紙の本
ヴァイオリンの奥深さ
2020/04/28 04:58
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投稿者:kobugi - この投稿者のレビュー一覧を見る
繊細な楽器だとは知っていたが、来歴や作りなど、ヴァイオリンについて知ることができた。贋作が生まれる背景も斯くや、と納得。シリーズ化されているので、続けて読みたい。
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老人ミステリはぼちぼち珍しくなくなりつつあるが、60代の、ヴァイオリン職人が主人公という設定が異色かな。
イタリア老人(老人なんて言っていいのか?)の懐深い愛情と軽口、そして手抜きのない筋立てが楽しめる。何と言ってもヴァイオリン製作やその業界を垣間見ることが出来るのが、面白さの半分以上を占める。
哀愁はちょっと足りないけど、イタリア老人の洒脱を堪能ということでまあいいか。
そりゃあジャンニとマルゲリータのその後が気になるところ。
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ヴァイオリン職人のジャンニは同業者の親友が殺された事件に、そのヴァイオリンの知識を求められ関わっていく。
家族とか、ワインとか、美味しい料理とか、太陽とか、いかにもイタリアン。
細かい描写で専門的になりすぎな話を上手い具合に彩っている。
ヴァイオリンについて知識を持ち合わせていなくても楽しく読めるけれど、そこのところ業界的にありなんだ?と思う箇所も。
ラストのまとめ方に首を傾げながらも拍手する。読後感は良かった。
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図書館の新刊コーナーで見つけた本でしたが、出会いに感謝します。ポール.アダム。これが初の邦訳書で、続編もあるそうなのですごく楽しみです!
ヴァイオリンについてはストラディバリウスやグァルネリの名前くらいはしってましたが、奥が深すぎて圧倒されました。ヨハンテオリンもそうなんですが、こういう落ち着いた年齢の方が物事を追求していく姿が好きです。
ヴァイオリンの演奏を何か聴きたくなりました。何も持ってないからもどかしいです。
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クラシック門外漢として、これでもかと出てくる「聞いたことがある」程度の名ヴァイオリン職人の名前オンパレードに目くるめいてしまう。
失われた名画・贋作とか好きでも楽しめると思います。
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楽器の価値はどこにあるのか。かざっておくだけの物体に楽器としての価値があるのか・・・なんてことを考えた。
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バイオリンの来歴や謎ときの部分はちょっと複雑すぎて頭がついていかなかったんだけど、それはそれとしてとても面白く読んだ。てことは、謎ときは二の次ってことか?
主人公の人となりや、彼をとりまく人々がとても魅力的で落ちついているのがいい。事件にかかわっていくいきさつも、自然。「ミステリだから」と留保しなくても物語に入っていけるのがいいなと。
最後の展開も、着地点がはっきりしていて気持ちが良かったです。
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推理物。土地勘や位置関係がないと、把握しにくい場面設定。ストーリーには引き込まれるが、どうも、身近なテーマではないだけに、ハラハラすることはなかった…
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ヴァイオリン製作の聖地、イタリアはクレモナ。そのクレモナのヴァイオリン製作者・職人仲間がある日、何者かに殺されるところから、ストーリは展開していく。犯人を捜すのは、同じく初老のヴァイオリン職人仲間。そして、次に起こるヴァイオリン・コレクターの殺人。
ストラドヴァイウス、グァルネリ・デル・ジェスなど名器にまつわる、まるで時空を超えた逸話も次々に主人公とその友人の調査という形を取って紹介される。ある意味、殺人事件としてのミステリーと同時に、謎に包まれたヴァイオリン名器にまつわるミステリーが展開されるのは、興味深い。
ただし、殺人事件の結末、種明かしは、本書残り30数ページころから一気に解明され、あっけないのが残念・・・というのが個人的な感想。
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ヴァイオリンのことはよくわからない…などどいう心配はいりません。主人公の年齢を経た人間味、友人刑事の実直さ。楽器の謎にぐいぐいひきこまれました。続編が待ち遠しい。
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老境にさしかかったヴァイオリン職人が、親友が殺害された事件とそれに絡む幻のストラディヴァリを追う。
ストーリーとしては主人公と刑事の二人が手がかりを追ってイタリア各地やイギリスを旅して回る話だが、ヴァイオリンに関する蘊蓄、歴史上のトリビアや、名器を取り巻くディーラー、コレクター、演奏家、職人それぞれの立場や関係などがたいへん面白かった。
主人公は職人としての矜持や音楽に対する思い、先人への敬意に溢れる魅力的な人物だし、多くの登場人物に好感が持てる。ただ楽器探しの謎に重点が置かれて、殺人事件は添え物になってしまった感じ。
続編も出ているのでぜひ読みたい。
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1700年代のヴァイオリンをめぐっておこる殺人事件の話。ヴァイオリン業界(?)や実物自体の価値について何も知識がなく読んだが、わかりやすく書かれていたため勉強になった。殺人事件自体のミステリー性は二の次で、ヴァイオリン一つ一つに歴史と謎と想いがつまっているものなんだとロマンを感じた作品。
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図書館にて借りる。イタリア人の名前覚えづらい。ヴァイオリンは魔性の楽器だな。こんなにたくさんの人の人生を狂わせるんだもの。
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読んで良かった。推理の描写はそんなに楽しくなかったのだけど。中盤にあった友人の姪御さんの演奏描画で落涙。読んで良かった。
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イギリスの作家ポール・アダム、2004年発表の小説。主にイタリアが舞台となるヴァイオリンにまつわる歴史ミステリー?怒濤の蘊蓄が楽しめます。
イギリスの作家が書いたとは思えないくらいのイタリアンな作品。主人公は初老のヴァイオリン職人。超一級の腕前の職人のようです。友人のヴァイオリン職人が殺され、彼がストラディヴァリの最高傑作と言われる「メシア」と同等のヴァイオリンを探していたことから、警察に協力、彼の足跡を辿ります。しかし、その過程で有名なコレクターがまた殺害され・・・。
一応殺人事件の捜査の話なのですが、物語の焦点は完全に失われたヴァイオリンの探求です。イタリア各地を飛び回り、イギリスの荒涼としたヒースの丘の朽ちかけた屋敷へも足を伸ばし、古文書や古い絵画に手がかりを求め・・・。
ヴァイオリンやその職人の技、ヴァイオリンの音楽、さらにはこの業界の裏の部分にまで蘊蓄が語られ、音楽好きにとっては非常に興味深く楽しい作品です。イタリア人が主人公ですがイタリアの風土への舌鋒も鋭く、特にヴェネツィアへの批評はなかなか厳しくて、訪れたことの無い私には真否の程はわからないものの痛快。またクラシック音楽への溢れるような愛情もひしひしと感じられ、読んでる途中でバッハのシャコンヌが無性に聴きたくなって来ます。
犯人探しは付けたし、みたいな感があり、ミステリーとしてはどうなのかなと思う点も無くはないですが、でもとても面白く興味深い作品。良いです。