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なんとも言えない気持ちになった。
夫婦なのに夫婦じゃないような感じ。
これから先もこの夫婦は根本的に変わる事はないんじゃないかなーと思う。
この関係は自分からしたらちょっと、いやかなり寂しい…。
途中で結婚式の描写が出てくるところでは、やっぱりケジメとして結婚式はきちんとした方がいいんだなーと思った。ちょうど自分が今結婚式の準備をしていて、やることがいっぱいで疲れてきたところだったけど、この本のおかげでやる気が出てきました(笑)
p253 だからやっぱりビジョンを持たなくちゃいけないんだ。郊外の家。芝生の庭。そろいの自転車。なんだっていい。犬と子ども。赤い車。清潔なシーツ。テレビ禁止の笑い声が絶えない食卓。ボーナスで行く海外旅行。
p267 宗二「そういう、何かかたちあるものを作るようなことが、したかったんだよなあって思うなあ。ひとりで、じゃなくだれかとね。だれか、っていうのはつまり男とね、男ってのはまあ、結婚みたいなことをしてくれる人ね。」
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2013.11.17
ビションのない夫婦、ビションのない人生はこんな薄ら寒く時を過ごして行くものなのか。自分に重ねてみると確かに怖いものがある。
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とにかく病んでて、でも人間ってこんなもんなんじゃないの?って感じがします。
なので、好きです。
病んでる方は元気でると 思います。
日々生きていく中で、幸せってなんなの?
でも ほんのささいのことで、人間って救われるし幸せになれるってのが分かる。
角田先生の日常の自虐的な表現、冷めてる人間観察 はまります。
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タイトルに惹かれて買った本。
ゆるやかな流れで専業主婦房子の日常が描かれていく、と思いきや、この夫婦の抱える空虚感が読んでいて怖い。空虚感、あるいはからっぽの箱、のイメージ。ふたりとも、そのことに気づいていないように見えることがさらに怖い。
良し悪しではなく、結婚したらマイホームを建てて、子供を産んで・・・という「目標」を持っている房子の親世代は、少なくともからっぽの箱に何か入れようとしているのだけれど、若い夫婦の現実味のなさは、彼らがまさに言うように「ゼロ」の状態で、いまどきこういう夫婦もいるよね、こんなスタイルもありだよね、と思う一方で、なにか背筋を寒いものがとおっていく感じ。
あぁ、これが角田光代さんの描くリアリティなんだな、とも思う。
読み終わってから文庫本の表紙を見ると、非常に意味深に見える。
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空中庭園的な家族みんな秘密を抱えているような。
子どもがいたら、この夫婦の形も変わるのだろうか。
ただ一緒にいるだけでいいのに。
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角田さんの本を読むのは恐らく初めて。
だからどんな作風かも分からないまま読み進めていった。
生活の生々しさがそこにはあった。
宗二が言う“ビジョン”を思い描くこと。
その“ビジョン”を思い描き続けていくことの難しさに思いを馳せた。
年を重ねるに連れて、それは難易度を増していくのではと思う。
それは明確な“正解”や“枠”がなくなっていくから。
例えば義務教育の間であれば、小学校→中学校と一連の流れがある。
余程のことがない限りは向かう道を特に迷う必要がない。
しかし、その後はどうだろうか。
進学、就職と少しずつ枝葉が分かれていく。
その中から自分で“選択”をしていかなければならない。
明確な“ビジョン”を持って選択できる人が一体どれくらい居るのだろうかと僕は考える。
僕らは明確な“ビジョン”を持って“選択”する練習を殆どしてきていない。
だから年を重ねるに連れて、“ビジョン”を思い描き続けるのが難しくなっていくのだと思う。
そんなことを考えさせられた一冊。
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特別な夢や欲望はなく大きな不満もない、でも自分はいわゆる「幸福」ではないとわかっている三十代夫婦。
どこかで聞いたような台詞を口にする人を不思議な思いで眺めたり、自分で台詞めいたことを喋りながら「本当はこんなことが言いたいんじゃないのに」と思ったり。
