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ざっくり内容は把握しているので、買おうかどうしようか迷い中。
リドルストーリーは好きだし、それを使った叙述の仕掛けも面白いから、手元に置くのもいいかなぁ。
作中作の作りから、「儚い羊たちの祝宴」の逆転? なイメージかな、という印象を受けました。
しかし相変わらずこの人の作品、キャラクターが硝子の十代風味ですね。そこが好きだけど、「春期限定いちごタルト事件」を一番最初に読んだ時はラノベ? とか本気で思ったな、と。
でも、最近そのへんの境界曖昧な作品が多いので、このくらいなら普通かもしれない……。
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とても面白いし、米澤さんの描く風景は静かで綺麗。結末がもう一捻りあればなぁとも思うけど、ある意味期待を裏切らない感じで安定の満足感だった。
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語り手の無力さがかえって読み進める興味になる。なにものにもなれないと切って捨てられる人物が追う、なにものかではあったらしい疑惑を纏う人物。語り手はP274にあるようにつまりは読者だという読み方ができる。題材にリドルストーリーを持ってきたところにもそれを感じた。
もちろんリドルストーリーをこう使うか、というワンアイデアにもなかなか読まされたけど。
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米澤穂信というミステリ作家は本当に面白いことを考える人だなぁ、と思う。そして果敢にチャレンジし、きちんと形に出来るすごい人だとも思う。
伯父の古本屋に居候する青年、菅生芳光(すごうよしみつ)のもとに、死んだ父親が書いた五篇の小説を探してほしいとの依頼が舞い込む。存在するかもわからない小説の行方を調査するうちに...
リドルストーリーとは『結末をあえて書かず読者に委ねるかたちで謎を提示する物語』という解釈で良いのだろうか。
物語の中で探す目的となる小説の五篇全てが、その『リドルストーリー』となっているが、その『小説内小説』の出来がすばらしく、一つの読み物として楽しめる。また、結末のない物語という趣向が『追想五断章』という小説自体の仕掛けにもつながっていて、謎が解明されていく後半は唸らされた。
ミステリの仕掛けの糸と物語の糸が有機的に絡み合い、また解きほぐされていく様はいつもながらに見事。
全編を通しての胸の中を風が吹き抜けるような寂しさ、哀しさ、苦さは好みの分かれるところだろうが、僕は好きだ。
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ほんとうに、
それでもよかったのに。
(七夕の空に、篝火の火の粉が上がっていく)
奇蹟の娘/転生の地/小碑伝来/アントワープの銃声/暗い隧道/雪の花
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伯父が営む菅生書店に身を寄せる菅生芳光は、北里可南子という客から依頼を受け、父親の遺した五本の短編小説を探すことになる。
五本の短編には共通点がある。それらはどれも、結末を読者に委ねるリドルストーリーであるということ。そして芳光は、それとは別の共通点と、作者北里参吾に関係する過去の事件を知ることになる。
リドルストーリーにはやはり結末がないほうがいい(というか、結末を読んだらしっくりしてしまうような話は良質のリドルストーリーではない気がする)。
伯父さんが本当はどう感じているのかや芳光がこのあとどういう人生を歩むのか、結局それもうまく見えてこない終わり方が、さりげなく気が利いている。すきです。
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ただ読んでるだけじゃ充分に楽しめない。
頭を使いながら読んだ方がいい話だと思った。
リドルストーリーの中に伏線が張られていたり、冒頭の作文が鍵になっていたり。
深く考えずに流し読みしてしまったのはもったいなかった。
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叔父が営む古本屋でアルバイトをしている菅生芳光は、店を訪ねて来た女性の依頼を報酬目当てで引き受けてしまいます。
依頼主の北里可南子は、亡くなった父の書いた五つの結末(リドル・ストーリー)のない小説を探していた。
やがて芳光は、二十二年前の、ある未解決事件の存在を知る事に...
五篇のリドルストーリー(結末を書かない物語)が作中作として収められた入れ子構造になっています。
リドルストーリー形式なのに何故、結末を別に遺していたのか?
その謎を解く過程で、芳光は、それぞれ独立している五篇の小説から共通点を探し、それらと二十二年前の未解決事件との間に、どのような関係があるか...
手紙や雑誌記事といった「残されたテキスト」を参照することによって読み解いていきます。
個人的には読みやすく楽しく読めたのですが、予想できない結末が待っているわけではない為、もう少しミステリー要素があっても良かったのでは?っと素人ながら思ってしまいました。
しかし、もし続編が出るなら納得って感じもします☆
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一気読みしてしまった。重たくてアンニュイな雰囲気、えげつない作中作とその意味。ミステリというよりドラマか。登場人物にも作中作にも本筋にも特にこれといった濃いーい仕掛けがあるわけでもないのに、グイグイ入っていってしまう不思議。
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■リドルストーリーを話の軸とする。っていうのは、面白い試みだと思う。結末から、謎解きってすごい。
■最後の1文が入れ替わることができるようになっているっていうのは、黙っているのは苦しく、それでも娘への思いやりだよね。
■ただ、真実というのは、まぶしく苦しいことが多い。それでも、知りたくなってしまうものだろう。
■全部読み終わったあとに、序章の「わたしの夢」を読み直して、余韻に浸りました。
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20120504 氷菓シリーズ作者の最新刊。主人公はあんまり生命力ない若者。平成5年の話で公衆電話の10円が落ちるスピードを気にする描写が懐かしい。内容と顛末はそれなりに想像のつきそうなものだけど、語彙や表現は豊富。
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古本屋の居候が 父親の書いた小説を探してほしいという 女性の申し出を引き受けてその小説の謎解きをしていくという話。
それぞれの小説も結論のないリドルストーリーでなぞめいていてなかなか楽しめる。
エンディングも決まってる。
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ギャップが・・
ギャップがありすぎですよ・・
何も古典部シリーズのようにしろと言ってるわけじゃないんです。
ただ、主人公も、その主人公と一緒にバイトしてる女の子も、依頼をしてきた女性も、誰一人影が薄くてどこにも感情移入できなかったんです・・
話は気になるし、主人公たちが探している、物語の核となる短編5作品も面白い。のに、やっぱり登場人物の個性って大事なんですねと思わされました。
同じ作者の連作短編の儚い~は、全部主人公違うのに登場人物それぞれが立っててよかったのに、あれー??
追記
他の人のレビューで、主人公の描写が少ないのはわざとと知りました。評価は変わりませんが、作者の狙い通りに受け取りましたよ!
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リドルストーリーに用意された1行の結末と、それが物語に絡み合っていく流れにぞくぞくした。
5編のリドルストーリーだけでも十分に楽しめると思う。
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文句なし。これは面白いし、すごい。
プロットを練りに練って書かれたのだろう。もしそうでないのだとしたら、ミステリー作家を目指す人々はそのハードルの高さに心折られてしまう。
物語のキーになるリドルストーリーの質も高く、そうしてそれが意味するものが明らかになったときの驚き。
米澤穂信のなかで一番面白いと感じたかも。