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花井沢町という世界からシャットダウンされた小さな町の住民達にも適応者と非適応者が実在しており、その途上さがどう渦中をこれから泳ぎ回るのか。あのエピローグがどう結びつくのか。色々楽しみなところ。
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朝日新聞の書評見て即買い。アンダーザドームみたいな設定。深刻さはあまり出ない淡々とした日常的作品。2055年らしさってこのドームだけ。あとは今と少しも変わらない。短篇形式なので最初の話の女の子がどうなるのかめちゃめちゃ気になる。最後ですってどーゆーことなんやろ。二巻が早く読みたいです。
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否が応でもこの設定は震災直後の原発事故を私に想起させる。現実世界ではこの漫画とは逆に人々は町を追い出されてしまったけれど、その町の名前だけで心の中に偏見というバリアを張ってしまったという事はないだろうかなどとつらつら考えさせられたりした。これからの展開はどうなるっていくんだろう?次巻が怖いけれど早く読みたい。
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設定が斬新だけど切ない物語ですね。
第1号の希の台詞の意味が分かったときは、悲しみで胸が打たれました。
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やーーー、すばらしい。
星新一のショートショートで有ったネタ「外からの攻撃は完全に防ぐ、けれど中からも出られないバリア」を、その後もそこに生きる人々を描いたSF、なのかな。
やー、これは、おもしろい。
もうある意味結論は出ちゃってるわけで、そこまでの間をいろいろな段階で良いシチュエーションだけ抜き出してる。旨い。
微妙に謎があるのも、気になる。
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見えない壁によって隔てられてしまう人々の物語。全編にわたって切なさにまみれてる。
導入から引き込まれるし、読み終わって最初に戻ると、喪失感みたいなモノが押し寄せてくるみたいな?
巻数があるから、続くのだろうけど、この設定で色々な作家さんに物語を紡いでみてもらいたいなとか夢想する。
この作者に不満があるではないけど、思いもしない物語とか、読めそうじゃん?
例えば、野尻抱介とか、絲山秋子とか、江國香織とか?
映画化とかされたら、少しみてみたいかな。
諏訪敦彦とか、岩井俊二とか。
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生きているものは誰も入れず出られない、見えない壁で囲まれてしまった小さな町が舞台の話。時系列バラバラのオムニバス。
善くも悪くもない普通の人々の優しさと悪意が満ちています。ほとんどの人がモブ顔なのが印象的。
第3号と第6号は特にショック。
田舎の付き合いは陰険で面倒とかいうけれど、ちょっと手癖が悪い人がいたとしてもわざわざ犯人探しなんかしない。犯人も被害者も出ていくわけにはいかないんだから、曖昧にしておいたほうが賢いわけで、村八分なんてされるのは本当に最悪のケースだけです。江戸の長屋だって同じだ。狭い社会で生きていくための知恵がある。しかし、お隣との付き合いが希薄な、都市のど真ん中だった花井沢町の住民にはそれがなかった。第3号のラストで、被害者の少年は初めて、警察も裁判所もないところで人の罪を暴くとどうなるかということに気づく。
そこから学習して小さな民主国家みたいなものができたか、あるいは村社会的な知恵が生まれたかというとそうではなく、吟味されない無秩序な「正義」がまかり通る場所になってしまっていた。数十年後の第6号では、女性が青年にしていたストーカー行為は無視され、親が子を守るための殺人は仕方なかったで済まされる。最後のシーンで青年が泣いているのは、この町への恐怖や違和感そのものと、それを誰とも共感できない寂しさからだと思う。
第2号の女子中学生の話などを見ていると、これは「被災地」のことを言っているのかなと思ったりもしますが、実はピンポイントな世界の話ではなく、花井沢町は日本社会のデフォルメとも受け取れました。
閉鎖的で、物と情報だけは外の世界と行き来できるところ。若者が学ぶこと、働くこと、生きることを大事にできないところ。普段は善人でもない普通の人間が、ひとたび何かあると「悪いことをした人間は攻撃してもいい」と当然のように行動できる残酷さ。そして、この狭い小さな世界には、そこそこ人がいて、そこだけで通じる常識があるということ。自分たちにしかわからない常識だということを、彼らは知らない。
物語では、日本のごく一部分がこうなってしまったということになっているけれど、日本という国そのものがこうなってもおかしくないと思いました。だから恐ろしく感じるんだろう。
それでも本人たちにとってはこれが日常だから、ただただ怖いだけとは思わないし、絶望もしない。1巻だけでもおなかいっぱいだけど、2巻はどんな話が描かれるんだろうか。
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別に住民たちは悲観的ではないのにどの話もどこか悲しい。3号が特に悲しかった。閉鎖的空間の狂気と悲しみ
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設定は超常的だが、村社会、被災地域へのポジティブな差別、ネガティブな差別などが生々しい。
自警団や裁判機能のうまく機能してない感じもリアル。たまたま有能な指導者が隔離側にいればいい形で組織されるだろうが、そうでなければこういう人間的な、だらけた形になりそう。
面白かった。
まだまだ語られていない物語も多そうで楽しみ。
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町は死にゆく私は生きるという帯が最高だったのと周りの評価が高くて購入した1冊、読んでみて思ったのは外の世界と隔離されてしまった花井沢町の住人達の何気ない日常は、ごく自然な日常のように描かれるけれど、どこか悲しく、日常会話もどこか客観的で悲しみを帯びている。狭い閉鎖された空間で人が暮らすとこうなるのだろうか?と考えさせられる1冊でした。
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初期設定は理由で、そこから動けない人々のお話。
この方はショートがとてもおもしろい作家さんだと思う。不思議のなかにやたらとリアルなストーリー。この先どうなっていくのかなあと気になる。
けれどちょっとこの雰囲気に飽きてきたかもしれないな、とも思う。私が。
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シェルター技術の開発事故により、「生き物を通さない膜」によって外界と隔てられた花井沢町。
しかし物は届くし電気もインターネットも繋がるわけで、人々は普通に生活しているし、それは別に、どうしようもない絶望ではない…のだけど。
「一生出られない小さな町で暮らす」。
それゆえに起こる…ちょっとしんどいことが、町のいろいろな人々の視点で見える短編集。
うん。どうにもちょっと…最終的にしんどいことになる話ばっかりでなかなかずっしり来ます…。
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花井沢町という、とても特殊な状況におかれた町のふつうの人たちの日々の短編集。
風景の、人々の、空気のふつうさが、言葉やシンプルな絵柄によって強調されていて、それがより緊張感を誘う。
だからどうしても自分の日々を思わずにはいられない。
私の毎日は?私の大切な人の日常は?明日も同じように来るのかな?と
三巻完結でよかった。最後まで一気に読めて心からよかった。
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外の世界から遮断されてしまった町。一見、何気ない日常の風景のようだけど、やはりどこか歪んでいて町の住民は蝕まれていっているようだ。三巻で完結のようだけど救いはあるのだろうか
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「生命体を通さない膜」で、見えながらにして外界から隔絶される
ことになってしまった町に住む人々の物語。
「隔絶された場所」でのドラマは他の人の作品にもあるけれど、
これほどまでに痛く厳しいお話はあまり見たことがない。
『WHITE NOTE PAD』での「人格入れ替わり」といい、
ヤマシタトモコさんの描く状況ドラマは「甘さ」を許してくれないなー。