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暴力が抑圧されてるので兄弟喧嘩もどんどん陰険になっていく感じ
家庭内パワーゲームを制して、影から相手を支配しようとする感じ
そんなやりとりが続いていって、鬱屈だけがどんどんふくらんでいって、そして押さえきれなくなる感じ
家庭の中でこうなんだから、社会はもっと大変なことになってるんではなかろうか
それを思うと、とてもとても自立なんてできない感じ
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<>一気に読み終えてしまった。めちゃくちゃ面白くてというわけではないけれど、かっぱえびせん的な「止まらない」系の一冊だった。
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んんんんむ…オトコ兄弟(オトコだから兄弟だわな)ってこんなに複雑なのか。私の周りにも結構オトコ兄弟って多いのだが、ヤツラみんなこんな黒々としたものを腹の中にくわえ込んでいるのか…あぁ浄化したい、スキっと爽やかなジュースでも飲も…
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きょうだいの争いって本当に身もふたもないっていうか、結局、親に認めてもらえるのはどっちだ?みたいな「こども」丸出しなものだったなーと思い出すはめになった一冊。もちろんこんなレベルではないけれど、私もいろいろやりました。それにしても、17歳男子がこれを書いたかと思うと空恐ろしいというか、この先が楽しみというか。
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兄弟間で起こる戦争。
これぞカイン・コンプレックス。
壊れていく関係と、
潰れていく思考。
兄弟でいがむことは、
仕方ないことなのか。
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果てしない兄弟喧嘩を描いた作品。とても面白い。漫画で読んだらもっと面白いと思う。というかジャンプとかにありそうな作品だ。物語最終、兄弟の仲が良くなってのはありがちな安っぽさを感じたけれど、読み進めていくうちに「えーーー、お前が黒幕かい!!」となる。
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17歳が書いた小説だとはまさか思わなかった。
すんごいな高校生。
読みながら、なんつー局地的抗争!と思ったけれど、
その割にはひとつひとつ、ディテールが随分細かくてしっかりしてるな、
とも思った、それがまさか、主人公と作者の完全なるリエゾンにあったとは。
高校生や中学生の日常を切り取る作家は多いが、あまりに作者と乖離していると
どうしてもそこに無理が生じて、なにやらイタイ小説になってしまうことが多い。
必要以上に夢が詰め込まれていたり過度に老成していたりね。
ところがこの作品は、妙に登場人物たちが等身大で、
がゆえにかなりスケールの小さい、完全にクローズドな内容だなと思ったのだが。
‥冒頭に続く。
物語は一言でいえばシンプルで、きわめて陰湿な兄弟喧嘩。
エリートの兄とそうでない弟。弟は兄の部屋を漁ることを生き甲斐にしており、
その事実を知りつつも、隠蔽工作の甘さをせせら笑い、頭脳的に仕返しをする兄。
基本は兄の視線で物語は進行する。弟の悪事をあばいて、
いったん立て直すべく家を出た兄だったが、
弟が薬の常習者になりかけていることを知って、最後は救おうとする。
‥ここまでならいい話なのだがところがこの話、この時点であとわずか数十ページを残して思わずえっと二度見してしまう驚愕のどんでん返しが待っている。
そうしてそこでももう一度、最後の最後の一行に、あなたは戦慄するだろう。
いい話で終わることもできたこれを、もう一度ひっくり返して不快感で閉じる、
これは若さなのかもしれない。
しかしその一行で、確実にこの本は人の気持ちにごろん、と不快感という名の
楔を打つことに成功している。
浅井リョウと同い年?同世代?のこの感性が、もっと評価されることを祈ってしまった。
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2003年文藝賞受賞作。著者は当時現役の高校生だったらしい。
戯画化されて突き詰められてはいるが、解説にもあるように、これは『兄弟喧嘩』を描いている。ただ少々(?)その方向性がぶっ飛んでいて、そこが面白い。
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一言でいうと壮絶な兄弟喧嘩を描いた小説だが、筆者のあとがきのような最後のページで、同じような兄弟げんかを繰り広げたエピソードを書いており、現実にあったそっちの方がその後どうなったのか気になる。
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最近テレビで見かけ、気になった小説家 羽田圭介。
その特異な人物像に興味を持ち、処女作の『黒冷水』を購入した。
まず第一頁目で、男性読者は「小恥ずかしい10代の頃」を喚起される。
そしてすぐに、兄弟物と悟る。
私も弟がいるので、重ね合せるのに数秒も要さなかった。
兄弟間の嫌悪感や劣等感についても、多かれ少なかれ共感する。
そして、兄弟の対立という構図に引き込まれていく。
物語は思わぬ展開に転がり、まさかと驚かされる。
予想外どころの話ではない。
度肝を抜かれる。
小説を書きたい人間からすると、正直やられたと思う。
この手は、一度しか使えないだろう。
これを書いたのが、当時17歳の高校生というのだ。
勢いではなく、練りに練って書かれた作品というのが伺える。
その才能は、計り知れない。
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153回芥川賞を受賞した又吉じゃない方、羽田圭介のデビュー作。
これを18歳の高校3年生で発表できるとか、天才としか思えない。
もっと早くに出会いたかった作家かも。そう思えるくらい引き込まれてしまった〜
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高校生の兄、名前は正気。この年頃ってこんなに分析的だっただろうか? とわが身を振り返ってみて、とてもとてもと、舌を巻いてしまう。
さらに羽田氏の高校時の作品と知り、その思いが一層強くなった。人物の動きが細やかに描いていて、行動の奥にあるその心理を問い、分析していく過程が面白い。
で、兄の正気は、自分の行動が弟をここまでエスカレートさせたのではないかと、やや出来過ぎな兄を演じていくが、それは正気の書いた小説内だけ。この作品も小説内の小説という”入子”になっている。
人物の動きが細やかに描いていて、その分だけゾクっとする冷たさが残る作品。
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瑣末なことを丁寧に描写することによって生じる滑稽さ、という羽田圭介ならではのテイストが、既にこのデビュー作においても充満している。筆者17歳時、文藝賞受賞作品。
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緻密を超えて執拗なまでのディテールの描写、一気に読ませるストーリー展開。
最後のどんでん返しにはなんじゃそりゃと思いつつも、後から見返すとそれを匂わす描写があったり。やられました。
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俗っぽい言葉が多いけど、エスカレートしてくのは面白かった。せっかくどんでん返ししたのに同じくオチなのがもったいない