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2021年3月、訃報を聞き、ずっと積読になっていた新書をひらいてみた。2014年、百歳を超えたところでまとめられた語りおろし。
自分を客観的に分析しつつ徹底的に自分をだいじにできるのがかっこいいなと思う。口先では自由に憧れながらも、ほんとうにひとりで立って自らを養い自由を満喫する生き方はなかなかまねできない。アメリカにでかけたときに出会った人々や当時のニューヨークのギャラリーの思い出話が興味深い(別の著書で読んだ覚えもうっすらある)。
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[ 内容 ]
百歳を過ぎた今も現役で活動を続ける美術家・篠田桃紅。
墨や金箔などで構成する大胆な抽象画は、海外からも高い評価を得る。
女学校を卒業したら、その多くがお見合い結婚する時代に、「くじびきみたいな結婚なんて、とんでもない」と独身を貫き、戦後、まだ海外へ行く人がほとんどいない時期に、単身ニューヨークへ渡って個展を開くなど、その行動は前例のないことばかり。
「常識の世界に生きなかったから長生きできた」、「人生というものをトシで決めたことはない」と断言する著者が、年齢に関係なく、いつまでも第一線で活躍するための秘訣を語る。
[ 目次 ]
第1話 常識の世界に生きなかったから、長生きできた
第2話 苦労なんかしてないわね。したいこと、してるだけ
第3話 人間としてやることはもう全部やっちゃったみたい
第4話 人生というものをトシで決めたことはない
第5話 “美”とは、相反する両極を持つこと。そこに一切がある
第6話 人生の予測は立てられない。すべてなりゆきまかせ
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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シンプルで力強い言葉。
100年も生きていればつらいことも山ほどあったはずなのに全くそれを感じさせない。
真のプロになるまで100年生きるのも悪くない…かな?
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2015.7.15 100歳でこれだけ元気でパワーがあるってすごい。戦争で死にそうになった体験談がぐっときた。あの時代で独身で活躍できて、いろいろあったのだろうなと思う。芯の強い女性で、個性的なのが文章でもよくわかった。
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NHK朝のニュースでも紹介のあった、篠田桃紅さんの著作。103歳でもなお現役の芸術家である篠田さん。女性は伴侶を得て家に入り家庭を守るというのが当たり前の時代にあり、人に依る生き方に疑問を抱き、自分本来の生き方を選んできた。
書の世界で身を立て、戦前戦後の厳しい時代を生き抜いてきた。墨を用いた抽象画の世界に導かれ、単身ニューヨークまで個展を開催しに飛び込んでいる。
その自由闊達さ、潔さを羨望するとともに、運命的な出会いも含め、永らえた生き方をとらえる視点は、肩に力が入らず柔らかくそして穏やか。
「常識の世界に生きなかったから、長生きできた」
「苦労なんかしてないわね、したいことしてるだけ」
「人生というものをトシで決めたことはない」
「人生の予想は立てられない、すべて成り行き任せ」
篠田さんのコメントに多くの方が共感しているとニュースは告げていました。
粋でおちゃめなおばあ様という感じですが、一筆の直線に秘める墨の濃淡、一度限りの形との出会い、向き合うまなざしは齢に無関係にキラキラと鋭い。
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大先輩からの大いなるメッセージ。
この本を読むまでは、どちらかというとあまり長生きはしたくないなぁと思ってきた。
けれど、百歳になったときに桃紅(とうこう)さんのような気持ちでいられるのなら、そんな人生も悪くないなと元気づけられました。
わたしもどちらかというと常識からはずれた、本書でいう日本人のうちの2割のほうに含まれた人間で、社会の常識に沿っては生きづらいと感じてきました。桃紅さんのように、自らの魂を貫いて生きていくことも悪くないなと、勇気を与えてもらいました。
最後の1/3の芸術に対しての考え方はまったく共感できる部分でもあり、いちばんの読みどころです。
自由な道を選べる人生が与えられている現代ですから、みなさんが幸せで充実した一生をまっとうされるよう、一度は読んでいて損のないと思えるオススメの一冊です
⁽˙³˙⁾◟(๑•́ ₃ •̀๑)◞⁽˙³˙⁾
