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【期間限定価格】アメリカの夜 みんなのレビュー

    一般書 第37回群像新人文学賞 受賞作品

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    みんなのレビュー58件

    みんなの評価3.7

    評価内訳

    56 件中 1 件~ 15 件を表示

    紙の本

    コーネリアスふうな世界。

    2005/02/23 08:10

    1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:Straight No Chaser - この投稿者のレビュー一覧を見る

    「もっともっと存在を消さないと、誰かが火をつけてくるだろう」

    辻仁成の『ピアニシモ』(1989)を評して青野聰は、「主体の獲得」を描くという「ありふれた主題」を扱って「現代を掴みとろう」と奮闘したことに「拍手」を送っている。ヒカルという別人格を作り出すことでバランスを保つ氏家透、「いじめられるのが嫌で、鍵かけて、いちぬけた」、ジンセーの歌そのままのフレーズさえ散りばめられたその小説には、こんな一節がある。

    >

    光と影、昼と夜、表と裏、現実と夢、そんな二項対立を並べながら、「平等」を唱える「太陽」の反対側で「申し訳なさそうに舌を出」す「影」を愛するジンセーはあざとくも(無意識的に、ではなかろう)「透」の“影”の人格を「ヒカル」と名付けている。

    『アメリカの夜』(1994)の場合、シゲカズと中山唯生はサンチョ・パンサとドン・キホーテ(アロンソ・キハーノ)として、「透」と「ヒカル」の関係を逆さ吊りにしたような二人組として、闇の到来をごまかしつづける「小春日和的なもの」を内破させようと試みる。

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    さまざまな引用から織り成される『アメリカの夜』、その結論的な(堂々巡り的な)場所において『神聖喜劇』(大西巨人)の引用がなされ、そこにソシュール言語学的な理論=体系(言語記号の恣意的性質に発するシステム)の苦楽が重ねられる。

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    ジンセーは「ヒカル」の死を描き、カズシゲは「唯生」を「キャメラをもって旅立」たせる。

    『ピアニシモ』的世界を幾重にも深く折り曲げたとき、その軋み音のなか『アメリカの夜』の「彼=私」は「見る-見られる」関係から暴力的に身を引き離すこととして「撮るひと」/「書くひと」への回生を成し遂げる。

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    紙の本

    アメリカの夜

    2022/03/04 17:25

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る

    ブルース・リー、セルバンテス、大江健三郎、安岡章太郎、ゴダール、大西巨人など様々なテクストが引用され、それらの興味深い解釈が展開されつつ、物語の本筋も面白い。

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    紙の本

    阿部和重ワールドへの、最初の扉

    2005/02/16 22:14

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:ツキ カオリ - この投稿者のレビュー一覧を見る

     この本を最初に読んだのは何時のことだったか。

     手元の資料によると、ハードカバーが最初に出たのは、1994年の7月ということになっているから、その直後なのだろう。だとすると既に、軽く10年が経過していることになる。

     冒頭に、ブルース=リーの武道(武闘・武術)論が書かれていて、とにかくすごい本だった、という記憶だけが鮮烈に残っている。

     その印象は間違っていなかった。

     ブルース=リーが武道に関する、本にも成り得るような膨大な資料を遺していた、というだけでも十分に驚いてしまう事実だ。
     彼に関しては、『ドラゴンへの道』『グリーン・ホーネット』等、寡作に出演した後、急逝したというくらいの覚えしかない。
     上半身裸で黒いパンツ(武術着?)を身に着け、奇声を発して、ヌンチャクを振り回している姿には、今でも時折、お目にかかるが、ハリウッドに、「香港映画出身のアクション・スター」という地位を確立したのは、間違いなく、草分け的存在の、彼である。
     肉体派という印象が強烈だった彼だが、自身の武道に関する豊富なメモやイラストを保存しておくくらい、実際には、繊細、かつ、インテリな人だったのだ、ということを教えてくれたのは、何しろ、この『アメリカの夜』である。

     タイトルの『アメリカの夜』は、トリュフォーの映画に由来するのは、あまりにも有名だが、この書評を書くために、久々に見ることになったDVDの映像では、懐かしい、エメラルド・グリーンの、近視かと思わせるような瞳(?)で、ジャクリーン=ビセットが微笑んでいた。

     他にも、この1册を読むだけで、例えば、ソシュール、大江健三郎、『ドン・キホーテ』など、様々な世界へと繋っていくのだ。

     本書は、まさに「扉」の役割を果たしている。

     「私」が語る、中山唯生の哀しい話、をぜひ読んでみてほしい。哀しい話、は意外にも、笑える話、なのかもしれないからだ。

     この本こそが、阿部和重ワールドへの、入り口である。
     いきなり芥川賞受賞作、ではなく、ぜひ、この本から読んでみてほしい。

     ここから、『シンセミア』『グランド・フィナーレ』へと、阿部和重ワールドは、連なっていく。

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    2005/11/21 13:14

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    2006/01/23 18:56

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    2006/12/09 03:00

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    2007/05/02 06:37

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    2007/05/07 18:17

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    2007/06/26 03:34

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    2007/08/01 01:33

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    2007/10/05 02:00

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    2007/11/09 00:18

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    2008/01/08 06:49

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    2008/04/27 04:40

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    2008/11/05 00:37

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