期待値が高かったのか、、、
2018/11/21 13:20
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投稿者:monica - この投稿者のレビュー一覧を見る
評価が高かったので購入。事件についてはリアルタイムで知っていた世代の方がワクワクして読めるのかもしれませんが、特にこの事件に思い入れがあるわけでもなく、普通の小説として読むと、後半はご都合主義が多く、ミステリーとしては楽しめなかったです。前半はリアリティがあり、記者はこの様に取材を進めていくのかと面白く感じる部分もありましたが、宮部みゆきさんや桐野夏生さんに比べると重みが少なくて、私はもの足りなく感じました。
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久々の一気読みの本だった。未解決のグリコ森永事件を題材としたフィクションだが、あの事件の真相がこの小説で書かれているという錯覚に陥るほどリアリティがある。主人公の1人である仕事にそれほど熱心でない新聞記者が、30年以上たったこの事件取材に取り組み、ふとしたきっかけから少しずつ、次へのつながりが出てくる。またそのとき、脅迫テープの声が子供のころの自分の声だと知ったテーラーの男性も、親族が犯罪にかかわっているのではないかと真実を追う。骨太のミステリーであり、ノンフィクションと錯覚しそうなフィクションだが、「家族」がテーマとなるだろうか。ラストはとんでもない感動だ。
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京都でテーラーを営む曽根俊也は、父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートにはギンガと萬堂の文字。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声と同じもののようだった。
同時期、大日新聞文化部の記者、阿久津英士は、年末の企画、昭和平成の未解決大事件の特集、ギン萬事件を押し付けられる。
最後は、犯人捜しではなく、子どもを巻き込んだ事件であり、子どもの人生に多大な影響を及ぼしたというところが焦点になる。
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はじめ入り込むまで少しかかったけど、第2章くらいから一気読み。当時まだ生まれていなかった私でも、名前は聞いたことのある事件。どこからがフィクションなのかわからないリアリティと主人公たちの目線から感じる筆者の優しさみたいのが絶妙なバランス。
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少しずつ読むつもりが、早く続きが知りたくなって一気読みしてしまいました。
ベースとなっているのが実際に起こった「グリコ森永事件」なので、最初はどこからがフィクションなんだろう、ここはノンフィクションなのかな?という゛行き来゛を考えながら読みすすめていましたが、気がつけば息詰まる展開の連続に「(フィクションか否かなんて)どうでもいい!このあとどうなるんだ!!」という気持ちのみでページを繰ってました。
終盤は涙が止まらず…前半は大丈夫だけど終盤を外で読むのは要注意。
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私が子供の頃に起きた、グリコ森永事件を題材にした一作。当時の記憶はうっすらとしかないが、それにしても、あまりの面白さ・生々しさに、久しぶりに無我夢中で読んだ。カテゴリーとしてはミステリーで、もちろんフィクションなのだけど、その枠に収まらないような作品で、色々なことを考えさせられた。重く、怖いような話だけれど、どんどん「事実」に迫っていく爽快感や満足感も感じられ、また、読後感に少しの明るさが残るのが良い。文庫化されたら買って、絶対また読みたい。
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戦後最大級の未解決事件であるグリコ・森永事件、例のかい人21面相の脅迫文と共に世間に衝撃を与えた脅迫テープには3人の子供の声が収録されていたが、この3人の子供は一体誰なのか?とその後の彼らの人生に焦点を当てた小説。事件の全体像については「確かにこんな感じだったのかも」とリアルな想像をさせる一方で、最後は小説としてとても感動をさせてくれる。
新聞記者出身の作者ということで、最初はかなり事件をその後に判明した事実も含め謎解き的に描き切るのかと思って、そういう期待で読み始めたが、おそらく主題は「犯罪に子供を巻き込むことの罪深さ」であり、本編後半部分でこの主題は突然にして実力を発揮し始め、最後はちょっと泣いてしまった。家族や親子の情というのもを実際に起きた犯罪でこのように表現できようとは思いもよらなかった。
お話としてテンポもよく、登場人物もそれぞれに立っているので、ぜひとも映画化してほしい小説であると思う。
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言わずと知れた、グリコ・森永事件に題材を取った作品。
作者は事件の中で使われた録音テープに登場する、自分と同年代の子供の声に衝撃を受け、その子の未来を題材に小説を書きたいと思い、それを実現した。
事件の経過は実際の事件を忠実に辿りつつ、周辺の肉付けはすべて作者の創造だというが、登場人物それぞれの実在感は生々しく、実録ものと言われても全く違和感はない。
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小説としては、必要性のあまりない登場人物があるように思われるのですが、作者のスタンスができるだけ実際の事件に近づくことを重視しているようなので、これはしかたのないことかもしれません。そういう意味ではエンタティメントとしてよりも、事件というものそしてそれに向かい合うジャーナリズムというものについて取り組んだ作品なのだと感じています。
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幸か不幸か、グリ森事件の報道は実際に見聞きしていました。子供を巻き込んだ悲惨な事件だったことを、あらためて思い知らされました。
また、松本清張さんの未解決事件や謎の歴史を解明していく話とは違うでしょうが、同じように興味深く読み進みました。
この事件の事実が、もっと悲惨でなかった事を祈ります。。。
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グリコ森永事件をモチーフに描かれる物語。
家で偶然見つけたカセットテープをきっかけに事件を調べる〝加害者であり被害者〟の男。
無茶振りで記事を書くことになったうだつの上がらない新聞記者。
2人の視点で昭和史最大の事件の闇に迫る。
事件の真相を追うのはもちろん、加害者の親族のその後に焦点が当てられているのが良かった。
色んな作品を書き上げ、常に面白く仕上げてきた塩田武士が、一段も二段も凄みを増して新作を放り込んできた。
これは良かった。
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なんだかすごい本を読んでしまった気がする。
グリコ森永事件を題材にしたフィクション。
最初は興味本意で、子供の頃に起こった有名な、事件はどんなものだったのかと、面白く読み進めていたものが、後半になると体ごと本の中に引きずり込まれ心をえぐられ、読み終えた時は放心してしまった。
フィクションだとわかっていても、この本が事実だったのではないかと思えて、心をかき乱された。
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グリコ・森永事件をモチーフにした作品。
自分の幼い頃の声が吹き込まれた犯行テープを見つけた曽根と、年末の特集記事で過去のギン萬事件を調べ始めた新聞社の文化部の記者、この二人を軸に話が展開されていく。
事件後30年が経ち、当事者たちが口を開き始めたからか、あれだけ警察が総力を挙げてもたどり着けなかったことが数ヶ月で見つけられるのだろうか?
犯罪はもちろん許されるわけではないが、「知る権利」だという言葉で全てを正当化しようとするメディアの傲慢さが感じられてしまった。
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逃げ続けることが、人生だった。
家族に時効はない。今を生きる「子供たち」に昭和最大の未解決事件「グリ森」は影を落とす。
「これは、自分の声だ」
京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声とまったく同じものだった――。
未解決事件の闇には、犯人も、その家族も存在する。
圧倒的な取材と着想で描かれた全世代必読!
本年度最高の長編小説。
昭和最大の未解決事件―「ギンガ萬堂事件」の真相を追う新聞記者と「男」がたどり着いた果てとは――。
気鋭作家が挑んだ渾身の長編小説。
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なかなか読ませます。題材が題材なので、自分の年齢的にはピッタリはまりました。こういうテーマの取り上げ方もあるんだと、ちょっと感心しました、やや重めでしたけど。