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ガンダムを一つの歴史としてとらえるならば、この作品は福井晴敏という作家によるその歴史への答えだと思う。
基本的に宇宙世紀のガンダムシリーズは、社会のシステムやエゴに飲み込まれ、時に大義のために、時に平和のためにと殺しあうオールドタイプに、人と人の分かりあえる可能性を示すニュータイプが一筋の光を指し示す、という流れが基軸となっている。
分かりあえるはずなのに分かりあえず流れる血。
そして時が経てば繰り返される戦争。
そのような閉じた円環の繰り返しの果ての物語が、このユニコーンだった。
よって、それまでに紡がれてきたガンダム史への理解、すなわちガンダム・リテラシーがあればあるほど、また人生が苦いと思った人ほど楽しめると断言する。
人は善意のもとに成り立つ生き物だ。
根本的には人は自分に降りかかる理不尽をさけたい、もっと住みよい世の中を作りたい、という欲望という名の善意に突き動かされて行きていく。
しかしそれが集まり、巨大になるほどに、互いの善意はすれ違い、それはやがて呪いや怨念の渦を生む。
そしてエゴを原動力とした遺伝子という螺旋の輪を紡ぎ、退行を繰り返しながらも、血にまみれながらも、闇雲にゆっくりと前進する。
その営みは時に目をそむけたくなるほどに醜いものだが、それが人の営みであり、生きる力である。
そんな人間の営みに可能性を示すのが、理解しあう能力を拡大させた宇宙人類、ニュータイプであるとしたのは富野監督だった。
そしてそれに加え、究極のニュータイプは人間の持つ遺伝子の、肉体の螺旋からの脱却であるとしたのが福井晴敏の答えだった。
終劇、主人公は、その彼岸たるニュータイプへの革新を遂げようとするが、人とつながり続ける醜くも泥臭い世界を選んだ碇シンジのように、彼は人間の生臭くも温かい肉体の世界に戻ることを選ぶ。
どのような理不尽に行く手をふさがれようとも、それでもよくあろうと普通の人間がもがき、生を全うする姿が一番美しいのである。
そうあろうという理想への願いがユニコーンのような空想や願いを育て、人の歴史を連綿と紡いでいくからだ。
物語を核とした作品は衰えない。
なぜなら消費されて朽ちる一過性の画像ではないからだ。
群像劇や強烈なメッセージは時を超えて人の心にしみいるものだ。
その点、ガンダムサーガは成熟期を迎え、青少年の情熱から大人の生きる渋みを描く段階に入ったといえるのではないだろうか。
新世紀エヴァンゲリオンはこの15年間のアニメ史をあざ笑うかのようにBD初動最大売上をたたき出すことだろう。
まだしっかりと読めていないが、変わらない情熱とさまざまな人々の思いを詰め込んだ大河マンガになりつつあるワンピースもまた然り。
一方でアニメに限らず、最近の物語が物足りない理由は、伝えたい主題のもろさと二番煎じの多さ。
ネコミミや、ツンデレ、無口な少女といった萌え要素、萌え属性といったキャラクターの直接的な消費��終始することによる違和感。
ドラマでも突然人を殺して涙を誘ったり、脈絡もない運命を演出してきな臭い展開を繰り返す。
言葉は、気持ちのこもった筋の上に語られなければただの記号だ。
その言葉を最大限に生かす新たな物語の誕生を、待ち望んでやまないのは僕だけだろうか。
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ラプラスの箱とは、公表されていない宇宙憲章のことだった。
最後は少し冗長な部分もあったが、明確に描かれていない分、良かったと思う。
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ついにフィナーレ。
10巻に及んだ福井ガンダムがついに終了しました。
福井作品にふさわしいスケール感で最後まで突っ走りましたが、最後はじっくりとその日を描ききりました。
エンディングも僕的には最良の結末でよかったです。
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遂に最終巻。面白かった。最後ははっきりと書かれなかったけどそれはそれでよかったかなと思う。フロンタルは無駄に強かったな。
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ガンダム世代としては、いくつになっても『ガンダム』と書いてあるだけで手が出てしまう。その点を割引いても、このシリーズは面白かった。
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出始めた頃読んでいたものの、途中で止まっていたシリーズ。
映像化の波に流されて一気に読了。
単純に話の始まりだけを見れば身分違いのボーイ・ミーツ・ガール。
単発ものの企画ならそれで終わっていたかも知れません。
ただU.C.には作中でも、現実でも長い歴史があります。
お姫様の身分も単発企画では味わえない重みがあります。
単純なハッピーエンドにならない事も後の歴史が語っています。
作中に「何も変わらない事が怖い」とありますが、10年後の閃光のハサウェイを思えば複雑な心境になります。
でも、この作品の登場人物、物語は生きている事が実感出来ます。
読んでいて怒りとか、喜びとか、素直に味わう事が出来ました。
久しぶりにこういった作品に出会えたなぁ、と嬉しいです。
ガンダムやニュータイプなど、人と違えるものに目が行きがちですが、完全に人と人との物語。
単純に良いヤツなんて居ない。みんな色んな事を抱えてる。
そうやって素直になれない大人になっていった人たちに丁寧でも飾らない言葉で話すバナージが凄く好きです。
