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家族の再生物語ともいえる作品。
大崎梢さんの作品は結末が温かく、「そうだよね」と納得させられる読後感。
そういう意味では、この作品にも裏切られない。
大きな障害に翻弄された後の家族の在り方を考えさせられる。
父の転勤で、普通に暮らしていた家族が分断される。
父は、勤め先の病院の不正を批判したため、地方に飛ばされたのだった。
そんな父を見捨てられず、ついていった「ぼく」。
実家に縛られ、東京に残った「母」、そして「父」と「ぼくの妹」。
それぞれの視点で物語は進む。
ひとりひとりの成長が家族を、これまでとは違う形に作っていく。
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娘の中学入試問題で使われており、続きが気になったので図書館で借りて読んだ。
入試問題では、長男のエピソードの一部だけだったので、母親の言動がすべて不可解だったが、全編通して読むとその理由がわかった。
とはいえ、小6の息子を父親に任せて別居は普通できないかな。。。
家族四人のエピソードがすべてあるので、少し混乱した。
終わり方は爽やかで明るい未来を想像できるもので良かった。
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市図書館にて。
終わってみれば、そうか、家の話である。親子4人、皆、友人という命綱を持つ人たちがいるから成り立った物語である。外部に安全な場所があるから、内部の安全を保てていると感じてしまう。
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勤務先で自分の正義を貫いた父。
父の異動で銚子に住むことになった長男。
筋金入りのお嬢様の母。
私立女子校に通う妹。
この4人の連作短編集。
別居という形になった家族のそれぞれの思いや生き方、背景が描かれていて、
ひとつ屋根の下だけが家族の形では無いのだなーと。
離れていても、互いに互いを思いやっている家族像に心が温かくなりました。
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父親の左遷で、東京と銚子にバラバラになった家族。
息子、父、母、娘の順で、それぞれの思いが語られ、前の章では分からなかった気持ちが分かるという展開。
最初の章で母親に感じた嫌悪感は、次の章で払拭され、それからはこの家族の再生をひたすら願いながら読みました。
真っ直ぐで愛情深い父、離れて暮らしていても、ずっと両親に深い愛情を与えられていたために素直に育った子供たち。
この家族だけのスタイルが、最後に形成される終わり方が良かったです。
フミの友達佐丸の飼い犬春が、年老いても尚海に向かって吠えるというシーンには、思わず涙が溢れました。
いいお話でした。
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図書館。
やや苦手なタイプだが、作者らしい、
心温まる話。
ところどころ推理の断片が出る。
銚子はいいところだろうけど、
やはり田舎だよね。住むのはちょっと、と要らん所に感情移入する。
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家柄に左右されたある家族の話。それぞれの視点から描かれていて視点、感覚の相違もあり、面白かったです。
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バラバラなのかと思いきや、最終的にはそうではなかった?終わってみればそうかもしれないけど、その時々の当事者的にはバラバラ感が強かっただろうなとおもう。ここで評価すべきはやはり長男なのかと思う。なかなかできることではないです。よく頑張ったね。お母さんもきつかったのでしょうが…。
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突然の告白を受けて結婚した旦那が、医大で反旗を翻して銚子に左遷された話。
その父に着いていった息子、残った母娘。
祖父の浮気と隠し子。
残った娘の札幌行きと、母の北欧行き。
トンデモ話が多い気がしたけど、ラストは収まるところに収まった感じで、結局家族っていいな、と思わせるラストだった。
よっつ屋根の下。
結局ひとつ屋根の下には収まらなかった。
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家族全員バラバラに住んでいるけど、互いが互いに互いのことを思い合っている家族愛にほっこり。
妻・華奈のことを都会的で冷たい女性と思っていたけど、あの境遇ではそれも仕方ないし、それを理解できている長男には脱帽。
エリート路線から外れた長男は、田舎町である銚子で東京では味わえなかった出来事・体験について感謝している。
わたしも受験に失敗して、もしあのとき合格していたら…と考えることもあるけれど、今の環境に不満をもっているわけではないし、この環境でしか学べないこともあると思うという点で、共感できた。
ほっこりあたたかみのある作品だったが、パンチの足りなさを感じたので、星2つ。
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ありそうな家族
父 母 息子 娘
4人の生き方が 父の転勤によって 変動してゆき
それぞれの人生の過ごし方を書いた 自分に置き換えても
ありえる状況を描いた作品
リアルにかんがえさせながらも 楽しく読み終えました
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2019.11.05
この著者はこんな本も書くんだね。ラストはすごくほのぼのしてる。しかし、みんな自分を持っている素晴らしい。
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1冊の本になって読む醍醐味。このペースで続いていったら、それはそれでおもしろい物語。
2019/11/6読了 2019年の72冊目
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お嬢様の母、正義感の強い父、兄と妹。千葉に飛ばされた父について行くフミアキ、白金に残る母と妹。それぞれの目線で語られ、事情や考えが分かっていくにつれて、家族や家の存在や意味を知る。 読んで良かった、いい本だった。
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父親の左遷が原因で父と息子、母と娘と別々に暮らすことになってしまった家族。 しかし、互いに距離を置くことにより相手を冷静に見ることができ、より良い選択ができるように。 人とのふれあいの大切さを感じる一冊。