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日本会議の源流と現在の状況を描き出す力作。
日本会議とは、生長の家という宗教団体出身のメンバーを核として神社界の金銭的また人的パワーを身につけて積極的な右派の政治活動をしている宗教団体。メンバーは多数いるものの、人による温度差がかなりある様に感じた。
安倍総理は元々はそんな思想は無かった様だけど、影響を受け過ぎたらしくかなり右よりに感じる。過去に中曽根元総理は右派を利用したらしいが、最後は冷淡にしたらしい。
ここまで首相が右に傾くのは珍しく、危険であると警鐘を鳴らしている。
右派の活動をしている人に言わせると、左派が活動を弱めており、結果として右派勢力が優勢になっているのだろうと。
著者によるインタビューが所々で引用されており、説得力がある。
重要そうなので以下は抜粋。
日本会議とその中枢、周辺にいる「宗教心」に駆動された宗教右派の政治思想は、自民族優越主義、天皇中心主義、国民主権の否定、過剰なまでの国家重視と人権の軽視、政教分離の否定。(原文ママ)
右と左はバランスが取れてる方が良いと感じた。
現在の政治に不安がある方にオススメです。
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随分と綺麗な資金源と買いかぶりすぎた運動体なんだという印象。左派運動が資金源や本当のオーナーを隠して活動しているのに対してですが。
日本を守る会議
元号を法制化する運動
日本を守る会
宗教右派(臨済宗朝比奈宗源)→神社本庁を軸とする新党系宗教団体
上記二つを統合して、1997年に日本会議誕生
親米愛国(反共が最大の結節点)→ソ連崩壊により敵失
→原点回帰
1.皇室の尊崇
2.憲法改正
3.国防の充実
4.愛国教育
5.家族観の重視
日本会議発足と同時に、政治団体「日本会議国会議員懇談会」を発足
資金源
→会費 約3億8千万円、広告、協賛金
明治神宮、神社本庁
宗教法人が政治活動を行使すべきでないと考えている。一定の距離を置いている。
地方から都市へ(運動の方向性)
→左派運動をお手本にしている
お金に対してはストイック、政治家への支援はほぼない
→いわゆる右翼とは異なる。
谷口哲学(谷口雅春の哲学)←大本教(人名)
→日本会議の中枢…元「生長の家」、その学生組織(生学連)
現在の生長の家は、安倍政権に反対
生長の家は二代目に代替わりしたときに、様変わりした。1985年に谷口雅春がなくなる。
谷口雅春 大東亜戦争は聖戦、明治憲法を復元すべし
↓
谷口清超 真反対、第二次世界大戦は侵略戦争。理想世界(若者向け機関紙)に掲載
左翼から右翼への転向
「日本会議が安倍政権を牛耳っているとか支配していると言うよりむしろ、両者が共鳴し、共振しつつ戦後体制の打破と言う共通目標へと突き進み、結果として日本会議の存在が巨大化したように見えると考えた方が適切なように思える。つまり、上からの権力行使で戦後体制を打破しようと呼号する安倍政権と、下からの草の根運動で戦後体制を打破しようと必要な運動を繰り広げてきた日本会議に集う人々が、戦後初めて車の両輪として揃い、互いに作用しあいながら悲願の実現へと突き進み始めている。」
「右派が勢いづいたと言うより、左派がいなくなっただけだ。」
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日本会議とは何か?と読んでみたが、よく知らなかった生長の家、創始者谷口雅春の考え、神社本庁と憲法改正をめぐる現政権との関わりなどよく理解できた。
(私は若い時に谷口雅春の生命の実相を少し読んだことがあり、その生命哲学は肯定的に評価しているが、過度な天皇崇拝国家主義的な考えには驚いた)
安倍晋三は知性を持った本当の右翼、保守ではないと個人的に思っていたが、それも氷解した。
安倍晋三には、そんなに深い政治思想はない!と理解できた部分を以下に一部抜粋。
私(著者)は最近、取材で安倍の成蹊学園時代の同級生や知人、恩師、会社員時代の上司、同僚らに片っぱしから話を聞いたのだが、政界入りするまでの安倍に現在の政治スタンスにつながる気配を感じ取っていた者は皆無に近かった。少なくとも、現在の政治的スタンスにつながる知性を鍛え上げた様子も、政治史などの知識などを積み上げた形跡も、ほとんどみられなかった。
そんな安倍を会社員時代の上司はこんなふうに評した。
「子犬が狼(日本会議など宗教的復古的な人たち)の子と群れているうち、ああなってしまった。僕はそう思っています。」
※カッコ部分は筆者記入
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左派ジャーナリストによる「日本会議本」。
日本会議のテーマ
①天皇、皇室、天皇制の護持とその崇敬
②現行憲法とそれに象徴される戦後体制の打破
③「愛国的」な教育の推進
④「伝統的」な家族観の固守
⑤「自虐的」な歴史観の否定
「かつては”危ない勢力”と認識されていた者たちが、いまや立派に見えてしまっている。」
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勉強になりました。成長の家と日本会議がこのように結びついていたとは。驚きの連続でした。とともに、狂気を感じました。著者がインタビュー相手に敬意をもって接し、丁寧に記事を掲載すればするほど、その特異さが浮き彫りになりました。是々非々で共感できる箇所はありますが、なぜこんな極端な考えに至ってしまうのか。もう洗脳としか言いようがないです。
著者も仰っている通り、主張していることが、明治維新~敗戦までの75年間での事象を日本の有史以来の姿と考えている浅はかな歴史認識に立脚していることが、一番の問題のように感じました。昔は良かったと言う居酒屋談義にしかなっていません。
本当に考えさせられました。都議選で惨敗したとはいえ、日本会議をバックにした安倍政権のやりたい放題にならないことを祈るばかりです。