序盤のシーンでオードリーにそんな話し方じゃダメだ、と言うのも好きです。
最後に明かされる2つの内容も人にとったら何だ、そんなもんか、と肩透かしにあったかも知れませんが、とても良かったと思います。
ここで凄い兵器だとか、実は某人物だった、とかだと根底にあるリアルな設定が覆されてしまって勿体無いと思うので。
世の中、そんなモンの為に争っているんだ、って事、多い気がします。
バックボーンが大きすぎて色々大変だったと思いますがここまでの作品を見事に完結させた福井晴敏さんは素晴らしいです。
映像化もまだ2作までしか観ておりませんが凄いクオリティなので、完結が今から楽しみです。
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9巻から10巻にかけてのクライマックスはさすがのスピード感でとても良かった。随所に見せるガンダムらしい演出と福井氏の文章がよく合っているとも感じた。
全10冊は長いが、それと感じさせない文章とストーリーでした。
本筋には関係ないが、テクノロジーの進化速度を甘く見積もりすぎている点が引っかかる。1000年も2000年もかかりはしないだろう。
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前半は少しおとなしかったかな?「ラプラスの箱」の正体が明らかになり(まあ第1巻でサイアムの前に表れてる訳ですが)、メガラニカにもある意味凄まじい秘密が有り(笑)。結末についてはちょっと物足りない感じはしましたが、物語全体を通して、とても楽しめました。フル・フロンタルの正体は「えっ!?」となりながらもそうですよねー、って感じ。僕はてっきり、サイアムと同じように冷凍睡眠を使い体を残された、精神に異常をきたしてる、シャア本人かなと。違ってましたが、僕らのシャアのイメージが崩れず、結果オーライ?テーマはサイコ・フレームの神秘さと、究極のニュータイプというのはもはや人間じゃないよというお話ですね。最後に、マリーダさんは大好きでした。アイナ・サハリンに並びました。
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文庫本の発刊を待ちきれず、本書に手を出してしまった。。。この巻をもって本作は完結。面白かった。ただ、一点だけ。クライマックスのシーンはちょっとぶっ飛びすぎで、一年戦争シリーズの良さである現実感がなくなってしまったことが残念。他の方もレビューで述べているが、一年戦争シリーズは、技術や戦略が、リアル(現実の延長線上)なものとして描かれている点が魅力の一つだった。それに比べるとサイコミュの感応波がエネルギーに変わるという設定は、サイコミュがブラックボックスなだけに、魅力の1つであったリアリティが欠けてしまったように思う。その最たるシーンとしてクライマックスが描かれていたので「それはないだろ・・・」と突っ込みを入れたくなってしまった。
であっても、本作全体について言えば、十分楽しむことができた作品だった。個人的には、「ラプラスの箱」の中身も納得。あれだけ盛り上げ役として引っ張っておいて、既成事実を変えない落とし所を用意した所は凄いと思った。技術に関する細かすぎる説明、これでもかと言うほどリアルな戦闘描写は、相変わらずの福井晴敏節でツボだったし、主人公達の成長を繊細に描いていたし、全体の構成もよく出来ていたと思う。ということで、本作全体の評価も加味して、★5つ!
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フル・フロンタルの正体がついに明らかに……!
それにしても、展開が突拍子もなくなってきていた。
ニュータイプに対する著者の答えも、ちょっと超常的すぎる……。
でも、とてもよい言葉ばかりなので、
いい時間を過ごさせてもらいました。ありがとう!
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ついに福井版ガンダム読了。
ファーストガンダム以降の設定を損なうことなく、集大成的な作品になっている。ラストは全滅主義を採用せず、バナージがちゃんとバナージのまま終わるのもよい。
OVA版が早く観たい。
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なるほど、この手があったかという終わらせ方。でも、これやっちゃうともう宇宙世紀ものの続編創れないじゃん?
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最終話。
ガンダムらしくありながら
福井らしく熱い物語だった。
ラプラスの箱の真相は思わず「なんってこった!」だった。
可能性の獣・ユニコーンが守っていたものは
未来の可能性のひとつだった。
繰り返される争いの歴史に絶望することなく
可能性を信じて「それでも」と言い続けるバナージはかっこよかった。
映像化に期待。
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・ついに完結。福井晴敏の出した宇宙世紀への答えは「人の善意」だった。クソ面白かった。
・全編ガンダムへの愛で溢れてた。どのシーンもが過去のガンダムへのオマージュでありながらさらに高められてた。ガンダム好きじゃなきゃ書けない。必読。
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ラストの展開がエヴァンゲリオンに似ている様な気がしないでもないですが、逆襲のシャアの次の物語として読み終わった後に爽やかな読後感がありました。福井先生にはまた宇宙世紀の作品を書いて頂きたいです。