紙の本
タイトルは一般受けしないだろうけれど
2016/01/29 10:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぶたたぬき - この投稿者のレビュー一覧を見る
何かと専門的で興味のない人だと取っ付きにくいだろうなぁと常々思わされる兵頭氏の著書。その中でも色々と興味深く読めた一冊だった。
兵器評価などは軍事マニアにしかうけないだろうが、その兵器の特質如何では、外交にも影響を及ぼすという。
例えば北方領土のくだりでは、ロシアの軍事的事情では3島返還(択捉以外)が落としどころだったという。そんなあちらの事情も軍事的性質や兵器の特質に疎いとピンとこないだろう。
そんな日頃、日本のメディアが伝えない事実が満載であった。
何だか防衛、外交が苦手な民主党や公明党、共産党の議員の人達に読んでもらいたいなぁなんて思われた一冊であった。
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戦争ハンターイ、とナイーブにデモする時間があったらこの本を読むべき。
日本の防衛方針を明治以来の列国との関係性からひもとく。韓国とシナ(筆者は中国という呼称を避け、イデオロギーに中立なシナという呼称を使用)の本質、北朝鮮軍の実力と日本の防衛能力も的確に分析。
一番興味深かったのは、福島原発事故以降、国家に対するテロ手法が根元的に変わったという指摘をしている点。対艦ミサイルを用いて原発燃料プールを破壊し沃素131が大量に漏出される事態となれば、数値で物事をとらえることができない大多数の国民が混乱に陥ることで、国家機能が麻痺させられる。すなわち、従来の弾道ミサイルによる攻撃を前提とした防衛思想からの転換が必要であると説いている。
災害時の運搬や汎用性から、公的車両は全てディーゼルであるべき、という論旨もしごくまとも。
同様に、都市部のビルのガラスの飛散対策についてもっと検討をすべきだ、という主張も合理的。
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軍事評論家による日本の軍事技術と外交環境を著述された作品。
ミリオタのための兵器技術の知識披露だけなく、日本が世界征服をすることは無理だけど、日本国民を守り切れる環境が整ってると確信させてくれる作品。
日本は、近い将来に中国に征服されるんじゃないの?と不安に思っている人には、精神安定剤になることは、間違いない。
戦闘機の中心的技術であるジェットエンジンに関する評論は、個人的に印象的でした。説得力抜群。
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危機感が大事というのは確かにその通りなんだけど・・・
軍事、国際関係の他の情報に興味が無いなら、読まない方が良いかも。
儒教国家は近代国家としての価値観を共有し得ないという主張とか、わざわざ一般的でない名称で国を呼ぶとか、準同盟国やその他諸外国を不当に貶める記述が多すぎて、文章の書き方にそもそも賛同しかねる。
戦闘機の調達価格を1ケタ間違えるとかの初歩的なミスが散見されるので全体の信憑性も微妙。
「元自衛隊員」という肩書はそもそもどう評価していいのか。