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狂気に追い込まれる2人の刑事の話。馳星周ほど救いがないわけではなかった。真相は意外だったし、ミステリーのプロットもしっかりしてた。
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ジェームズ・エルロイ「ブラックダリア」を読了。正直言って、登場人物達がなぜ、あそこまでエリザベス・ショートに執着しなければならなかったのかわからない。なんで、彼女を中心とした転落のお話としては共感しにくいものがある。
しかし、終盤になって、どんどん新事実が明かされていく展開は凄かったな。エリザベス・ショートを中心に、ブライチャート周辺で起きた様々な出来事の謎が明かされていく。「マルドゥック・ベロシティ」で冲方先生はこれがやりたかったわけか。
…それにしても、海外小説は人の名前を覚えるのが大変だ。ファーストネームだの愛称だの、同じ人を違う名前で呼ぶのはやめてくれw
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まず登場人物の名前が覚え辛い。メインの二人からして「ブライチャート」「ブランチャード」だし、ロス近辺の地名も日本人なのでしっくりこない。なのでかなりチマチマ読み進めたけど、屈折した登場人物たちの性格はしっくりきたので楽しんで読めた。実際に起きた未解決の事件が題材で、全体的にロクでもない話ではあるけど、それだけに少しだけ希望のある結末には爽やかな気分に。
やたらと主人公が出っ歯である事が強調されるのが面白かったw
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ノワールというジャンルがありまして。
ノワールというのはフランス語で黒という意味で、ジャンル的には暗いもの、といっても寝たきりのおじいちゃんがこれまでの人生を振り返って後悔のうちに死んでゆく、といったものではなく、犯罪とか悪意とか、そういう。ノワール小説とか、フィルム・ノワールとかあります。
今年はLAノワールという、フィルム・ノワールを題材にしたゲームが発売された関係で、ラジオ番組、ウィークエンドシャッフルでフィルム・ノワール特集が組まれたりもした。
http://www.tbsradio.jp/utamaru/2011/07/2212011702.html
Podcastは、こちらから。2011年7月2日「ロックスター特集2」(前編・後編)をお聞きください。
http://www.tbsradio.jp/utamaru/labo/index.html
上記サイトで、映画の他にジェイムズ・エルロイ「暗黒のL.A.」4部作が紹介されていて、その第1作目にあたるのが『ブラック・ダリア』である。
この番組で説明されていたノワールの定義は、「ある女性によって、人生を転落してゆく人間の物語」。ブラック・ダリアももちろんその定型に当てはまる。が、その転落はダリアのせいとはとても言えないようなものだった。
ダリアによって人生を転落してゆく人たち。彼らはしかし、もともと嘘や秘密、欺瞞を抱えた、いびつな人間関係の中に生きていた。「嘘で固めた土台」の上で生きていた。そして彼らは、それを壊したい、すべてぶちまけてしまいたいという欲求を絶えず抱えていた。
彼らはダリアと関わることによって、自らその欲求に抗うことができなくなる。ダリアは彼らに対して何もしていない。これを、一人の女性によって人生を転落する、と言っていいものかどうか。少なくとも僕は、ダリアの事件そのものや、ダリアに関わっての人生の転落は、「嘘で固めた土台」のいびつさからの当然の帰結のように思えた。
そう思うと、このブラック・ダリアという話は、人間関係のいびつさを、外部要因(ここではブラック・ダリア)をきっかけとして白日の下に晒す、わりとよくある物語のパターンなのではないか。
ブラック・ダリアが特徴的だったのが、それぞれの抱える闇があまりに深すぎて、土台を壊した後に、それを修復しようという動きが一切無いことだ。唯一の例外はあるが。
そしてこの作品での転落は、人間関係のゆがみに決着を付けるものでもある。だから転落自体にカタルシスを感じるのだ。
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実際にあった事件を基にした話。主人公たちが追いつめられていく、暗い話。後半は謎解き、どんでん返しが続き、ミステリーとして秀逸。
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若い女性の惨殺死体から始まる、緻密で濃厚な海外ミステリー。
物語にハッピーエンドや爽快感を求めるなら、この話はまるで薦められない。
だが、そのあたりに構わない、自分の弱さに足掻いて苦悩する主人公を求める筋には是非薦めたい。
まず、冒頭から明るさなど欠片も無い死んだ‘彼女’の紹介とボクシング語りから幕開けする物語であるが、その陰鬱さ自体が、全編を通して不思議な中毒性を持っている。
この話には、どこにも完全で万能な、いわゆる格好良いヒーローは出てこない。
主人公の警官は常に未知のものに怯えているし、その出世や左遷などの進退と絡めて、物語には常に挫折と嘆きが絡まり合う。
真実があらわになるにつれて、前半で見えていた物語の輪郭線が形を変えて行き、事件の真相が気になって後半になるとページを捲る手を止めさせない。
物語らしい物語を読んだ、と読了して後に感じた。
