紙の本
経済の未来というよりも・・・・・・
2017/06/11 20:27
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:パナマ帽 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ベーシックインカム(BI)の必要性を説きたいのだろうけれども、色んな条件が「今のままで仕事がAIに代替された」ならという感じで・・・・・・。
仕事が代替された上に、BIが仮に導入されたとしても、ここで説かれているような社会にはならない気がするなあ。
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【AIにはBIで対抗すべし! 新時代の経済とは?】二〇三〇年、人工知能は人間並みの能力を獲得する? AI技術と資本主義の未来を緻密に分析し、失業者たちを救う社会保障を提言する
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ちょろっと知り合いの井上先生の新書。
2030年に仮に汎用人工知能が実際に出てきたとしての労働のあり方はどうなるかを推察し、最後に提言している書籍。著者は一環してベーシックインカムを推奨している。確かにそれが実現すればユートピアではあるものの、結構多くの血が流れるなとも思うし、難しいのではと。
<メモ>
・1956年、計算機科学者がアメリカのダートマス大学で開いた会議「ダートマス会議」の提案書で「人工知能」という用語が初めて使われた。
・オックスフォード大学のカールフレイとマイケルオズボーンは「雇用の未来」という論文の中で、クリエイティビティ(創造性)、ソーシャルインテリジェンス(社会的知性)、コグニション&マニピュレーション(認識と操作)の3つがオートメーション化されにくいと発表した。
・シンギュラリティを技術的特異点という意味で初めて使ったのはアメリカの数学者のノイマンである。
・カーツワイルはあと15年生きれば毎年1歳寿命が伸びると信じている。
・人間の脳内には約1000億個のニューロンがあり、ニューロン同士は100兆個のシナプスによって接続されている。
・人間は視覚情報などに結びついていない「自由」「権利」「所有」「市場」などの抽象概念を使いこなすことができるがAIには・・・
・イノベーション活性化のためのGPT(General Purpose Technology 汎用目的技術)。
・ディフュージョン(拡散、普及)テクノロジーの広がりなどに使われる。
・ジーンズの価格は下がるがサービス業の価格は下がらない
・2011年のドイツのインダストリー4.0。スマートファクトリー、考える工場。機械同士が会話して学習する。
・汎用人工知能を握った国が次のヘゲモニー国家になりうる。まあそうだろう。17世紀オランダ、19世紀イギリス、20世紀アメリカ、21世紀どこ?
・汎用ロボット、ルンバ作った人の「バクスター」
・「マルサスの罠」技術進歩で食べる量が増大しても人口が増えるから一人あたりの食い扶持増えない。
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もう10年もするとどうせリタイアするからなあ。前倒しで雇用崩壊してくれないかしら。なんでもロボットがやってくれる世界が来るとは思っていなかったけれど、ちょっと期待してはいた。それがどうやらあと2~30年ほどでやって来そうな気配がある。私たちがやって来た仕事のほとんどをキカイ(AI)がやってくれる。そうすると我々は失業する。そうなったとき、どうやって生きていけばよいのか。そこに登場するのがベーシックインカム(BI)。生活保護とは違うという。すべての人に(子どもから大人・老人まで)月額7万円なら7万円が支給される。財源は増税だという。たくさんもうけている人にはたくさん税金を納めてもらって、均等に配分する。審査など必要としないので、事務処理がずいぶん削減できる。マイナンバーと銀行口座を紐付けすればすぐにできそうな施策だ。そんなことすると、皆働かなくなって税金を納める人間がいなくなるのではないか。けれど、まず働く必要がなくなるのだ。そして、1割くらいのそれでもお金儲けをしたい人たちが大量に儲けて税金を払う。この社会の格差が最大限にまで広がってしまうのか。そのとき、テロはなくなっているのか。私の読み方が甘いのかも知れないが、結構本書を読んでいると楽観的に感じてしまう。「手段より目的を高く評価し、効用よりも善を選ぶ。物事のなかに直接のよろこびを見出すことのできる人、汗して働くことも紡ぐこともしない野の百合のような人」ケインズの言うこういう人に私もなりたい。
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第1、2章では人工知能(AI)のテクノロジーが現状どのようになっているのかを解説し、第3章でAIが雇用を奪うのかどうか、そして第4章では「第4次産業革命」が第2の「大分岐」をもたらす可能性、純粋機械化経済における雇用の未来について、そして第5章でベーシックインカムの導入によるユートピアについて展望している。
