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山本先生の教員としての半生と、その中での経験からの教育哲学が感じ取れる。
指導者のための指導書的な側面もあるが、学校教育とはなにか、何のためのものか考えさせられる名著。アクティブラーニング全盛の走りとなった本。家庭教育へのエッセンスもあるので、お子さんをもつ保護者の方にもおすすめ。
以下、雑多なメモ。ーーーーーーーーーーー
教えない授業
・「知識をわかりやすく教える」→「問題解決の方法を支援する」ための手段
・授業の目的:自立した学習者を育てる
教室を居心地よくするためのルール
Everyone should
1.listen, speak, read , write and move.
2.enjoy making mistakes.
3.say “Thank you.” when your friends do something for you.
思考力・判断力・表現力をフル活用し、日常生活に結びつけた具体的な目標を設定することが必要
「学びの本質」それは学ぶことで他者と関わり自らの人生を作り上げること
What do you want to change to make the world a better place?
1、辞書を使えるようになる
2、文法の学び方を知る
3、仲間と共働して学ぶ
具体例
Q.なぜアルファベット覚えなければならないのか?
A.誰かに正確に綴りなどの情報を伝えるため
タスク:街にある英語の看板を掲げたお店を探せ
自分で問いを作り出す
①単語や文の意味を問うもの
②文法の知識を問うもの
③教科書の内容を問うもの
④教科書の内容から発展したオープンクエスチョン
「問い」からさらなる「問い」を生み出す
絵を描いて内容をイメージ化する
学び方の手段を増やしていく
個人・ペア・グループ
難関大学に合格する生徒の特徴
①生徒が自ら主体的に学んでいる
②大学で学びたいことが具体的にイメージできている
「自分で考え、仲間と協働しながら、より良い答えを見つけ出す経験」
家庭での「教えない」教育
・ポジティブな言葉で終わる言葉がけ
・交換ノート carpe diem
・「勉強しなさい」は子供が気持ちよく話しているときに
・子供に伝えたい4つのキーワード
①「forgiveの精神」自らを許し、他者を許す
The weak can never forgive forgiveness is that attribute of the strong.
②「プラスマイナスの法則」
人生は良い時もあれば悪い時もある
③「100回の法則」
あきらめる前に100回挑戦してみよう
④「習慣を変えるwith」
宿題の他に10分でも自分のための勉強することを推奨
好きなことをしているときに勉強道具を近くに置く
コマーシャルの間に教科書を三回音読する
・一緒に活動できなくても見ていることが大切
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アクティブ・ラーニングについて
著者は両国高校の英語教師で、ここでは生徒たちが自主的に英語学習を進めている。
著者の言う「怒られるから〜する」ということでは子供の自立が妨げられる、という意見もごもっともなのだけど、いざ自分の子供に対する場合、これを信じて任せる、という勇気はちょっとないかも。。。
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都立両国中学・高校で英語を教える著者による「アクティブ・ラーニング」の方法や意義、成果について、それを体験した生徒や保護者、またアクティブ・ラーニングを行う同僚の感想を交えて紹介したもの。
確かに「アクティブ・ラーニング」というより「教えない授業」と言った方が、教師にとっては分かりやすい。だからと言って、教師なら絶対何かを学ばせなければいけない訳で、「教えないけれども学ばせる」仕掛けを色々考える、生徒が自分たちで学びとる場面を作る、ということが教師に求められるということがよくわかった。
「誰かのために何かをする」ことが学びのモチベーション、という話も、初めて聞く話ではないが、おれの中でキーワードとして定着した気がする。あと、ペアを次々に変えていくことの副次的な効用として、「いじめの防止」というのも分かる感じがする。「いじめの原因の一つが固定した人間関係です。席を固定した場合、授業中のやり取りは限られた人としか行われません。休み時間は好きなもの同士で集まります。噂や誤解が生まれたとき、この限られた人間関係の中で増幅し、結果的に集団のバランスが崩れ、いじめにつながっていくのです。」(p.51)というのは、いじめを考える1つのとっかかりになると思う。授業でも頻繁にいろんな人と関わる場面を、特に年度当初は意識して作る必要があると思う。あおれよりも言いえて妙なのは、「実は『教えない授業』の実践を妨げる壁は、『教える』ことが大好きで教師の道を選んだ人たちの意識かもしれません。」