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みんなのレビュー14件

みんなの評価3.7

評価内訳

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紙の本

科学者が持つべき倫理、科学者以外も参加すべき議論がいっぱい詰まった本

2006/04/22 23:26

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る

第1章「科学研究の変質」では、国家と科学の関わりの歴史が分かりやすく分析されていて示唆に富む。

 第2章「技術と安全」では、JOCで起こった臨界事故が主に扱われている。著者は、この事故の原因を日本のクラフトマンシップの崩壊ではなく、日本的なQCサークル活動の延長として捉えるべきだと主張している。確かにそのような面もあるが、私は臨界の何たるかを知らない労働者を生み出した日本の教育力の低下が大きいと思う。かつては、飛び抜けた者は少ないかもしれないが、良質で均質な労働者を生み出していた日本の教育が、崩壊している事実は見逃せないと思う。

 この章の最後に述べられている「造られたものを安全に機能させるためには、造ったときに匹敵するほどの努力(資力と技術力)を注がなければならないのである。これを怠れば、造られたものは、無用の長物ならまだしも、凶器にさえ変じることがある。」(p.66)との言葉は慧眼であり、忘れてはならない警句である。

 第3章「医療と現代科学技術」は一番の圧巻で、この本が書かれた時点では、まだヒトゲノムの解析が完全には終わっていなかったが、解析が終わった現在ますます重要になってきている問題が指摘されている。

 第4章「情報と科学・技術」の前半は、さすがに秒進分歩の分野だけあってすでに紙面が古くなっている。著者の予想は残念ながら外れ、いまやワープロ専用機は姿を消し、パーソナル・コンピュータは相変わらず増えている。ただ、筆者の言うようにメディア・リテラシーやインフラの整備は遅れたままだ。

 第5章は、「科学・技術と倫理」である。ここで述べられているような科学者たちの性行を知るには、マンハッタン計画に参加した世界的な物理学者ファインマンの自伝『ご冗談でしょう、ファインマンさん』を読むとよい。科学者の倫理と技術者の倫理が分けて述べられているが、ES細胞問題や耐震偽装問題などを考えるといずれもさらに低下していると思わざるをえない。

 第6章「科学・技術と教育」では、大学教授にしてはめずらしく(失礼)、小学校から高校までの現場を正しく理解している。ノーベル賞に対する見方も藤原正彦とも近く共感を覚えた。

 筆者が言っているように、中学で理科嫌いが40%になり、高校でもさらに40%が理科嫌いになるのは自然なことだ。これは理科に限ったことではない。一時期さかんに753(小学校で7割、中学校で5割、高校で3割しか授業を理解できていない。)と言われたが、生徒が理解できないからといって学習事項を減らすのは、本末転倒である。

 ゆとり教育のスポークスマンであった寺脇研が、新課程では中学卒業時に全員が履修したことを習得しているだろうと言ったが、そんなことはありえない。現実に学校によっては高校でも九九を教えているのであり、興味と時間があれば、だれでも理解できるというのは、学力の高い人間の思い上がりだ。練習したからといって100mをみんなが12秒内で走れるようにはならないのと同じだ。

 私たちの世代は、文系でも物理、化学、生物、地学を学んだし、私が通った高校は数学3も全員受講だった。これらの科目を学んだことは、決してマイナスではなかったし、過重な負担とは感じなかった。それが可能な学校では、やるべきだ。現在では、理系でも理科を3科目履修させる学校は理数科を除くと少数であり、文系で受験に地歴科目を2教科要求する大学がほとんどないのが現状である。

 しかし、教育の荒廃の根本原因は制度的なものよりも、日本社会が「努力するものが報われる。」という共同幻想や知への畏怖を失ったことにあると思う。

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2011/07/27 19:47

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2006/10/21 17:23

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2006/11/26 00:44

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2017/01/21 12:04

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