全体に平易な理論で明快に論じられており、説得力がある本になっている。帯の惹句には「人工知能に仕事を奪われ職に就けるのはたった1割!?」とセンセーショナルな文句が踊るが、もし本当に純粋機械化経済が人間の仕事を肩代わりしてくれて、めちゃくちゃ生産力が上がって、我々はベーシックインカムで悠々自適に暮らせるのならば、本書が言うようにそれは「希少性の経済学」が没落し、「過剰性の経済学」(バタイユのいうような)が支配的なバラ色の未来が開けるということになる。
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いま一番気になっていることズバリの本だったので早速読んでみた。
汎用AIの出現によって、2035年頃の就労人口は全人口の1割ぐらいになるだろうという内容。
まぁ、そうなるかもしれないし、ならないかもしれない。
しかし、遅かれ早かれそういう社会が来るのは間違いないように思う。
なぜなら人間社会には国際間や企業間の競争原理が常に働いているから。
AIによる社会構造の変化は、産業革命以上の変化になるのではないかと思う。狩猟採集社会から定住社会になり階層や国家や誕生した農業革命以来の大変化へと続いていく序章なのではないか。SFのように聞こえるかもしれないが、ディープラーニング技術の出現は今までの「人工知能」と呼ばれていたものとはまったく違う新しい可能性がそこには潜んでいるように思う。AIが人間を超え、AIがAIを作る社会が出現したときにどういう世の中になるのか、そこまではまだ想像できない。 しかし当面、汎用AIにより多くの職業が不要になる時代に人々はどうやって食べていけばいいのか?という一つのシナリオ(ベーシックインカム制度)が提示されている。それも一つの可能性だろうし、順調にいけばそれしかないのではないかと現時点では思う。けれど、まだまだ予期できない事象により未来が変わるような気も捨てきれない。例えばAIを使った第三国によるテロや戦争。10億人近い人口を抱える超大国で発生するだろう超大量の失業者による飢餓や反乱や制御不能の状態。人智を超えたAIがコンピュータウィルスや人間には読み解けない暗号を作ったらどうなるのか、AI同士のイデオロギーの対立などは発生しないのだろうか、などなど・・・。まだまだ気になることは多い。
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<目次>
はじめに
第1章 人類vs機械
第2章 人工知能はどのように進化するか?
第3章 イノベーション・経済成長・技術的失業
第4章 第二の大分岐~第四次産業革命後の経済
第5章 なぜ人工知能にベーシックインカムが必要なのか?
おわりに
<内容>
著書は経済学者だが、人工知能と経済学の関係を研究している。著者の描く未来ははっきり言ってかなり楽天的な未来である。いわゆる「労働」はほんのわずかな分野を除いて、機械(AIを含む)がおこない、そこから商品が生み出されるわけだから、その「労働」をしているところが法人税や所得税などを払い、「人間」の大多数は「年金」によって生活をする、というものだ。本のタイトルから、AIの進化によりどんな業種が仕事がなくなるか、具体的な話が読みたかったが、それはほとんどなく(ホワイトカラーが最初に仕事を奪われるが、その後会計士やウェートレスなどもなくなるという。残るのは、クリエーティブ系・マネージメント系・ホスピタリティ系)、2030年には第四次産業革命が起こり、2045年には純粋機械経済になるという。
その中で人間の生きるためには、ベーシックインカム(国民に一律最低限の生活費を支給すること。世帯ではなく、個人が対象)を取り入れるべき、との提案である。
なんか、日本だけが最後までこうした変革に取り残される気がするな…。
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人口知能の発達と、それに伴う日本経済の変化について記述した一冊。
AIやそれを搭載したロボットが発達すれば、単純労働者の失業が増え、ベーシックインカム(BI)が必須になると書いた著者の論説には説得力があった。
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人工知能の進化にも生き残る為にはどうしたらいいのか考えさせられた。ベーシックインカムについて、真剣に議論する日が来るだろう。
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関心に符合。経済構造の中でどうとらえるか。注目が高まっているよう。
ありそうでなかった、AIがもたらす経済への影響と対応。ベーシックインカムとの組み合わせはいいように思えるが果たして。
近代思想にも紐づけつつ刺激的な論考。
