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文庫版を再読。
以前読んだときは広島に転居する前だったが、転居後に読み直すと土地勘も出てくることからまた違った味わいになった。
また、今年のカープの盛り上がりと作品中のカープ初優勝の様子がダブるようで面白かった。
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あの頃の広島カープを知ることができたという点で貴重な読書、そんなことあったんだとなるエピソード多い。物語としてはなんてことなく面白いものではない。
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広島の人たちの気持ちも分かる。
東京のまなぶの気持ちも分かる。
この細やかな心の動きが書ける重松清はすごい。
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重松さんのお話大好きだけど、カープと興味無いしなぁ、、、と避けていた本。カープのお話というより、広島の原爆後のお話だった。読んでよかったな、と思った。
いつも父親の仕事がうまくいかず、転校ばかりしているマナブと、広島で野球大好きで男気溢れるヤス、ヤスの友達で優しくこれまた野球大好きなユキオの友情がとってもよかった。ヤスは曲がったことが大嫌いな暑くてめんどうなやつなんだけど、とにかくユキオが大人でかわいいし、ユキオというクッション材のお陰でヤスとマナブもなんやかんやで仲良くなってるしいいトリオだなぁー。
転校してもずっと仲良しでいたらいいのにな。
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ちょうどカープセリーグ優勝の前に読んでいて、何度も何度も泣いた一冊。知っている情景ばかりで、知らないはずなのに懐かしい。今から考えると41年前の話でも、私が生まれる約10年前のことだと考えると、昔から今へと続いていっている、繋がっている。創作の話だけど、本当にあった話のようで。あとがきで重松先生が書かれていたように、3人は今年の優勝をどんな気持ちで観たのだろうかと思っていた。大切な一冊になった。
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1975年、セリーグのお荷物と言われた広島カープの初優勝をバックに、当時の広島の世相と、少年たちの友情を描いた作品。
丁度今年、25年ぶりの優勝で広島が沸き上がったところにタイムリーに文庫化されたわけですが、手を出すべきか悩んでいました。
リアルタイムにその当時の広島を知って居る私。本音の話「なんか違うよな」という印象。
私も原爆2世、子供の頃からのカープファン。原爆に対する思い、カープに対する思い、それぞれ確かにありますが、ここまで強い思いを持った人は一部分。大多数はもう少し軽い感じだと思います。
なんとなくその辺りのギャップが気になってモヤモヤしながら読了しました。
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広島カープを作中で扱う作家からは、必ずと言っていいほどカープ愛が溢れている。それは作中で永川勝浩の劇場っぷりに苦言を呈する東川篤哉然り、初優勝時の熱狂を少年たちの群像劇を通して描ききる、本作然り。カープには広島県民にとっての「物語」がある。本作はフィクションだが、多くの広島人にとっての自己投影になっているのだろう。私は宮城県民だが、ここまで熱狂的に愛されるチームのファンであることを誇りに思うし、この物語を通じて、また赤ヘルが好きになった。
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久しぶりの重松清。しかし、内容は600ページとかなりのボリュームのためか、読み切るのに1ヶ月ほどかかってしまった。
内容としては1975年当時の広島を舞台にした、転校生と地元の友達にまつわるストーリー。
正直、このボリューム感の割に内容はとても軽買ったという印象。広島をテーマにした戦後の方の痛みと、
何をやってもうまくいかない父を持つ主人公の抱える葛藤の絡みについては、繊細ながらもジワリと心をえぐられる。
ただ、自分的にはそこまで。トワイライトや流星ワゴンで感じた涙を流すような展開ではなかったので、やや肩透かし感は有り
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広島カープが初優勝を飾った1975年のリーグ戦と併せてつづられる、少年たちの友情と、原爆"、"戦争"についての物語である。歴史的な史実(カープの試合運び)と架空のドラマ(マナブ・ヤス・ユキオの青春ストーリー)が同時進行し、この2つがあるときは重なり、あるときは離れ、感動と興奮のクライマックスを迎える。読了後の余韻は言葉にならない気持ちよさ。これはもはや、昭和史を材にとった、第一級の歴史小説と言っていいと思う。"