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海外に出てもほとんどの町ではWi-Fiが使える今日ではスマートフォンを手放すのは現実的に難しい。たったの数年前は自分の現在位置やそこの治安などはガイドブックや片言で話す現地の人からの情報、すれ違った時部と同じような旅行者の進言。そしてコンパスと地図、大事なのは空気だった。そらがいまでは読むことが不可能なアルファベット以外の病気のバス停に乗り込んでもGPSで捕捉できる。信じられないかも知れないが地図のログデータを残すのも手間がかかる時代が昨日だったのだ。
便利なことこのうえない。しかし現実には大した意味を持たない情報という体の落書きを受け取っているにすぎないのもまた真実である。
この本は随分前に耳にしたものであり、恥ずかしい言い方だが日々の生活には直接的には関係ないように思えるが国家の外枠、もしくは中枢に確かに存在する物事を仔細に辿った一冊である。
文頭に関係ないようなことを書いてしまったのは、つまりは手にしながらもなかなか読むことができなかった事への言い訳なのだ。
国内でも携帯電話が圏外になることなどほぼない生活の中でまるで通信から遮断されざるを得ない状況は自ら携帯電話の電源を切るか、もしくはそもそも電波の存在しない場所へ行くしかない。
僕の場合、今回は山であった。登山の背嚢(端的にザックですね)の中に寝袋やテント、食料や酒とともに放り込み夕方ごろから静かな雨の音を聞きながら読了。そして電波のはいらないスマートフォンは大袈裟なメモ帳と化しているわけです。
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話題の書だった「日本会議の研究」の後追いという印象もあるが、上掲の本よりもインタビューなども豊富で、日本会議と神社本庁とのかかわりについてもかなり詳しい説明がある。「研究」と合わせて読めば、日本会議についての全体像が、かなりわかりやすくつかめると思う。
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このところ多忙につき、読感を書いている時間がない。
とりあえず、読みましたということで、読了日と評価のみ記載。
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新聞も読まない、ニュースも見ないのに、最近、よく耳にする「日本会議」。
関連書籍がたくさん出ていたので、とりあえず一番新しいものを一冊手にしてみました。
それにしても「政治」と「宗教」の関係は、古今東西のネタなのでしょうかね。笑
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「日本会議の研究」読了後、本書「日本会議の正体」を読んだ。似たような内容だが、本書「正体」の方が読みやすい。宗教団体の集まりがベースの日本会議が、復古調保守の草の根運動を浸透させてきていることが分かる。胡散臭い人たちが政権の中枢に入り込んでいるのが不気味である。
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日本会議のメンバーが内閣に多数いることはわかったが、愛国主義的な教育や、自虐史観を終わらせることや、天皇を敬うという、真っ当な考えを持った日本会議の何が問題なのかが、そもそもわからない。
こういう本を書くエネルギーがあるなら、
もっと他に掘り下げることありそうだけど。
関西生コンの件とか。
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ネットなどの情報から、日本会議という大きな組織が、阿倍政権に密接に関わっているようだと知り、読んでみた。
非常によく整理されていて、事実と関係者の発言は、著者の考えとは切り離して、正確に伝えるよう努めていて、日本会議について理解を深めることができた。但し、このようなテーマなので、何を取り上げて、どんな構成で伝えるかによって、伝わるものを変えることができるのも確か。著者の背景や立場を知る必要もあると感じた。
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なかなかマスコミで紹介されない日本会議に関するレポート。著者は批判的な視点で書いているように思える。
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ジャーナリストの視点から、多くの関係者たちへのインタビューをおこない、日本会議の実態を明らかにしている本です。
生長の家や神社本庁など宗教団体とのつながりについて、客観的な事実をていねいに追っかけており、むろんところどころに著者の立場からコメントが差しはさまれてはいますが、全体的に冷静な筆致でレポートをおこなっています。
結論としては、日本会議の現実的な影響力にかんしては、一部の危機を扇動するような発言からは、著者は距離を置いているように思います。一方で、日本会議の中核的なメンバーたちの地道な草の根の活動が着実に結果をつくってきたことを押さえつつも、じっさいの政治をどの程度動かしてきたかという点については、彼らが政権を牛耳っているというよりも、両者の価値観がたがいに共振しあうようになったことで、結果として日本会議が巨大な存在に見えているのではないかと述べています。
ただそうだとすれば、政権とのつながりよりも、彼らの活動を動かしている心性のほうにもうすこし踏み込んで、その中身を解きほぐしてほしかったという気もします。
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なぜ2017年にこの本を手にしたのか?ニュースで取り上げられることが多かったからだろうか。当時の感想をみると、首相には厳重な憲法尊重・擁護義務が課せられているのだから海外からみたら極右といわれるだろうなあというようなことが書いてある。
「意見をもつ」ということがどれだけ難しいことか、そんなことを考えさせられる。