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「機械との競争:エリック・ブリニョルフソン アンドリュー・マカフィー著」と「ポスト・ヒューマン誕生:レイ・カーツワイル著」をベースに人工知能など科学技術によって人間の仕事が奪われていくことを著者の専門である経済学の立場で論じて、最終的にはベーシックインカムを提唱してます。
私見では、レイ・カーツワイル氏がいうところのシンギュラリティ自体が、現在の脳科学のレベルからして懐疑的ですが、そうなることを想定した場合の経済動向という意味では、とても興味深く読めました。
冒頭で、Race Against the Machine(機械との競争)を紹介するとき、Rage Against the Machineのもじりだとして、バンドの紹介をしているのですが、「レッド・ツェッペリン(メタルでも良いけど)とパブリック・エナミーの融合」との一言は入れて欲しかったw
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2030年頃を境にそれ以前を「特化型AIの時代」、それ以降を「汎用AIの時代」と位置づけることができます。
分業が進むにつれて、人々の大部分の仕事が「単純な仕事に限定」され、仕事において「理解力を働かせたり、創意を働かせたりする必要がない」ため、「人間としてなりうるかぎり愚かで無知になる」「寛大、高貴、あるいはやさしい感情をもつこともできなく」なる(前掲書)と警鐘
経済学では、技術進歩こそが持続的な経済成長をもたらすと考えられています。
アメリカの経済学者タイラー・コーエンは、その著書『大停滞』で、人々の物質的な生活は1950年代以降ほとんど変化しておらず、自動車も冷蔵庫も洗濯機も既に存在しており、なかったのはインターネットくらいであると言っています。
今後イノベーションは枯渇するのか、活発化するのか。そのような問題を論じるにあたって、「汎用目的技術」(General Purpose Technology, GPT(19))という概念が鍵になると思われます。GPTは、補完的な発明を連鎖的に生じさせるとともに、あらゆる産業に影響を及ぼす技術で、蒸気機関がその代表的な例です。
産業革命は、これまで一次から三次まで3回発生していますが、それぞれがGPTによって主導
「肩車効果」は、既に存在する技術のアーカイブ(蓄積)を参照することによって新たな技術の発見が容易になる効果の
「取り尽くし効果」は、簡単な発見はすぐに成し得るので、イノベーションが進むにつれて、新たなアイディアの発見が難しくなっていく
GPTが現れてから、しばらくは「肩車効果」が優位に働き補完的発明が続きます。しかし、やがてそのような発明はネタ切れを起こし、イノベーションは枯渇
内燃機関や電気モータなどのGPTは第二次産業革命を
「ディフュージョン」(拡散、普及)には長い時間が掛かります。家電製品の多くは19世紀に既に発明されていましたが、それが拡散し尽くしたのはアメリカでは1960年代、日本では1970年代で、他の先進国でも振れ幅はあるものの同様の時期
アメリカでは1927年リーバイスのジーンズの値段は女性のヘアーカット代のおよそ13倍でしたが、1997年にはそれが3倍
ジーンズの相対価格が下がる理由は、生産を機械化できるので機械の進歩に応じて幾らでも生産を効率化
蒸気機関や電気モータは、運送業以外のサービス業の生産性の向上にそれほど貢献しそうにはありません。
現代の日本のようなサービス業の割合の大きい国で、マクロ経済全体の生産性上昇率を高くしようと思ったら、サービス業における生産性上昇率を向上させる必要があります。
技術「情報通信技術」(ICT、以下「情報技術」とする)は、サービス業全般の生産性
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前半は人工知能の概要で興味を持てた。後半はとって付けたような経済の話。結論を述べるには情報不足な感じ。分析も無理やりな印象、そうかな?と疑問に思った。
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推測される社会状況(職種ごとの従事者の数など)の変化に言及がなく、ベーシックインカム導入の影響がイメージしにくい。
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とても面白かった。
要旨としては将来汎用AIが普及することで、作家などのクリエイティブ系、経営者などのマネージメント系、介護師、保育士などのホスピタリティ系を除く仕事は根こそぎ機械が奪っていき、大部分の人は失業してしまう。
その利益を一部の資本家だけが独占するか皆で享受するかの問題が出て来て、著者は当然後者を選び、手段としてはベーシック・インカムを挙げてます。
まぁ本格的に汎用AIが活用されるのはあと30年後くらいを予想されてるので、それまでの過渡期における労働者は就職氷河期世代以上の辛酸を嘗めることになるのでしょうか?