(p.54)という部分だった。いくら「教師側の自己満足にすぎない」(同)と言われても、やっぱり教える、伝えることが好きな人種が圧倒的なんだと思う。おれも含めて。あとは「力で押さえつける」ことについて(p.61)。「優先すべきは方針がぶれないことで生まれる信頼関係」(同)というところが最も重要で、ここに至る過程でガンと指導することはあってもいいのではないかとおれは思うのだけれど。それを「押さえつける」という表現にすると悪いことでしかないようだが、それだけ真剣に指導する、という姿勢を見せる、真剣さを感じさせるという意味では良いのではと思う。ただし、「『怒られるから~する』『怒られないから~しない』というのは、本質的な動機ではありません。むしろ自立を阻害する指導となっていまうのです。」(p.172)という部分は、最近読んだ『ルールリテラシー』という本でも述べられている通りで、共感する。ところで、その後の保護者のコメントが、考えさせられる。「アクティブ・ラーニング」を実施したら、その時の感想は「よくも悪くもすごく自由だなという印象でした。また授業や学年の教育方針も実験的に見え、私だけでなくほかの保護者の方々から不安の声が出ました」(p.176)という部分、いろいろ考えてしまう。まず1つはアクティブ・ラーニングに対する批判は同僚だけでなく、もちろん保護者からも出るのだということ、これだけ成功した学年でも、はじめは反発が出るのだということ、を考えた。あとは一教師としての嫌悪感。「ほかの保護者の方々から」という部分。往々にして自分1人で何か言うのではなく、ママ友に「そうよねえ」、「~なんじゃないかしら」みたいな「楽しい」会話をしながらネガティブにまとまる様子。自信がない、控えめ、みたいなところを演出しつつ、そしてついに「私は黙って見守っているわけにいかず、失礼を承知で先生に保護者の声をお伝えしました。それは不信感をあらわにした、たいそう手厳しい物言いだったかもしれません。」(p.177)という、不信感がクレームとなって表れてくるあたり。手に取るように分かってしまった。子離れというのは難しいということなんだろうか。
という訳で、最後は本書の趣旨とは関係ない部分のコメントになってしまったが、楽しみながら力がつく授業をする、というのは教師に必須の条件だと思うので、その点はとても参考になる。「大学入試に通用するか」という章があり、理念的な部分と、実際GTECの点数が上がったとか下位層が薄くなったとかも述べられているが、とりあえずはおれ自身が経験的に分からないと納得できない部分もあり、これからのおれの課題になる部分だった。(16/10)
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教え合い、助け合いの授業が成立していることは分かる。大したものである。しかし、自分の授業を楽しむ生徒の顔写真を載せ、自分の授業を絶賛する感想文を実名入りで載せている点に疑問を感じる。たとえ本人(未成年)が了承しても、大人(教師)として避けるべきだろう。筆者に、自分の授業に対するその子の気持ちが将来にわたって変わらないだろうという自信がなければできない行為である。
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両国中学の先生の本。
教えない授業とは、問題解決・自ら学ぶことを支援・サポートするということ。
問い。Big Questions 。問いから問い。
アクティブラーニング。
教師一人の知恵・知識・技能の限界。
教室の前でなく後ろ。ファシリテーター。
共に。協働して学ぶ。
失敗させない丁寧さ。ではなく、失敗させて自立を援助する。
思いは伝える。
大人が学ぶ。
最近の教育系の話や本には共通するところが多いな〜っと思う。
自立とか自ら学ぶとか。そういうほんを好んで読んでるってこともあるけど。
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この本には、いつも感じていたことが事例をまじえながら、うまくまとめられていて、スッキリしました。
やらされている限り、本当の意味で自分の身にはつかない。自らやってみたいと思うようになると、何も苦にならないもの。息子と娘にも是非読んでほしい一冊。
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<目次>
第1章 「教えない授業」とは何か
第2章 英語で実践する「教えない授業」
第3章 「教えない授業」への道のり
第4章 「教えない授業」は大学入試に通用するか
第5章 「教えない授業」が学校を変える
第6章 家庭での「教えない授業」
<内容>
都立両国中高の英語科の教員、山本先生の本。アクティブ=ラーニングではあるが、「教えない授業」は微妙に違う。著者は、アクティブ=ラーニングは「手段」という。「教えない授業」にアクティブ=ラーニングは親和性が高いのだ。
