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太平の江戸時代、その屋台骨となるインフラ整備について、史実を基にした連作になっている。
それぞれ職人たちが主人公で、職人魂をみせている。
小説を読みつつ、昔の地図を紐解く。
逆引きブラタモリとでもいえるかもしれない。
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28年上半期の直木賞にノミネートされた作品。巨大都市である江戸を誕生させた家康とその家臣である熟練工たちの話。
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家康の命により、様々な人々が紡いだ物語によって江戸の街が出来ているのを感じさせてくれる一冊でした。2話の「金貨を延べる」と4話の「石垣を積む」が特に秀逸でした。
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何故これが直木賞候補に・・・。
江戸の創成期を舞台として、NHKのプロジェクトX的なお話がいくつか出てくるわけですが、残念ながら家康をはじめとした登場人物の描き方が軽すぎて、時代小説の魅力の一つであるトップの深謀遠慮や、プロジェクトに挑む技術者たちの必死さがほとんど伝わってきませんでした。興味深い題材を扱っているのに何とももったいない。もう少し一人一人の人物を掘り下げて丁寧に人間ドラマを描けば、また印象も変わってきたと思うのですが。
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家康が江戸を「構築」していくお話。とは言っても主人公は家康ではありません。各分野で活躍した人々の血と汗の結晶的物語。江戸の成り立ちを知る上でもとても興味深い1冊でした。東京の地理に詳しければもうひとつ楽しめるのかもしれません。
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江戸が完成されるまでをお金、水(川の流れ)、天守、石垣の面から描かれた本です。
直木賞の候補作なので読んでみました。
私は大阪に住んでいて東京にはゆかりがないため地理の面では全くわかりません。
でも歴史が好きなこともあり街をつくるということはそれだけで本当に無数の命でできているプロジェクトなのだな、と楽しめました。
直木賞・芥川賞を実況・解説するニコ生で言っていた通りぜひブラタモリで本を片手にまわって欲しいです。
それにこの大阪編も読んでみたいなあ。
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家康が江戸を建てるための基本となる、川・通貨・飲み水・石垣・天守を作り上げていくかが描かれている。
連作としては時系列が前後して、少し読みづらい。
個々の工事においては主となる人物がいるにはいるが、どれも魅力が足りない。
評判が良かっただけに、少し残念。
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家康の築いた江戸幕府を、戦ではなく民政にスポットを当てて掘り下げた作品。
伊奈忠次、親子三代にわたる利根川の大工事。
橋本庄三郎(後に後藤光次)による金融の大変革、慶長小判の製造。
大久保藤五郎忠行、百姓の内田六次郎、春日与右衛門による
大水道工事。
石切りの天才吾平、石積みの天才喜三太による江戸城石垣の大工事。
江戸城天守閣を巡る、家康・秀忠の想い。
以上五話。
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面白く、読みやすい物語であった。家康が、一から江戸を作り出すという、日本最大で壮大なプロジェクトを実行する。江戸幕府を作り出すためのインフラ整備はこれから江戸が発展していくのだと思うと感慨深い気持ちになってしまう程だった。下水道設備、河川の工事、土地開発など江戸の街が出来上がるまでに様々な人の手によってだんだんと骨格が作り出され、最終的にどんな江戸の街になるのかワクワクしながら読み進めた。江戸の街とそこでの人間模様がドラマチックさに拍車を掛け、歴史上の家康像だけでなく、新たな像を生み出す著者の筆力が良い。
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『桐島、部活部やめるってよ』みたいなタイトルだが、内容も家康主人公ではなく、江戸城や治水工事に関わった職人や代官の短編集。近年はやりの『火天の城』みたいな技術小説なので、お好きな方にはうける。文章の表現力がやや稚拙なのが玉に瑕だが。
最終章の天守閣が白壁であるのは、童門のエッセイを読んでいて知っていたので大した感慨はなかったのだが、参考資料リストが欲しかったところ。
タイトルが中身を裏切っている感はぬぐえないが、「家」「康」という字は「建てる」によく合っている。
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単行本だし、でも他に引かれるものがないし、という控えめな気持ちで、でも帯で買った。
ん~、こんなに行ったり来たりの話だとは。
家康か? 江戸の話はなぜか好きですが、題名は…。
東京近郊にいたら、街歩きを楽しめそう。
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秀吉の命により、当時、何もなかった江戸に入った家康。そこから、江戸の町を作り上げるまでの家康の奮闘ぶりが描かれているのかと思ったが、実際には江戸の町を作った職人さんたちの話。ところどころで、「現在の〇〇」と言った注釈が入るので、歴史小説よりも分かりやすく、なかなか興味深い作品だった。
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今もなお発展を続ける2千万都市の大東京。発展の基礎は当然に徳川家康が作った訳で、その初期の頃、江戸がどのように造られていったのかを、河川、通貨、水道、石垣、天守閣をそれぞれ造った有能な役人を中心に描いていく歴史小説。
いやあ、これはなかなかの新機軸。おもしろかった。江戸は「ここを徳川の一大拠点にしてみせる!」といいう家康の信念と「元和偃武、平和の時代こそ自分の出番!」という有能な役人との情熱が掛け合わさったことでできたことがこの本を通じてよくわかる。
家康モノと言えば、本多忠勝、井伊直政、酒井忠次、あるいは本多正信などが主要登場人物な訳だが、この本にはそれら一線級のスターは出てこず、伊奈忠次(利根川を東遷させ関東に莫大な農耕地を作り上げた男)、後藤庄三郎(日本橋付近に金座、銀座を造り、日本を秤量貨幣から計数貨幣制度に変えた男)、大久藤五郎と春日与右ヱ門と百姓の六次郎(現在の井の頭公園の水源を開発し、水道橋を通して山の手に飲み水を供給した男たち)など歴史に埋もれた実に渋い配役で物語が展開していく、まさに一隅を照らす者たちの大江戸プロジェクトXな訳である。
巨大権力者と能吏達との壮大な都市建設物語、現代の官僚や巨大組織に勤める人たちにもぜひとも読んでもらいたい本である。
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大都市東京のはじまり物語。タイトルから家康が主人公かと思いきやさにあらず。利根川付け替え普請の伊奈忠次、金座を設けた後藤光次、神田上水を作った大久保藤五郎や内田六次郎など無名の男たちが物語の主役。大江戸の構想を打ち立てた家康もすごいが、実務を担うこの人たちがいなければ江戸の発展はなく、今の東京もなかったことだろう。城好きには、第四話「石垣を積む」と第五話「天守を起こす」がたまらない。
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面白い・・・面白いけど、小説を読んでる感じはしなかったなぁ~。
もっと小説っぽいと、もっと面白いだろうになぁ~。。。
個人的には「石垣を積む」が面白かったかな。