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「これは僕の失恋であり、同時に、初恋の物語だ。七草は引き算の魔女を知っていますか――。夏休みの終わり、真辺由宇と運命的な再会を果たした僕は、彼女からのメールをきっかけに、魔女の噂を追い始める。高校生と、魔女? ありえない組み合わせは、しかし確かな実感を伴って、僕と真辺の関係を侵食していく。一方、その渦中に現れた謎の少女・安達。現実世界における事件の真相が、いま明かされる。心を穿つ青春ミステリ、第3弾。」
わ―もう凄いなー、最初「いなくなれ、群青」を読んだ時、謎の殆どが1作目で解き明かされちゃってシリーズとして成り立つの?とか思っていたけど、こういう構成…凄いな…。
今作は、「捨てた側」の、階段島の外にいる「彼ら」の物語。こっちサイドのお話もかー?!それアリなのかー!とほんとびっくりした。
いや普通に考えたら全然アリなんだけど、何て言うかこのお話は「階段島」というあの島で、捨てられた側の彼らだからこそ成り立つ、という勝手な思い込みがあって。
あやふやな感情や、あやふやな「彼ら」を、あやふやなままどこまでも丁寧に美しく描いていくお話だと思っていたら、三作目でこれだよ…。
「欠点を手放した側」が、どのような変化を得ていったのか。また、なぜ彼らは欠点を「捨てた」のか。前二作の裏側の補完をする物語が今作にあたるのだけれど、それを丸々一冊使ってシリーズものとしてやるのが凄い。
自分の欠点を捨てたって、それでその人の本質がまるきり変わってしまうわけじゃないんだって事。たとえそれが成長という「自然な形」で手放すことになっていたとしても、どうしたって、元の部分は色濃く残る。
捨ててしまっても、結局は、七草は七草だし真辺は真辺だ。喪失したことで得たものがあるのなら、それくらいで変わらないものだって、確かにある。
あーはよ完結して…。心臓に悪い終わり方したからはよ完結して…。そんでみんなハッピーになってください…。
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シリーズ三作目、書き手には相当な筆力が必要な内容。
というのも、階段島のシリーズは捨てられた感情が人格を持って暮らす島であり、島の外では捨てた側の人間がいる。
今作では、悲観的な性格を捨てた側の七草の視点で、島の外側(現実)が語られている。
群青、白と同じ人物であるはずの七草だが、その特徴である悲観を無くした七草を描くのは、同一人物であるが感情が違う人物の書き分けというのは、非っ常に難しいと思うのだ。
現実の七草は希望をもって行動するが、島での七草は悲観的に行動する。
一作目で、島の七草が階段の下で現実の七草と会い、大地をどうにかしろ、と伝えたシーンが現実の七草側の視点で描かれる。
魔女から悲観を抜き取られた後に見たその夢で、現実側の七草も行動を始める。
それと同時に、真辺も魔女と会おうとしている。そして、真辺が捨てた感情はなんだったのか。
相原大地を救おうと、現実と島と両方の真辺と七草が行動する。
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【あらすじ】
これは僕の失恋であり、同時に、初恋の物語だ。
七草は引き算の魔女を知っていますか――。夏休みの終わり、真辺由宇と運命的な再会を果たした僕は、彼女からのメールをきっかけに、魔女の噂を追い始める。高校生と、魔女? ありえない組み合わせは、しかし確かな実感を伴って、僕と真辺の関係を侵食していく。一方、その渦中に現れた謎の少女・安達。現実世界における事件の真相が、いま明かされる。心を穿つ青春ミステリ、第3弾。
【感想】
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舞台を捨てた方の世界に移して,魔女に関する噂と真実を背景に,大地を守ることを願う七草と真辺由宇のあれこれ.そして最後にまた階段島へ.どこへ行き着くのか,まだまだ先が読めない.
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傷つき、泣いて、僕たちは恋をする。
七草は引き算の魔女を知っていますか――。夏休みの終わり、真辺由宇と運命的な再会を果たした僕は、彼女からのメールをきっかけに、魔女の噂を追い始める。高校生と、魔女? ありえない組み合わせは、しかし確かな実感を伴って、僕と真辺の関係を侵食していく。一方、その渦中に現れた謎の少女・安達。現実世界における事件の真相が、いま明かされる。心を穿つ青春ミステリ、第3弾。
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階段島ではなく、人格を捨てた現実側の物語。1巻と同じ時期で、1巻の「僕」との接触もある。ただ1巻の内容を覚えてなくて僕と僕の会話がよくわからなかった。登場人物たちの理屈っぽい、嘘っぽい会話はいまだに慣れない。(七草が捨てたもの:真辺への信仰。真辺の変化を恐れる自分。真辺が捨てたもの:七草に頼る自分。大地が捨てたもの:母を嫌いになれない自分。安達が捨てたもの:魔女。 僕は過去に小学校の校庭で引き算の魔女に会っていた)
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1巻、2巻と読んだがこれまでの中で印相が薄い感じがした。せっかくの世界感の中で起こる謎が解決に進むわけでもなくさらに壮大になるわけでもなくただ広くなるだけで少し興味が失せていっているように感じた。
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階段島の現実サイドの物語。
表の世界では七草、真辺、大地の正しさと純粋な優しさが一層鋭利で心が苦しくなりそう。
表裏を両方描くであろうことは想像できたのに、両者の関連性を正しく把握するために前作までをもう少しキチンと読んでおくべきだった。
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今までの階段島シリーズとは異なり、現実世界でのお話になります。なぜ七草や真辺が階段島に捨てられたのか・・・?