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女学校を卒業したら、結婚をして家庭に入るのが当たり前だった時代。著者は単身、アメリカに渡り、筆一本で勝負する世界に飛び込みました。
「自分の道は自分で切り拓く」
その強い意志は、百歳を超えた今も、変わることはありません。
詳細なレビューはこちらです↓
http://maemuki-blog.com/?p=6511
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新聞の広告欄を見て購入。本書を読むまで、正直この方のことは全く存じ上げなかったのだが、103歳にしてなお現役の芸術家として活躍されている姿には只々敬服する。
文章はいたって読みやすく、語り掛ける口調で気負わない雰囲気が漂っている。しかしながら、芯の強さ、凛とした生き様はしっかりと伝わってくる。帯のお写真も素敵。
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図書館リクエストの多い本ということで読んだ。著者のことは存じ上げなかったが、本書の2014年時点で101歳になる現役の書家・美術家。
彼女の生い立ちから独り立ち、戦時の苦労、そして美術家として認められる一方で、世間的な女性の幸福といわれるものからは外れた生き方をしてきたことなど、その破天荒といえる考え方ゆえの人生なのだと達観した様子が伝わってくる。
参考になるとか、見習いたいという感じではないが、こんな人生観も素敵だと思う。
15-228
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朝ドラのヒロインみたい。
→https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12123533907.html
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さっぱりとした性格の方だけど芯の強い素敵な女性だと思いました。いろいろ参考になることが多かったです。
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人間はインチキ。それを気にするな。なら長生きできると。
この人は自分の未婚・子無しを特別な事のようにいつも強調する。それが劣等感なのかな?と思う。もうそんな時代じゃないのに。
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篠田さんは103歳でこの自叙伝を書かれた。2016年現在は105歳になられるのか。大変な長寿である。彼女は墨を使った水墨画家で、本書の各章末に白黒の絵がコピーされている。カラーで見ると、墨をメインにアクセントで金が入っていたり、非常にセンスが良いことがわかる。筆をスッと引いた線が特徴的だ。時に四角を描き込まれていたりする。もし展覧会があれば、是非生で拝見したい。彼女の絵からは無限に想像が膨らむなにかが発せられているような気がする。抽象画はそれほど興味のないジャンルであったが、ただの食わず嫌いだったようだ。篠田さんは未婚である。お子さんもいない。43歳から2年の渡米経験をお持ちだ。本書では、両親からしつけられたこと、主に母について書かれている。どうも自由奔放に生きていることが、長生きの秘訣だそう。着物を粋に着こなす、とても素敵な女性である。
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とかく人間は他と同じでありたがる。一人でいることの寂しさから誰かと群れ、その中からはみ出さないようにと自分の考えをしまいこもうとする。私自身もそんな平凡な人間だ。だから彼女の生き方が羨ましい。あと数年で60歳に届こうとしている今感じることは周りの友人が少しずつ離れていこうとしているということ。でも人との協調性に欠けていたかもしれない作家は自分の美術家としての確固たるものを持ち自分を表現することで100歳を超えた今でもいろいろな人が彼女のもとへ集まってくる。彼女には自分というものを持ち続ける強さがあった。年を考えずに生きること、その年齢でなければできないことがあるのだということばに勇気づけられた。
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墨の線による抽象美術家・百歳を超えた篠田桃紅さんの語り下ろし自伝。文学にも造詣の深い桃紅さん。まだ独り身の私からすると、ずっと独身を通しておられる彼女の言葉には勇気付けられた。「自由とは自分にのみ依っていること」という言葉が印象的だった。人は皆、オリジナルで個性的でユニークかつ孤独な存在。本書からはそんなメッセージを受け取った。「運命だからあんな性格なのではない、性格が運命をつくる」という話も感銘を受けた。一度しかない人生はどう転んでもなるようにしかならない。たとえわずかでも心のままに生きたい。