。
青目はマメと同じように、伊織の家に受け入れられたのに、こんなにも道が違ってしまったのだろう。
マメ(トウ)と青目の性質はとても似ていたのに、、、。と少し悲しくもなる終わり方だった
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マメの話でもあるが、また伊織と青目の過去にも通じていた。
トゥの存在がなければ、マメは伊織とも出会うことが出来なかったはず。マメを守ってきたトゥも含めた展開が良かった。
甲藤が前回の活躍が認められ、登場人物紹介に載るようになってた(笑)
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『妖奇庵夜話』シリーズ5作目。
今回はマメ。マメの生い立ち、隠された秘密にスポットがあたっていて、マメの過酷な生い立ちも相まって結構シリアスな展開だった。
人の心って黒、白というふうにきれいに二分割できるものではなくて、白よりのグレー、黒よりのグレー、というように善と悪の間を揺らぎながら周りに順応したり自分の心を守って生きているのが常だと思う。
片方でしか生きられなかったとしたらもう、分割するしかないんだね。
そんなことも、いろんなことを考えさせられる話でした。
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妖奇庵夜話シリーズの感想は10巻目の「妖奇庵夜話 千の波 万の波 (角川ホラー文庫)」のレビュー欄に記載