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10数年前に読んだ記憶があるが、LA4部作ラストの
『ホワイト・ジャズ』が読みたくて1作目から再読することに。
中盤、勢いがついたが、後半は減速。2作目も購入済みなのに
リタイアしたくなってしまった。
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思ってたほどノワールな感じはしなかったが、警察のチンピラ度はすごい。生前会ったことのない人物でさえ狂わす「ブラック・ダリア」の魅力、というより、それを奇妙に納得させるエルロイの筆がすばらしい。
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《ブラック・ダリア》とは、ロサンゼルスで惨殺されたひとりの女に献じられた呼び名である。
猟奇的な殺人事件とその核心に迫ろうとする警官が主人公という点で、これはれっきとした犯罪小説であるが、と同時にこのフィクションの肝はもっと別のところに、《ブラック・ダリア》という女の存在によってはからずも自身が抱える心の闇に向かい合わざるをえなくなった人々の孤独な葛藤とその悲劇的結末を容赦なく描き出すところにあるようだ。ひとつの事件をきっかけに、平和な日常がアリ地獄のようにグズグズと崩落してゆくことの恐ろしさ。息をのむようなスピード感とは無縁。物語は、からまった糸を忍耐強くほどいてゆくようにジリジリした歩みで進んでゆく。
全編を貫く生々しさ、不吉さは、ロサンゼルスの暗部を身をもって知りつくした著者ゆえだろうか? 読者にもそれ相応のタフさが要求される。
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なんか聞いたことあるなーこの本の名前ってことで読んでみることに。。
個人的には長い・・・w 構成的には後半に一気に佳境にせまっていきながら、疾走感や迫力を出すように仕上がっているのかもしれない・・・けどそれまでの前座が長い・・・w
なんとか読み切った、という感じでした。。
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1947年、一人の女性の凄惨な遺体が見つかる。漆黒の髪に黒いドレスを着ていた彼女にちなみ事件は「ブラック・ダリア事件」と呼ばれるようになった。実在の事件を基に事件に関わる人間たちの暗い情念を描いたミステリー。
書き込みが凄いなあ、という印象を受けました。その分どうしてもテンポがいまひとつだったり、話の本筋や事件の経過が分かりにくかったり、ということはあるのですが、それでもこの書き込みから浮かび上がってくる登場人物たちや組織の闇の部分、それを描き切ろうとする作者の情念というものが伝わってきました。個人的には高村薫さんの『マークスの山』と似たような雰囲気かなあ、と思います。
普通なら事件解決とともに徐々に事件に光が差していくような印象を受けるのですが、これは話が進むごとにさまざまな登場人物の闇の部分が見えてきて、普通のミステリー小説とは逆のベクトルを持った小説なのだな、と感じました。暗黒小説と呼ばれるのも納得です。それでいてミステリーのどんでん返しもしっかり決めてくれるあたりさすがだなあ、と思いました。
1991年版このミステリーがすごい!海外部門3位
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『ホワイト・ジャズ』読書会にむけて再読。暗黒のLA4部作の第1弾。1947年、若い女があまりにも哀れな遺体となって発見された。この〝ブラック・ダリア事件〟の捜査にあたるのは、いずれもボクサーあがりで、対抗心と奇妙な敬意を抱きあうバッキー・ブライチャードとリー・ブランチャード。事件はふたりの私生活までも蝕んでいく。三角関係、裏切り、癒着、汚職、横溝正史に通じる暗黒。次々と明かされる新事実に翻弄され、それは幕切れまで続く。密度が濃いので一見とっつきにくそうなエルロイだが、物語が動きだすときに読み手を引きこむパワーが桁外れに大きい。ブラック・ダリア事件は実在の未解決事件。似たような状況で母親を殺害された過去をもつエルロイがモチーフとしてとりあげた。ジョシュ・ハートネット、アーロン・エッカート、スカーレット・ヨハンソン、ミア・カーシュナーらの出演で映画化されている。
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映画の補完として。
映画ではわかりにくかった部分が多かったのだが、
背景がわかってすっきり。
文体はちょっととっつきにくいが。
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『ホワイト・ジャズ』読んでみようかと
せっかくだから「暗黒のL.A.」4部作を順に
まずは『ブラック・ダリア』から。
登場人物の呼び名いろいろで人物ページを後半までパラパラ、結構ストレス。
中盤、読むのがしんどい感あったが、
ラストは予想以上の展開、まだひねるのって感じ
疲れたなぁ。
ブクログ登録数見ても『ブラック・ダリア』で力尽きてる人多そう?
これでは止めれない。
『ビッグ・ノーウェア』から弾けてくるらしい。
頑張ってみるかな。
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昔からよく映画で見てたからそろそろ読んでみようかと。
実際の事件の写真(真っ二つになってるのにすごく綺麗な死体)から感じる独特なセンスとかそれに至る描写とか、もうちょっと細かく見たかったもんだ。
ハードル高すぎただけかも