紙の本
「倒錯」と「盗作」と。あぁ、びっくりした!
2012/01/10 11:43
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
叙述トリックが好きだ。
だから、折原ミステリは大好物。
読者の先入観を巧く利用して読者を欺く叙述トリック。
高度な技が故、作家の力量が物を言う。
あざとすぎてもいけないし、
さりげなさすぎてもいけない。
盛りすぎてもいけないし、
シンプルすぎてもいけない。
非常に難しいトリックだ。
そんなトリックに挑戦し続ける折原氏。
その心意気が素敵すぎる。
本書は、著者が1988年の江戸川乱歩賞に応募した作品である。
受賞こそ逃したが手直しを経て後に講談社から刊行された。
江戸川乱歩賞に応募する云々の模様は、
本書の著者あとがきにユーモアを交えて描かれている。
※ただ、本書のネタばれにもつながるので、
本編を読む前にあとがきを読むことはお薦めしない。
さて、叙述トリック作品は読書感想文を綴るのも難しい。
なんせ読者の「先入観」が作品を楽しむ鍵になるのだから、
余計なことは書けない。
どんなところからネタばれにつながるかわからないからだ。
だから…ぼんやりした感想を綴ることにする。
感想はひとことでいうと、
面白かったーーーー!!!!
まさかそこですか。
そこをそうしちゃいますか。
あぁそうですか。
といったところ。
ただ、ラストがあまりすっきりしないのが残念かな。
もっとシンプルしたほうが生きてくるような気がする。
でもこの試みと遊び心。
好きすぎる。
本書は倒錯三部作の一冊ということなので、
あと二作品、読むことにしよう。
紙の本
悪くはないが人を選ぶ
2015/08/18 16:40
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投稿者:にこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近同ジャンルを続けて読んでるせいもあるだろうが
大方の予想はつく内容だった。
だが日記形式のため読みやすく、物語としても面白い。
ヒントは散りばめられているし、種明かしは終盤にしっかり説明してあるので読者には親切な作品だと思う。
ただ大前提を反則だと感じる人はいるだろう。
最後の江戸川乱歩賞の件もメタ的で評価が分かれそうだと感じた。
紙の本
のめり込んで読むと騙される
2004/10/22 17:14
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投稿者:うさしー - この投稿者のレビュー一覧を見る
推理小説新人賞を受賞した「幻の女」
この小説の原作者と盗作者の駆け引きが物凄い勢いでエスカレートしていくという、至ってシンプルなストーリーだ。
登場する人物も本当に必要最小限で読みやすく、あっという間に読んでしまう。
それだけに「物語はクライマックス。からくりが分かりましたか?」と出てきたときはあせった。
夢中になって読んでいたので、復讐劇のような錯覚にとらわれていて推理小説だったことを忘れていたのだ。
のめり込んで読んだ人ほど最後のどんでん返しはキクだろう。
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投稿者:真 - この投稿者のレビュー一覧を見る
推理小説の新人賞応募作を盗んだ盗作者と、原作者との駆け引きを描いた作品。作者お得意の叙述トリックが使われていて、推理しながら読むのがベストかと。でもこのトリックは、ラストでどれだけ驚けるかで評価が決まってくるので、真相を見抜いてしまった人には物足りないかも。
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作家志望のある男が有名な新人賞に向けて描いた原稿をめぐるトラブルをモチーフにした叙述ミステリ。
何とこの作品は折原氏が江戸川乱歩賞に応募して最終選考に残ったものらしい。ただ叙述トリックを駆使した異色な作品であるため評価が分かれ受賞を逃したようだ(江戸川乱歩賞だもんなあ)。以下解説(文・結城信孝)より。
≪専門家でも評価が分かれるぐらいだから、読者間においても賛否両論、好き嫌いが明確になってくるのは当然の話で、これはこの手のミステリ小説の宿命でもある。推理小説の新人賞をめぐる盗作と倒錯……が作品テーマになっている本編が読者の好みに合うかどうかのキーワードは、一にも二にも《叙述トリック》と称する小説創作上のテクニックにある。折原ミステリの命綱でもある叙述トリックについて、簡単に触れておきたい。本格ミステリと呼ばれるものの多くは、殺人事件の解明を論理的に進めていく作品形態になっている。作者が考案したトリックを犯人が使用し、読者がそれを推理する。多少のバリエーションはあるが、本格物と呼ばれるミステリの九割以上は、このパターンである。これに対して叙述トリックを使用したミステリとは、作品構成そのものがトリックになっているものを指す。ひとつの例として、一人称形式の作品で語り手である「わたし」が、最後になってじつは「犯人」であった……という形式。あるいは、いかにも女のように書かれていた「わたし」が男であったとか、さまざまなパターンがあるが、これは読者の錯覚や勘違いを利用することが狙いとなっている。つまり、トリックを成立させるためのファクターに読者の心理が入ってくるところに、このトリックのダイゴ味がある。俗にいうところの騙しのテクニックであり、作者によって巧妙に騙されることが快感という読者には歓迎されるが、肩すかしをくわされたことに腹を立てる人たちにとっては、まったく価値がない。「極端に評価が分かれる」というのは、このことである。≫
