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2016年に定年となり引退した橋口弘次郎元調教師の半生とダービー制覇に懸ける思いが書かれた一冊。
華やかな競馬との出会いから競馬の道に進み、佐賀競馬での騎手時代や調教師になるまでの道のりなど幾多の苦難を乗り越えて名伯楽と呼ばれるまでになった軌跡は氏の柔和な表情からは想像できないものだと読んで感じました。
ダンスインザダークやハーツクライ、ワンアンドオンリーと数々の名馬を育てた氏の調教に関するこだわりや調教助手などの育成方針についても詳しく書かれており、名馬を育成の裏側も知ることができました。
また数々の馬主の方や牧場との出会いも氏がトップトレーナーとして成績を上げるうえで欠かせないものだとも感じました。
そんな本書でも大崎元騎手へのレッツゴーターキンの依頼や高橋現調教師や小牧騎手など鞍上への思いやりは乗り替わりや外国人ジョッキーへの依頼が増える今でも凄く印象に残りました。
競馬家系とは言えない出自から競馬への情熱と幾多の出会いで競馬史に残る成績を残された氏の半生を知ることでまた競馬の世界の魅力を感じることの出来た一冊でした。