私がこの本に興味を持ったのは、「教えない」部分。本校でアクティブ=ラーニング(最近はこの言葉を使わなくなったけど)を指導する産能大の小林先生も、ほぼ同じスタイル。生徒同士が教え合って授業が進んでいく。私はずっと「教える授業」。教えることが好きだったし、生徒は「知らないだろう」という考えを持っていた。事実、最近の生徒は知識が足りない。好奇心が足りないからだと思う。なので、絶対アクティブ=ラーニングは成り立たないと思っていた。しかし、ある日思った(『AIvs教科書の読めない子供たち』を読んだとき)のだが、こっちがどんなに教えても、生徒はこちらの言葉がわからないので、その教えが全く入っていないのではないか?教師よりも友だちの言葉(若者の言葉)の方が、伝わるのではないか?ということ。この授業はまさに「教えない授業」なので、その考えとも合致した。私には有効な手段(教え方)がないな、と思っていたが、この本にはヒントがいっぱい。新年度はチャレンジしていこうと思う。
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子どもから質問をされ、答える。これが優しさだと思って続けていたけれど、考える機会を無くしている…と、気づきながら、どうやって導いていけばよいか、きっかけ作りのヒントになりました。
P20 かつての予備校の様に、一斉に分かりやすい講義を行うのでは無く、子供たちに課題にぶつからせ、友達と協力して解決方法を見つけさせる。
教師の役目は
「知識を分かりやすく教える」から、
「問題解決の方法を支援する」に大きく変わる。
問題解決の方法を手に入れた子供たちは、
教師に教わらなくても課題に応じて解決方法を
主体的に選べるようになる。
P30 アクティブラーニングを行う目的は、
自立した学習者を育てる事
P46 教えない授業では、生徒自身が「学び方」を
理解する。
P52 教えない授業のデメリット
教師が前に立って一斉に教える講義型の授業では
学習の進度が計算でき、計画の通り進められる。
教えない授業では、生徒が学習内容を理解できなければ授業時間内で学習は終わりません。講義型の授業に比べて生徒の学習活動に時間が掛かること。
P63 怒られるから~する、しない、は、自立を妨げる。
教師が生徒を信じ、任せることが一番大切。
P181 ポジティブな言葉で終わる言葉がけ
・どうして遅刻するか、ではなく
どうしたら遅刻が無くなるか、が、大切。
★★★子供に伝えたい4つのキーワード
① forgiveの精神
失敗を悪としてとらえ、自分を許すことができない
失敗を成功に結び付けるには、
失敗をした自分を認め、さらに許すことが大切。
自分を許し、自己肯定感を持てる人は、
他に感謝し、自分の失敗に惑わされず、
自分の良さを最大限に発揮できるようになる。
② プラスマイナスの法則
家庭学習が思うようにできなかったとき、
友達との約束が守れなかったとき、
自分が損をしたり、誰かに迷惑をかけてしまったり
したときに、これらのマイナスをどう挽回して
プラスに変えていくかを考えて行動に移し
マイナスとプラスのバランスを取ることが
自立して生きていくうえで大切
③ 100回の法則
何かを達成したいとき、
あきらめる前に100回は挑戦してみよう
という心構えのこと
何かを成し遂げるためには
才能やセンスよりも100回の法則の様に
小さなことを繰り返し、粘り強く続けることが大切
④ 習慣を変えるwith
自分のための勉強をすることを推奨。
宿題を受け身で行うのではなく
たった10分でも自分で何をするかを考えて
勉強することが、自立した学習者になる一歩。
通学の時間やお風呂の時間など
生活に欠くことのできない活動の中に
勉強を加えることでその後の勉強の
モチベーションに繋げることもで���る。
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生徒の主体性を育てる、学ぶ力を育てるにはどのような授業を展開するべきかについて論じられた本。考え方には共感するところが多く、実践の内容は大変興味深い。ただ、この手の話はやはり目で見て、生で授業を感じてみないと理解できない感は否めない。いつか、教えない授業を見に行きたい。
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いつかは「教えない授業」をやってみたいと思う。
だけど、正解を教えられるのが当然、それを暗記するのが当然と考えられがちな歴史科目において、正解のない問いを探究させつつ受験に必要な学力を身につけさせることは、今の自分にはなかなか難しい。
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読むのは2回目でした。ブクログに記録がなかったのは、もしかしたら前回は途中までしか読めなかったのかもしれません。おわりににあった合唱曲、読んでいたら私は調べて聞いたはず!と思うのです。今回はもちろん調べて聞きました。
