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図
普段慣れていないSF、翻訳もので時間がかかる。
さらに世界観や単語を作品内でまったく説明せずに進みそこで足をとられる。
ブラウンアイズ。彼女は素晴らしい存在感だった。透明感も小悪魔のような一面も。あぁ...。フリージングラックス。
色々思うことがあるのに言葉として出てこない。
もっと多くの人(特に十代の若いうちに)呼ばれるべき作品だ。
特にラスト2ページなんてもう・・・。
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そうだったんだ、そうなのか。
最後の独白のような部分が輝かしい。そうして様々なエピソードがこんなにも、美しく希望へと集約する小説は確かに、なかなかないのかもしれないと思った。これがきっとこの小説を、70年代イギリスSFの最高峰といわしめた技なのね。ふむ〜。
というかあたし、少し鈍いみたいで、この話は近未来の人間の物語というかパラレルワールドのように思っていて、主人公たちも完全に人間だと思って読んでいたのね。ま、結果としてその方が楽しめたので良かったんだけど。だって表紙が明らかに、人間の女の子じゃない?そりゃそう思うよ。ねぇ。
でも困ったな、この本の感想を書こうと思ったら、ネタバレなしじゃ書けないよ。だってその部分こそがこの小説のよさと希望なんだもん。というわけでネタバレ上等。未読の方は、ご遠慮ください。
じゃ、いってみようか。覚悟はいい?
物語は、政府高官の息子である僕が、避暑をかねて別の街に向かう所から始まる。昨年の夏行ったときに好きになった女の子、ブラウンアイズに会うことを待ちこがれるぼく。その様子とパッキングの模様の間に、主人公ドローヴが父親に引け目を持っていること、母親を苦手としていることがほのめかされる。しかも小道具として出てくる氷悪魔、だのエピソードして語られるロリン、イソギンチャク樹など、うますぎる。
しだいに戦争の色が濃くなる中で、ブラウンアイズとも仲良くなり(最終的には結ばれちゃうんだけどあれ、この子何歳なの?としか思わない自分のぼけっぷり)、戦争へのうねりの中でドローヴも少しずつ、政治だとか国について考えるようになる。ところが物資を運搬する船の転覆事故をきっかけに政府要人たちは自分たちだけシェルターに閉じこもる。実は戦争と言うのは嘘で、物資はすべてシェルターの備蓄として運び込まれていたのだった。その星に大規模な天変地異が起こること、太陽(のようなもの)の替わりに天空を支配する氷の星のお陰で、40年間星から熱が奪われることを知った高官たちは自分たちだけが40年間避難するために、備蓄とシェルターの開発を続けていたのだ。
ブラウンアイズを助けてほしい、自分たちと一緒にシェルターに入れてほしいと頼むドローヴ。もちろん突っぱねられ、毎日塀越しに逢瀬を重ねるがそれも徐々に難しくなり、ついにはブラウンアイズを含む街の人々は全員、どこかに姿を消してしまう。
と、ここで終わったらただの小説。最後の数ページがすごいんだって。
ブラウンアイズの姿も見えなくなった数日後、なんとシェルター内でドローヴたち家族は閉め出しをくらい、寒さに取り残されてしまうことが明かされる。ドローヴは凍えながらも今こそ外に出ることを決意する。(ここであと残り2ページ)そうして寒さの中に、あることを思うのだ。
<引用>
伝説があんなに天文学真実と近いことがありうるのだろうか?大ロックス・ヒューが僕たちの星を氷魔ラックスから引き離したという構図を最初に考えついた人は、誰だったのだろう?<中略>もちろん、それは以��の苦難の時に生き残った人でしかあり得ない。だが、その人はどうやって生き延びたのだろう、なんの科学技術の手助けもなしに?<中略>そしてはじめて、自分はなぜ寒さに恐怖を感じるのだろう、と疑問を持った。<中略>もしその恐怖が、前回の大凍結を生き延びた人々の心から受け継いだ、種族の記憶などではないとしたら、だとしたらそれは‥<中略>まもなく、ロリンがやってきた。
<引用終わり>
さて、楽しいネタばらしまくりのお時間です。つまりドローヴは気づくのです。
1)自分は(この時代のこの星の人はみな)寒さに非常な恐怖を感じる
2)ロリンは毛に覆われた優しい動物で、恐怖に反応して生き物を暖めてくれる。(ただし憎しみなどの感情が交じるとダメ)そしてロリンに寄り添われて眠ると仮死状態になり、その間は記憶もなく、歳も取らない。
3)つまり自分たちを閉め出した高官たちは40年間シェルターで耐えるので歳をとってようやく暖かくなった地表に出るが、寒さに恐怖を感じ、かつ他人を恨まないた少数派の街の人々(ブラウンアイズを含むと思われる)は、年を取らずにこれを乗り越えることができる。
なんと周到に組み上げられ、かつ優しくできた物語なんだろう。感動しました〜。ここまで激しくネタばらししてなんだけど、これは他の人にもお勧めしたいかも。うーん、ごちそうさまです!
