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雨のなまえ。と言うタイトル通り悲しいお話の短編集。最後のお話は少し温かいお話でよかった。他のお話は悲しいしどろどろしているけれどリアルで本当に起こっていそうな物語だった。続きをもう少し読みたくなった。
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どこにでもいそうな普通の人たちの、でもどこかしら歪んだ感情や欲望を淡々と描き出した短編集。
なぜそこでそんなことをしてしまうのか、そんなことを言ってしまうのか。
自分でもわからないけれどそうしてしまうことってあるよな、と思った。
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終始恐ろしかった。
登場人物がグロテスク。
あまりにも他人に期待しながら生きていて、もはや恐怖を感じる。
世の中のみなさんはこんな感情を携えて生きているのか?
しかしこんな気持ちにさせるほどの描写力がある作者のチカラは凄い。この本を読み返すことはないだろうけど他の作品も読んでみたくなった。
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まるで誰かの実体験を読んでいるかのような生々しさと人間の欲が表れている作品ばかりでした。
外野から見ると、その判断はどうなの?と簡単に言えてしまう一方で、仮に自分が当事者だったら…と考えさせられる描写がすごいなと。
因果応報だと言うほど行いが悪いわけでもない主人公たちに待っている結末が救いようのないもので、こちらまで苦しくなってくる。現実から目を背け、何かに依存するといい結末は迎えられないのかなぁ。
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2022.12.07読了。
2022年、105冊目。
最近直木賞を受賞した窪美澄さんの短編集。
2013年の出版なので、東日本大震災と思われる記述もあります。
満足度4.0/5。
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書店に平積みされていて帯も作者も見ずに手に取った。完全にタイトル買い。なんといっても雨が好きで雨とタイトルにつ本はとりあえず手に取るし曲も聴いてみる。
雨が好きだという認識を持ったきっかけになった本が、「雨の名前」という写真集だった。
この短編集のなかにその本が出てきたのは創作だろうか、それとも作者もひょっとしてその写真集を見たのだろうか。
とにかくその本(のタイトル)が出てきた場面ではほくそ笑んでしまった。冒頭のちょっと刺激的な描写に最初は引いたけれど。
窪美澄さんは初めてだけど、そうか、「女による女のためのR-18文学賞」受賞作家なのか。ちょっと納得。
きっとワタシと同世代の女性に違いない、だって「記録的短時間大雨情報」のスーパーでパートで働く主婦の、若い男の子寄せる思いや「あたたかい雨の降水過程」でのママ友との会話などリアルすぎる。ときおり切ない、というか、こころに刺さる、というか、自分のことを責められているようで目をそむけたくなる、というような感情に襲われる。文庫本の裏表紙にあった「心を穿つ短編集」。「穿つ」ってなんとなく意味もわからず使っていたような気がして改めて辞書をひいてみたら、「人情の機微に巧みに触れる、物事の本質をうまく的確に言い表す」とあった。ああ、それだ、そのとおりだ。
短編集は久しぶりに読んだ気がするけれど、とても、よかった。
ただ、「ゆきひら」はつらかった。いじめや虐待の描写はただただ胸が苦しい。
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すっきりとしない梅雨空のような、曖昧でそして生々しい心情描写がリアルで鋭かったです。
それぞれに雨が登場する5つの短編。震災に触れる章もある。
突拍子もないというわけでなく、自分に沸き上がったかもしれない感情、身近に起きてるかもしれない、という分かる気がする物語。結末というより、いつの間にか心情を解釈して入り込んでいたというか。決して明るくない話、出口が見えない現実だけれど、目を反らさず、やっぱり幸せを求めようとしている姿に救いをみたようでした。
逃げたい思い、もっとすっきりしないものか、人間臭さとか、人の純粋な感情から、著者の気迫が伝わりました。一編一編がずしりとくる。個人的には窪美澄さん、短編好き(連作が多い中、こういうの)です。ラストの章、主人公の気持ちが読み込めず二度読みしました。
それぞれラストの一文にぐっとくる。雨の音とともに、静かに感情を揺さぶられた一冊でした。
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表題作と、「あたたかい雨の降水過程」はとても好きでした。
他の収録作は、人間の狂気を感じて、窪美澄さんってこういうのも描くんだという感想。
窪美澄さんの描く人間のどうしようもなさ、どうにもならなさが好きなので、それとは少し違う感じ。これはこれで好きではあるものの、いつも最後にある一握りの希望みたいなものが見つけられなかった。
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何の気なしに読み始めたが、ものすごくおもしろくて2日で一気読み。
どの短編も雨がキーワードで出てくる。
全てがハッピーエンドで終わらないところとか、アッと言わされるような物語の展開がおもしろかった。
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ホテルカイザリンと同時並行しちゃったから印象が混じってるけど、じんわり全員不幸。
日常感はあるんだけど紙一重でとてつもない不幸のすぐ側にいることを思い知らされるような小説だった。