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短編が異色
2021/10/16 22:27
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
「帝都衛生軌道」は途中で話が6年後になるせいか、短編を間に挟んで前後編に分かれている作者お得意の謎解きミステリー。異色なのは短編の「ジャングルの虫たち」で、こっちはミステリーではなく、純文学的手法がとられたような作品。社会や人間の本質について色々考えさせられる。
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2009/8/12 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2018/11/30〜12/5
2年ぶりの島田作品。
タイトルはそういう意味だったのか!関西人で東京に馴染みがないので、トランシーバーのトリックには気づけなかった。
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うー・・ん・・?
前編、違う話、後編、っていうなかなか斬新な試み
なのですが後編気になりすぎて間の話(ジャングルの虫たち)飛ばして読みました
帝都衛星軌道の話は後ろのあらすじを読んだだけでビリビリミステリ好き魂を刺激されるような謎の話。
たった15万円の息子誘拐の身代金、山手線に乗ることを要求してくる犯人の鮮やかな手口・・。
確かに読んでる時はそれでそれで!!???って思うけど、謎が解かれてしまうと、ああ、そうですか・・・としか言いようがないですね。
私が子供なのか、美代子さんが裁判で夫より姉の言いなりになってしまったところとかがよくわからんかったとです。美代子さんと姉たちの仲は悪かったのでは。
妹夫婦は殺してるくらいだしさ。
つまりあれですか。今更になって殺人犯になるのが怖くなってってことですか。
人間らしい心理だとは思うけれども唾棄すべき感情ですね。
ただこの話最後がほんとーーーに良くて、国吉が貞三に話す、東京の地下鉄の真相、のあたりからの流れが凄い。
皇居を囲むように地下鉄は出来ている、(皇居が太陽でその周りを走る平民)とか、戦前要塞だとか、地下が発達した都市東京ならではのロマンをうまく使ってきてますよね。
実際都市伝説でも、東京の地下に秘密があるっていうのは腐るほど聞いたことがあるし、好きな題材です。
そんでもってその『環』の話をした後に、「輪廻」を感じさせるラスト。きれいです。きれいに落ちてます。
『ジャングルの虫たち』。
端的に言うと好きじゃないです。でも島田さんは、東京っていう都市に対してものすごく強い執念、みたいなものを抱いてるんだろうなあ、と感じる作品。
確かご本人は外国在住ですよね。
この人の書く東京はなんだかごちゃごちゃしてて、やたら華やかな皮一枚下では人と人が騙しあう、傷と汚れが交錯する場所、のような印象があります。
なんかさ・・古くないか・・そういうステレオタイプな東京・・・
もっと引いて!引いて見て!と思ってしまう。ただ単に小説の題材にするには闇の部分が面白いだけなのかもしんないですけど。
知識があれば騙されることもないんだよな、と、なんだか特に主題でもなかろうに思ってしまった短編でもあります。
☆は3.5で。そのうち0.5は表題作のラストの点数で。
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中学1年の一人息子が誘拐された。身代金は15万円。
これだけで『裏に何があるんだろう』とワクワクしながらページを繰りました。
でもホントに面白いなぁ、と思ったのは、謎解きの過程で語られる
東京の地下迷宮についてだったけど。
【収録内容】
帝都衛星軌道(前編)
ジャングルの虫たち
帝都衛星軌道(後編)
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本編は前編と後編に分かれていて間に別の作品があります。
間に別の作品があるので中弛みしてしまうのかと思いましたが、違和感なく読み進むことができました。
全体的にとても楽しめました。
しかし、ある事柄(題名に関係する)の説明を文中でしているのですがストーリーとうまく融合していない気がしました。
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帝都衛星軌道前編、後編の間に「ジャングルの虫のたち」という
章がある。
この章がどういう風に物語とリンクしていくのだろうと思いながら
読んでいたが、まったく関係ない章だった!
物語はおもしろいのだけど(ジャングル・・・も)この構成の意図する
ところが理解出来ない・・・
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一人息子が誘拐された。身代金の額はわずか十五万円。受け渡しの場所として山手線を指定され、警察側は完璧な包囲網を敷くが...。前後編の間に、都会の闇で蠢く人びとを活写した「ジャングルの虫たち」を挟む異色の犯罪小説。大胆なトリック、息をつかせぬ展開、繊細な人間描写が織りなす魅力に満ちた傑作。
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単行本刊行当時から気になっていた一冊。ノベルズ化されたのに手が出せず、文庫化を機に読んでみました。参考文献に挙がっている秋庭氏の本は読んだことがあるので、「その点」については意外性は感じませんでした。細かいことで一つ。紺野本人が、どうして自分の戸籍謄本の写しを申請しなかったのでしょうか。妻の失踪で、手続きをする気力すらなくしてしまったということならば、いいのですが。
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お、面白かった。表題作は前後編に分かれており間に中編が入る構成。中編について賛否両論があるようだが個人的には、あってよかったと思う。前編において謎が掛けられ読んでいてわくわくした。中編で態勢を立て直して後編で一気に謎を解く。流石ベテラン飽きさせないなぁと思った。著者の作品を読むのは中学のとき以来だが今の方が面白く感じたのではないかと少々残念だ。他の作品も是非読んでみたい。