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翻訳者が高校の同窓生ということで勧められた。高校時代SF同好会だった彼が、もっともこだわりをもって訳した作品とのこと。
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面白かったよ。
ラスト50ページで繰り広げられる急転直下の展開が秀抜だった。
ただ、登場人物に魅力がなかったのが残念…
どいつもこいつもとにかく嫌味な奴ばっかりで、感情移入できなかった。ヒロインのブラウンアイズでさえも、可愛げがない…
加えて、訳者あとがきでベタ褒めのラストも拍子抜けの印象(途中で感づいてしまったのもあるが)。というのも、肝心のロリンについて、ほとんど言及がないんだもんなぁ。彼らについて、もう少し掘り下げて語って欲しかったです。
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人間ではない人々の過ごすどこかの星で少年が恋をして大人になる物語。
前書きからSFだとわかるのに、牧歌的な雰囲気に飲まれ大仕掛けが明かされるまでSFと思わせない不思議な一作。
惹かれあう少年と少女の愛がまぶしい。
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イギリスの作家によるSF青春小説、1975年作。
幼さゆえの、世界に対してどこまでも純粋たろうとしてしまう感性と、それに対する万能感。そして少年が感受する、性愛の温かく柔らかい否応もない引力を帯びた美しさ、世界の分断情況、「力」へと疎外された者たちの見え透いた欺瞞と剥き出しの暴力の醜悪さ、「性」へと自らを疎外されざるを得なかった者の哀しさ・・・。手にした世界観の苦い屈折を、その苦さを打ち捨てることなく、醜さ・哀しみ・屈折をそのままに見据えようとするのもまた、若さの純粋さそのものだ。
「・・・。そしてこの夏のあと、ぼくたちはだれひとり、前と同じじゃなくなっているだろう・・・・・・それがこわいって思うところもある。すごくたくさんのものを、すごい早さで失っているような感じがして。得たものもたくさんあるけどね」
読書を終えても読者の人生は続くのだから、ハッピー・エンドは全て安直で欺瞞的だと思う。しかし、かの世界は少年の純粋さを生き延びさせていく、再生の陽光が見える極寒の終末だ。見事な幕切れではあるが、それでも安直といえば安直かもしれない。尤も、それだって少年の若さそのものであるこの物語の最後の場面として、実によく適っていると云えるのじゃないか。
その全てが込められた、タイトルが秀逸。
しかし、この齢で読むには、retrospective にならなきゃあいかん。
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めでたく続編も刊行された青春恋愛SFの名作。買ったきっかけは何だったか、もう覚えていない……。
構成そのものは単純なボーイ・ミーツ・ガールだが、一見幸せそうに見える主人公カップルと、街を覆う不穏な空気の対比がラストの切なさを盛り上げている。
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なんとしても夏が終わる前に読み終わらねば、と。SFだけど、少年少女の一夏の成長物語の要素の方が強い。冒頭、自分のことだけしか考えられなかった少年が、世の中全体を見られるようになっていく。少女はオンナになっていく。今年続編も出たそうだ。
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約30年ぐらい前にサンリオ文庫で読んだはずが、ほとんど内容を忘れていてf^_^;おお!!こんな伏線の回収が!と、新鮮な気持ち。さて、この新鮮な気持で続編『パラークシの記憶』へ。
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この一小節、一文の為に書かれた、というタイプの小説はほとんど名作。
そしてこれもそのタイプ。
20140214すみよしにて
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この作品は絶版になっているSFの名作を たんぽぽ娘の関連で調べていた時に 新訳版が出ていることを知り入手。
解説にあるように 恋愛小説であり SF小説である。名作といいたくなるのがわかる。
ちょっと「冷たい方程式」風でもある。
前半は決して読みいいとは言えない。説明なしに連発される固有名詞、聞きなれない言い回し。
主人公の両親や、知り合う人々の、どこか人間性の欠如を感じさせる言動。そして話題になるものの、なかなか登場しないヒロイン。
話の方向も、どちらに向かうのかなかなか見通せない。
それが主人公とヒロインの仲が急激に進展するのと歩調を合わせるように、一気に世界が変わっていき、裏の事情が見えると 主人公の父親の言動の意味もわかってくる。
屈指の名作 と呼びたくなる気持ちもわからないではない。で、どの辺が名作なのか人に紹介するのが難しい。ネタバレしないとその凄さが伝わらないし、ネタバレすると面白さが半減する。
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青春SF小説。若さに溢れていてとても良かったけど、最後のどんでん返しにはビックリ。ちょっと予想外の終わり方で、後味がほろ苦かったです。うーん、切ない。
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面白かった。
独特な世界観で、ハマれるまでが長いけどハマってしまうと一気読み。幼少時代の淡い恋心に泥臭さがついて回ってて素晴らしい。読みやすいとは言えへんけど、読後感は良し。
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読み終わって呆然として、しばらくしてから何となく釈然としないものがあって、幾つかのエピソードを読み返してみて、最初に思ったのと違う意味の結末だと知ってとても驚きました。
正直、冒頭からしばらくは、ドローブと両親との関係や叔母さんとのエピソードが好きになれず、「ほんまに評判通りの名作かなぁ」と疑問を持ったのですが、ドローブがパラークシに到着し、ブラウンアイズと出会って(再会して)から以降は引き込まれるように読みました。
これは思春期の二人の愛と互いの成長の物語なんですが、自分で思ってる以上にこういう話が好きなんやなぁと実感しました。
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前から気になってた本だったけど
あんまりおもしろくなかったなー
主人公が大人になりかけ、父親に反抗し
彼女ができて、みたいな・・
地球じゃない別の星が舞台なので、よくわからないなぞのいきものが出てきて
それがキーになってるような・・
大どんでん返しらしい結末も、
べつにびっくりしなかったし・・
うーんイマイチ