わたしは叙述ミステリの熱心な読者ではないので、歓迎も立腹もしない。トリックを見破ろう何てハナから考えてないからだ。ただ中には読者を欺くことにポイントを置きすぎてて、ラストまで読んで「ちょっと無理があるだろう」と思えるものもあって、そういうのは好きじゃない。
この作品は好きな部類。トリックどうのこうのを置いておいても、スピード感があって展開も面白く、単純に小説として読んでいて楽しい。だからラストのどんでん返しも生きてくる。「倒錯」シリーズとして他にも出てるので、全部読むつもり。
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折原だ折原だと思って構えて読んでいたのに…あっけなく引っかかってしまった。でもなんとなく衝撃度が低く感じるのはやはりそういう姿勢のためなのだろうか。
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なんか中学の時に読んで、やたらドキドキしたのを覚えている。
なんかいけないことをしてるような気分になるミステリー。
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果たして
これは真実なのか、それとも空想なのか?
読んでいくうちに何が真実なのかがわからなくなります。
でもどんどん引き込まれていきます。
小説の中では「幻の女」という小説が盗まれ盗作された、
という最初の出だしが、だんだんとこんがらがって倒錯の世界へ。
あとがきもこの小説に絡めた内容になっていて
読み終わったあと必ず読んでください。
あなたはこのトリックを見破れますか?
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どうぞ、どっぷりとはまってください。
これぞ折原ワールド、叙述トリック。
これでトリコにならない人はいないはず^^
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●鬼才島田荘司氏が「驚嘆すべき傑作」と賞替する、本格推理の新鋭による力作長編推理●叙述トリックの名手●発想がおもしろい!騙されましょう☆
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え!?
おもしろい!!
なんか最近面白い本に連続で当たってて嬉しい♪
途中であれ?これおかしいって箇所には気付くんだけど、まさかそういうオチになるとは。
折原作品は○○者シリーズから入ってしまったあたしだけど、こっちから入った方が正解!
さくさく読めるし(実際半日で読めた)重くない。
わたし、○○者シリーズで散々折原さんの手の内分かったつもりでいたのに、あまりの軽さに騙された!
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好き嫌いが分かれる作品。
自分としては「だまし討ち」された感は否めないけど、たぶんそれはこの手の「叙述トリック」とやらに対して免疫が無いからかもしれない。「クラインの壺」に似ているような気がしないでもないのだが・・・。
もう2,3冊この人の本を読んでみないとなんともいえないかな。
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自分が書いた小説を盗んでまんまと新人賞を獲って、
富も栄光横取りした男。
復讐の鬼と化した男はどのようにして盗作した男と対峙するのか…
原稿の清書を無償で引き受け、うっかりなくしてしまう親友が哀れ。
叩き込むような二重三重のどんでん返しに圧倒されつつ読破。
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ミステリー長編。
大賞受賞間違いなしと自負する自作のミステリー小説をとある賞に投稿するため、親友にワープロで清書してくれるよう頼んだ主人公。しかし、不運にも、親友はその原稿を電車内に忘れ、さらにはその原稿は何者かに盗作され、大賞を受賞していた!!盗作者への復讐を誓う原作者。そこには驚くべき結末が待ち受けていた・・・!!
んっ!?私の大好きな叙述トリックだったのだけれど、読後、あの『やられたぁ!!』感が全くなかった。それは、読んでる途中で寝てしまって、途中から読むのを再開したがゆえに、物語に入りきれなかったからなのか、私が馬鹿だからなのか、それともこの作品自体が・・・。
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たぶん、私が最初に読んだ折原作品。凄い衝撃を受けて、面白くて、図書館で、彼の作品を全部読み始めた・・記念の書