紙の本
調子が悪くても、やっぱり高野秀行は高野秀行!
2024/02/07 11:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
旅のスタートから「ウツで……引きこもりで……」と弱音を吐く著者を見て「おいおい、今まで読んだのとエラく雰囲気が違うな。大丈夫か」と(20年以上前の著書だと知りつつも)心配したが、やはり高野秀行である。自分に発破をかける方法も滅茶苦茶だ。
西南シルクロードを辿る旅は、著者も言及している通り著者自身がシルクロードで運ばれた交易品のようだ。道はジャングルに消えていて、頼れるのは現地の方々、それもその土地土地で暮らす方々のリレーでしか踏破は難しい。古代の西南シルクロードも似たようなものだったのではないか? 過去と現在がリンクする感覚は錯覚にすぎないのかもしれないが、著者の書く話の醍醐味はその錯覚かもしれない推察を真実みを帯びさせる詳細な実体験にある(と、考えている)。
学者が解き明かす知の冒険とはまた違った好奇心を満たせる唯一無二の作家なので、今後も著作を追っていきたいと思った。
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「メモリークェスト」が何故だか乗り切らなかったのだけど、これは期待。やっぱ密林とか出てこないと?。でも屋台村は違ったな。
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やっぱりちゃんと探検してる本はおもしろい!高野さんはやっぱりここまでやってくれないと!むしろやりすぎ!
話ができすぎてて嘘っぽいけど、嘘っぽすぎてきっと本当なんだろうな、と妙な納得の仕方になる。恐ろしく大変な道のりなのが伝わってくるのに、でもこんなに笑えるのは、高野さんすごいよやっぱり。
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中国四川省の成都を出発し、ビルマ北部を通って、最後にはインドへ──幻の西南シルクロードに挑む著者の前には、圧倒的なジャングルと反政府少数民族ゲリラの支配する世界屈指の秘境がたちふさがっていた。混迷と困難を極める旅なのに、これほど笑えるのはなぜか。究極のエンタメ・ノンフィクションついに登場。
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中国は四川省成都を出発し、雲南を経てミャンマーへ密入国。現地ゲリラの協力を得て道なきジャングルを突き進みインドへ抜ける。
西南シルクロードは諸説あってはっきりとしたルートが無いらしい。密林に消えた幻の通商路を現地人の連携に頼って新たに開拓する旅。高野秀行はさながら商品のように運搬される。遠い昔、同じように人と人とが連携しあって通商がなされたことをまさに履行しているのが本書である。
高野が好き好んでやっているようにも思える密入国シーンはすごい。これが笑えるからまたすごい。前に進むためにはリスクを犯すことを厭わず「もうおしまい」を幾度も乗り越えてしまう。運を見方につけてしまう高野はすごいけど、やっぱり高野自身のコミュニケーション力と作家魂に尽きる。この人は今の日本に稀少な超人作家である。保護する必要がある。
高野秀行の冒険記は緻密な資料調査を下地にしながらイデオロギーや余計な色眼鏡で濁ることがない。ゲリラ軍、現地人とのストレートな人間的繋がりが生き生きと描かれているところが気持ちいい。未開の地などもう存在しない現代においてもこの人の旅が前人未到ということには違いない。ハラハラドキドキしっぱなしの本。日本からわざわざ送ってもらって正解だった。
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旅行中の暇つぶしに持っていったが、フライト時間を忘れるくらいに読みふけった。西南シルクロードをたどる高野さん。各種のゲリラに知り合ったり守られたり引き渡されたり、各種の役人に詰め寄られたり危ない橋をわたりすぎて面白い。ほんと面白い。ゾウは乗り心地が良くない、ということをこの本でしった。冒険もさることながら、人間描写もすごい。
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まっじ最高!!