離婚するといいつつ結局仲良く過ごしていたり。
特殊なようでいて、実はよくある夫婦像なのかもしれない。
演じている自分を冷めた目で見る妻や、何にもしたくない無気力な夫。
状況は違うのに妙に共感するところがあった。
すごく読みやすいのに心に残る、後味もなかなか良い話でした。
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したくないことだらけの宗二と今だ親に甘えている房子、お子ちゃまな夫婦という感じ。宗二が自分のためにアパートを借り、そこに何も持ち込まない。もう夫婦としては終わってると思った。けれどこういう夫婦もありだし、むしろどこかこれが夫婦のありかた、という気もする。 房子が言う『私達が何をやってもゼロになる気がする』というのはなんとなくわかる。“夫婦は力を合わせて色々なものを積み上げていく”のが当たり前だとは思わないしゼロでも良いではないか。ふたりはきっとこのまま夫婦を続けていくのではと思う。
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離婚したい訳じゃないけど、ボロアパートを勝手に借りて家に帰ってこない夫。
夫の母の婚活にアドバイスしつつ、夫からもらった合鍵を手にアパート探索をする妻。
訳のわからない若い女。
全てがちょっとずつとちくるっていて、それでいて何気ないような顔で日々を過ごしている。怖い。
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郊外のマンションに暮らす三十代夫婦、子供なし。彼女の平和な日常に不穏な空気が漂い始める。旦那が別宅で不思議ちゃんと密会、その旦那の母が熟年見合いをし初老の男性に入れあげる。何より主人公、妻房子の感じ方がどこか世離れしていて可笑しい。幼少時には天才とうたわれTVにも出演した彼女だったが、今はただの人になるという設定、特殊な事件が起きなくてもぐいぐい読ませてくれる。さすが角田光代だと感心した。
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夫婦って、家族ってなんだろう? 愛でも嫉妬でもない、なにかもっと厄介なものをど真ん中に抱えて、私たちはどこへ向かうのだろう? 3LDK35年ローン、郊外のマンションに暮らす30代夫婦の生活を揺らす、さざ波のような出来事を通して、現代の家族のあてどない姿をリアルに描いた傑作長篇小説。
いつもと同じ位置に犬はいる。木幡さんは知り合いでもなんでもないが、なんという種なのかめずらしい犬を飼っていて、房子はこの坂を行き来するときかならず犬がそこにいるかどうかたしかめる。茶色の、毛の長いでかい犬で、不細工な顔が毛のなかに埋もれるようにある。
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どこに行き着くわけでもない話。
はっきりした方向性がなく、なんとなく終わる。
こんな生活の専業主婦、多いんだろうな。
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微妙に空間のねじ曲がった夫婦と家族の日常が、違和感を持って描写される。
何とも言えず落ち着かない小説。
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「終わった人」と並行して読んでたんです。だもんで、落差というか格差というか、寄りかかるべき価値観、よって立つものがない世代の人々の悲哀をモロに感じました。悲哀、でも底抜けの気安さとでもいいたい安逸さもあるわけです。
子どもできない、夫婦仲そこそこ、半ば別居状態、でも嫌いじゃないし、
どの類型にもあてはまらない、将来の展望もない、でも不幸を感じてない
なら、いいじゃん。でも、将来は???
これって、無間地獄ってやつなんじゃないか。
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元は他人同士。
紙切れ一枚の関係。
努力を惜しめば、夫婦なんてあっという間に別々の道を歩いていける。という、そんな怖さを描いているようなお話。
でも、元は他人同士だった二人が、たった紙切れ一枚の関係になるまでは、お互いそれなりに愛情を注ぎ努力をしてきたはずなのに、結婚という言葉に安心しきってしまうのか、お互いを思いやる気持ちをいつのまにか忘れてしまっているような気がするんだなー。と、自分自身に言ってみたりする。
なんだか夫婦の本当の姿を描いた作品で、読んでて自分の心を見透かされたようで、ドキッとしちゃった。