山本先生は教えない授業をされていますが、めちゃくちゃ我慢してるんだろうなと思いました。こんなに熱いメッセージを持っているなら、もっともっとぐいぐい生徒の中に入っていきたいはず。私の熱い教師イメージが古いのかな。でも、愛が深いからこそ、生徒のためを思って、生徒主体で教師が目立たない授業をされているんだなと。本当にすごいなと思いました。そして、教える授業より、ずっとずっと授業づくりは大変だろうなと思います。たくさん学びがありましたが、読み終えてもっと学ばなくてはと思いました。
生徒の自立を目指すとか、付けたい力を付けさせるとか、いろいろあるけど、一番は生徒の笑顔のためって、すごく素敵です。笑顔を見られるのは本当に幸せだから。
本書に出てきたスティーブ・ジョブズの言葉、いま意識しています。ネガティブな気持ちを切り替えるのに役に立っています。今後仕事にも役立てたいです。
以下は読書中のメモ
ファシリテーターとして設定する目標「スティーブ・ジョブズのスピーチから、あなたが実践したいと思うことは何か述べることができる」「宇宙でのゴミ問題について、図を使いながら話すことができる」(思考力・判断力・表現力をフル活用し、日常生活に結びつけた具体的な目標を設定する必要がある)
生徒には反抗期がある。待つことも大切。強い指導では、「怒られるから行動を変える」となり、自立には程遠い。
問いから始まる授業。「食べた後すぐ走ったらおなかが痛くなった。このときの神経の働きはどうなっている?」「よりよい世界をつくるために、何を変えたいですか」
教科書の各レッスンが終わるごとにオーラル・プレゼンテーションというテストがある。ここで学んだレッスン内容を英語で説明する。
問いとは
①単語や分の意味を問うもの
②文法の知識を問うもの
③教科書の内容を問うもの
④教科書の内容から発展したオープンクエスチョン
生徒たちが聞きたいこと、知りたいことを大切にして授業をする
主体的な学びのための導入
・実験や観察など実物に触れる
・生徒の持つ「知識」や「感覚」にギャップを生じさせる導入
・驚きの事実のある導入
・聞いたことはあるけれども説明できない現象での導入
・学ぶと将来に役に立ちそうだと感じさせる導入
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授業=「教員が生徒に教えること」という紋切り型ではなく、「教えない」授業を展開することの意義や効果がよく分かる1冊である。大学入試試験が変わった今、今後の日本の教育は「教えない」授業を取り入れることが益々増えるであろう。
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タイトルのイメージとは違い、生徒たちが自主的に学ぶ力を育てるための実践がわかりやすく述べられている。学校は本来、学びたいと思える場、自分で疑問に思ったことを自分で調べて、他の人とディスカッションすることで学びが深まる場であるべきで、そんな学校が素敵だな、とすごく思った。
そして学校だけじゃなく、仕事でも同じかも。
自分で考えて進めていける人を育てたいし、自分もなりたい。
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Everyone should…
listen, speak, read, write and move
enjoy making mistakes
say “Thank you.” when your classmates do something for you
☆「怒られるから〜する(しない)」は自立を妨げる
☆命や人権に関わることは力ずくで叱る!
☆指示を連発していると、教師の指示に依存する
☆ほめる、注意、ほめる
☆なぜできないか→どうすれば○○はなくなるか?どうすれば英語ができるようになるか?
☆クエストエデュケーション
☆①forgiveの精神②プラスマイナスの法則(遅刻したことをマイナスととらえ、この後の行動をいかにプラスにするか)③100回の法則④習慣を変えるwith(テレビを見るwith英語の教科書)
☆今日学んだ事で疑問に思った事を話そう、解き方を隣の人に説明しよう、分かったこと、分からなかったことを話す
☆授業の失敗→将来の成功へのステップ
☆既存の知識から新しい知恵を生み出す力
☆read&draw listen&draw
☆question making
①単語や文の意味を問う
②文法の知識を問う
③教科書の内容を問う
④教科書の内容から発展したオープンクエスチョン
big question をテーマに授業をする
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自分が中学生、高校生のときにこんな教育が受けられていたら、人生変わってただろうな、と思う。わたしが中学のときは、ただ直訳して暗記させられておわり、の授業だったから。ただ、毎日窓ガラス割られたり教室にそもそも入らない不良がいるような学校でこの方法が通用するのかな、と思う。だいたいの公立の学校では難しいのでは?現場の先生は話がそこからなので、教えないもくそもない。