やはり高野氏はただものではない。
ありえないくらいウマく事態は転がり、まるでフィクションではないか?と思えるのだが、考えてもみてくれ。
こんぐらいウマクいかないと、彼今頃死んでるよ!逆に。
阿呆なほどの行動力。でもまるでダメ人間だった日本の生活。
そのギャップをサラリと吐露してる高野氏が大好きだ。
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高野さんと関わった方々の様子が生き生きと描かれている。インドへのビザなし入国で、最後までどうなるのか、心配しながら読んでいました。
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<中国・成都からビルマ北部~インド・カルカッタまでの古代通商路。それは謎にみちた最古のシルクロードと言われている。戦後、世界で初めて、この地を陸路で踏破した日本人ノンフィクションライターが見たものは?
ジャングルの自然、少数民族、ゲリラたちと織りなす、スリルとユーモアにあふれる奇想天外な辺境旅日記。「とんでもないことになった……」ロマンあふれるはずの旅は予期せぬできごとに次々と遭遇し、脱線し、迷走を深めていった。混迷と困難を極める旅なのに、これほど笑えるのはなぜか。究極のエンタメ・ノンフィクションついに登場。 >いや〜!超久しぶりに高野秀行!!ハラハラドキドキジャングル歩き!気分はすっかり冒険家になりきって読んでしまうから楽しいんだなこれが!「ラノベでしょ〜」みたいなノリで勝手にこの本開いた美人が水牛の頭骨写真見てひいてた(笑)オタクなめんなっ!
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西南シルクロード - 中国の四川省成都~インドのカルカッタ - を可能な限り徒歩で移動する旅行記。
ドラッグや祈祷師など、辺境には面白くて死ぬほど危険な場所がまだまだたくさんあるんですな。
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中国ービルマーインドと陸路を旅するのだが、すごい、すごすぎる。最初の頃は、小さな嘘は嘘でしかないが、大きなホラは現実を動かすのかと感心。読み進める内にジャングル踏破する間は、今日一日生きてればラッキーとの状況によってハラハラし、最後には大どんでん返しにビックリ。先日読んだ南極探検エンデュランス号の生還に匹敵する困難さ。面白かった!
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西南シルクロードとは中国の成都からミャンマーを通りインドへ抜ける道のこと。今もそのルートは諸説ありはっきりしていないらしい。
途中、検問にひっかかったり病気になったり、その都度ゲリラの助けを得てどこまでも続く密林を抜けて最終目的地であるインドへ到達する。本当にこんな事あったのかなと疑ってしまう位、日本では「ありえない」事が発生する。
ミャンマーと言えば民主化運動の指導者アウンサン・スーチー女史が有名だが、日本にはその情報しか一般には入らない。実はミャンマーという国は少数民族のゲリラが存在している事をこの著書で知った。著者が旅した時は戦闘もなく、平和そうに見えたが「エピローグ」を読んで「今も続いている戦い」であり、民族間・利権・主義・主張が複雑に絡み合い全ては平行線を辿っているように感じた
。
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高野秀行最高傑作かも。とにかくすごい、本も面白いけれど、登場人物も個性豊か、冒険行自体も本当にそこまでやるかというもの。行ってみたいけれど、自分じゃ無理だろうなあと思う。今度は「アヘン王国」に挑戦だ!
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早稲田探検部出身の著者の10年前の著作。中国からビルマを経てカルカッタまで陸路で旅する記録。タイトルどおり、千年以上昔の交易ルートを検証するために、反政府ゲリラの助けも借りながら、密林の中を踏破する。中国国内は物見遊山的な旅をしているが、ビルマ(カチャン軍の勢力圏内)、インド(ナガランド)での道中はかなり面白い。他の著作でも同様だが、高野氏は、旅先で知り合う人々とのコミュニケーションを通じて、その地域・民族のおかれた歴史・政治を理解し、記述する能力が卓越している。面白かった。
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東南アジアといえばタイとかベトナムとか、あったかくてご飯おいしくて開放的!なイメージが先行しがちだが、その中にあって渡航者も少なくなにがあるのかわからない謎な国、なイメージしかないミャンマーの、さらに誰も知らない少数民族の、さらに誰も行かない山奥の本。
現在この著者の他の本を読みあさっています。