紙の本
老いの準備
2014/11/16 10:30
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
50歳を過ぎて、腰痛の慢性化や膝痛発症や頻発する頭痛等々、40代とは明らかに異なる加齢と思われる症状が増えてきました。そこで「老い」の心構えを知りたいと、本書を手に取った次第です。
全部で24項目ありますが、中でも外山先生が強調したい事項は重複して主張している箇所だと思いました。例えば以下の通りです。
1 炊事する(21ページ・155ページ)
2 忘れる(41ページ・186ページ)
3 おしゃべり(駄弁)する(31ページ・39ページ・149ページ)
4 知らない病気は治る・知らぬが仏(53ページ・189ページ)
そして、ストレスを溜めないことが最も肝要(第2章)。「怒ってよし」「泣くもよし」「ケンカもよし」「威張ってよし」。つまり、老いたら「ありのまま」に生きなさいということでしょうか。しかし、「ケンカで元気になる」はいかがなものでしょう。平和的ケンカなら良い(79ページ)と言いますが、過激化するのは必定。やはりケンカは駄目だと思います。
ところで、私の父は一人暮らしだったこともあり、様々な方(パチンコ友達、飲み屋、隣近所、病院等)と駄弁する努力をしていたようです。父は癌で意識がなくなるまで、決して絶望することなく、しっかりと生きていました。「おしゃべり」は、確かに生きる糧だったようです。
小学校しか卒業していない父と外山先生と共通するのは、老いても人生に対し、前向きかつ外向的ということでしょうか。内向的な私としては、両人を見習わなければと思いました。
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もちろん、90歳の外山さんの老い方論に同感しているよりも、まだまだ自分にはやることがあると思いたいのだけれど、一方で人生も折り返し点から後半に入ってくると、先を走る先輩方のお話をもっと聞きたくもなる。
本書では、功成った外山さんだからこそいえる内容もあるのだろうけど、自分の感情を自然体で発散しつつ、自分のペースで新しいことにも取り組むといった姿勢は、なるほどなと思うところが多かったです。
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90歳を過ぎて、ますますお元気というか、実際にガンガン本が出ている著者のエッセー。「怒ってよし」とか、誰もが持つ感覚に近くて、いい意味での”くそじじいのススメ”的な要素もあり、親近感が持てた。昔からよく知られている「知の巨人」の一人なんだけどね。よくある「~すべし」「自分らしく(というわりに説教くさい)」的な自己啓発本とは、違って心地よく読める。
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『思考の整理学』の著者で知の巨人と称せられる外山滋比古氏による人間老いたら、いかに生きたらよいかを問う一冊です。著者の論理的なわかりやすい考察や説明は本書でも随所に見られとても読みやすく、思わずふむふむと一気に読んでしまう面白さでした。まだ中年で老年ではない私ですが、人生の大先輩の教えはまだ老年を迎えない人にもとても役立つと思います。読書とは著者との対話である、と再認識できる一冊でした。
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怒りたい時には怒り、泣きたい時は泣けってことですね。
食事会を催して後日お礼を貰えなくて怒るところがクスッとワロタ。
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(本から)
「他山の石」
ピグマリオン効果
”日々にわれわれは賢くなりゆく〝 シェークスピア
全てを自然、時の流れに任せ、万物流転、われ生きる、ゆえにわれあり、という悟りに向けて、ゆっくり急ぐ。老いの楽しみはその中にある。
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誕生日を過ぎると死亡率が上昇する。
70を過ぎたころから、おしゃべりする目的の仲間を作った。
忘れれば頭はよく働く。
怒りっぽいことは、年を取ってからは悪くない。怒りは元気の源。興奮する材料。
シュリンケージ(縮小)は防ぎきれない。精神的に老化する。防ぐには、広げるしかない。新聞を読む。
新聞の切り抜きで本ができる=森銑三。
年を取ったら読書は30分ごとに歩き回る。
本を読むのは仕事ではない。仕事をする。
地下鉄は、経費がかかるので、近田から冷房は無理だという理由をつけて拒んでいた。
昼入浴で風邪を防ぐ。風邪に入浴が良くないというのはドイツ医学。ドイツは湿度が低いので入浴は疲れて体によくないもの。
書くことが無くても書く。書けば×。発表するところがなくても書く。
高齢になっても、10年分の材料を仕入れる。
ゆっくり急げ=アウグストスの愛用のことば。反対の言葉を結び付ける。撞着語法。ありがた迷惑、公然の秘密、負けるが勝ち、など。よく学びよく遊べ。
田舎の学問より今日の昼寝。ゆとりの中にまなびがある。
睡眠だけでなく横臥も大事。
うつぶせが内蔵にはいいが、苦しい。
詐欺は、自分のお金が役に立つという満足感を利用される。
寄付金の処理はいいかげんなところが多い。
流れる水は腐らない=動き回ればいつまでも若いといわれる。