そして最後に明らかになった、2人の想い。甘えや憧れを捨て、一緒に寄り添えるように願った想い=「汚れた赤を恋と呼ぶんだ」のセンスには感服しました!
暗躍する人間も登場し、現実サイドと階段島サイドの差も感じられたので、ますます次巻が気になるところ。
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記録
七草が真辺に胸を貸すところなんか良かった。
でもそもそも魔女ってなにか分からず
文章自体も私にはなかなか難しくって
最後まで理解できなかった。
安達は結局何がしたかったのかな。
みんなそれぞれ魔女に会って
願っていたことは叶ったのかさえ
読み解けなかったなぁ。
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捨てた側の人たちの物語。
捨てたからって無くなるわけじゃないのよね。二度と手に入らないものもあるかもしれないけど、捨ててもまた新たに生み出されるものもある。
新しく生まれてくるものは、前と違うものかもしれないし、同じものかもしれない。
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まさか、こんなシリーズ構成に3巻まるまる使うなんて( ;´Д`) 3巻は内容以上に作者の3巻の使い方に衝撃! ファンになってしまった!
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3巻目まで読んでふと思ったことだけど、この本は登場人物達みんな落ち着いて一定のルールに従って会話が成立しているように感じた。
正しい解釈まではできないけれど、基本的に誰も怒ったり、決めつけたりせずに相手の話を聞いているなと。
隠し事や嘘や探りを入れるようなことをしたら、普通は怒ったり嫌がったりして人付き合いがしにくくなるようなものだけど、他社を尊重しているのがどの登場人物達のやり取りからも感じられた。
そうじゃないと小説として成り立たなかったり、作者が描きたい世界を描くことができないからかもしれないが、現実を生きている身としてはなかなかこうはいかないよなと思ってしまった。ただの僻みかもしれない。
新しいキーキャラクターも出てきて、いよいよ最終章楽しみ。
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現実サイドを書くのかー。という驚きはあったけど、前作の方がよかったかな。個人的には理想主義者のキャラクターの方がかっこよく見えるのと、階段島のあの雰囲気が好きなので。
でもここから動き出しそうな感じ。
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階段島ではないあの時期の捨てた方の彼らのお話。
ヒロインが(どうしてか名前が覚えられない… マカベだったかマナベだったか…)私はヒーローを呼ぶ人間だ、と語った事で何でこうもこのヒロインが苦手なのかわかったような気がしました。結局(そうでは無いのかもしれないけれども)彼女は自分では何も解決しないんですよね。もっと解決策を見つけるのには適した人が居るからと思考を七草に丸投げしているように見える。それが偶々成功していたから彼女もそれで良いんだと成長せずにいた。そこに痛烈な違和感を感じていたんだろうな。そういう意味では二年の別離と別れの際に傷をつけられた彼女の方が人間的で好感は持てる。
階段島の彼女は正論だけを持ち解決法を持たないから苦手なんだな…となんか腑に落ちた気がします。誰もそれが正解だとは思っていない。間違いだと知っている。でもそれをどうただしていいのかわからない…と皆が手をこまねいている所に彼女はズカズカ入って行って「それは間違っている」と断言する。じゃあどうするんだよ?と問うと「それはわからない。でもコレは間違っている」と指摘だけをする。基本的にはKYというか人の感情がわからない人間なんじゃなかろうかと。
そんなヒロインの周囲に迎合出来ないまっすぐさを愛する主人公もある意味同じ人種なんだろうなって思います。子供が思ったことをすぐに口にする事で、周りを傷つけたり、疎まれたりする事があってもそれを無邪気と呼び大人になってもそのままでいてほしい…というような歪んだ願望を彼は彼女に押し付けようとしていた。この二人はよく似ている。ある意味二人だけで居られる世界ならきっとカンペキなのだろうし、二人はそれで問題ないのだと思う。でも世界は二人だけでは構成されてないのだと気づいた二人が引き算した結果が今の二人だとしたらそちらの二人の方が私は好感を持つなぁ…という感想。
そしてなんか意味ありげに力を持つもう一人の魔女登場。私は堀さんが好きなので結構ドッキドキです。