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広島カープ優勝の年は、原爆投下から30年の1975年であった。野球が中心の小説かと思ったが、それだけではなかった。ヒロシマの人々の思いが随所に見られる小説であった。「原爆のことをいっぺんに考えんでもええよ、時間をかけて勉強しながら考えんさい。みんながずっと思うてあげて。」という言葉に触れて、原爆に関しては何十年経っても、風化させてはいけないと強く思ってた。
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面白かった、と言う表現では不謹慎だろうか。それでも、ヒロシマのことを含めて考えても、物語としてはやっぱり面白かった。マナブ、という主人公の名前は、最後のさいごのあの場面のためにつけたんだろうなあ、と思うと、重松清という作家の構成力?に感服する。カープが優勝した2016年にこの物語に出会えたことを嬉しく思う。
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私もよそモン。
広島の熱さ、暑さ、厚さ、どれもかなわない。そこに悔しさはなくて、羨ましさ、あこがれ、のようなもの、がある。
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2018年7月8日読了。非常に面白かったです。
本書は、原爆投下・戦争終結から丁度30年後のカープ初優勝を題材とした、歴史小説、みんなの叙情詩、青春小説だと感じました。キーアイテムは紙吹雪だと思います。叙情詩としては、原爆や戦争に対する思いを様々な人達からの視点で書かれており、それらを主人公の一人が「よそモン」として反芻していくのですんなり理解できました。青春小説としては、主人公達が抱える思春期ゆえの葛藤を、愛情豊かな周囲の人物が支えつつ、当人達の成長を感じられます。一人の主人公の父親が何かをしでかす度に、「あちゃー」と思ってしまうのはご愛嬌。父親は途中から堤真一さんで脳内再生されてました笑 もし、映画化されたら観に行きたい作品です。
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少年の成長物語として、とても完成された作品だと思います。
戦後30年が経過した広島に、東京からやってきた主人公のマナブ。知識として「ヒロシマ」のことは知っていても、今尚、生活の中に根強く残る「ヒロシマ」の実態を、地元の人のように理解することができない「よそモン」として疎外感を感じながら広島での生活を始めます。
そこで出会ったヤスとユキオの2人の「連れ」と、次第に打ち解け広島の街にも馴染んで行くマナブ。
なにが「正しい」と決められるわけではないですが、自分なりに考え、日々を無駄にせずに生きている少年たちの姿に心を打たれます。
それぞれに「辛さ」はあるし、そのことは本人にしかわからないけれど、周りもそのことを受け入れること(辛いと思っていることを認めてやること)で、互いに支えあいながら生きている、「もはや戦後ではない」と言いながらもやはり戦争の傷跡がまだ残る昭和の時代を感じます。
ぜひ、夏休みの時期に高校生や中学生に読んでもらいたいと思う作品でした。
「原爆」だけがフォーカスされることが多い広島ですが、もちろん空襲もあり、ほかにも戦争の犠牲となった方は多くいます。では、「ヒロシマ」以外のことが原因で犠牲となった方と、「ヒロシマ」の犠牲になった方との違いは何なのか。
「よそモン」にはわからならい、と切って捨てるのではなく、戦争の被害と、そこからどう立ち直って(未来へと目を向けて)過ごしてゆくのか、ということもひとつのテーマになっていると思います。太平洋戦争から長い時間が経ち、戦争を知る世代が少なくなっているからこそ(そして「戦後」に育ち戦争の傷跡を見てきた人も次第に少なくなってゆくこれからだからこそ)、読むべきテーマの小説でもあると思います。
ただ、少し作品自体のボリュームがあることと、広島カープ推しが強いこと(物語の性質上、仕方ないのですが)が巨人ファンでもあるので個人的には読みにくく感じた部分でもありました。
エンディングが完全にハッピーエンドでないあたりはリアリティがあってよかったと思う反面、もう少し「救い」があっても…とも思います。
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舞台は、原爆投下から30年後、広島カープが奇跡の初優勝を遂げた1975年の広島。
人々の胸に、まだ生々しく残る、戦争と原爆。
広島カープ、優勝という陽。
原爆投下という陰。
このふたつの相反する事柄が織り成すコントラスト。
広島という舞台で少年たちは、戦争、友情、色々なものを学びながら生きている。