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ブラウンさんのレビュー一覧

投稿者:ブラウン

150 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本レーエンデ国物語 1

2023/09/13 08:59

架空の歴史読み物

10人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

登場人物やファンタジー要素で魅せる類の物語は期待しない方が良い。タイトルがレーエンデ国物語とあるように、この作品の主役はレーエンデと呼ばれる土地そのもの、そこで何代にも渡って積み重ねられた歴史そのものだからだ。冒頭や終章ではちゃんとその点がほのめかされているものの、多分「人の話を聞いて伝えたいことを聞かない」類の人にはわかりづらいかもしれない。特に、第一巻時点での人物評価と、全てのことが終わった後の歴史の総決算としての人物評価を混同してしまう人には「何だこれ」と思わせかねないし、実際、レビューにもそういう人たちの意見が散見される。何なら読者は銀呪病視点か泡虫視点でこれを読んでいると思った方が良い。
登場人物は揃って欠点を備えている。無力で、暗愚で、病に侵され、満月の夜を恐れ、神話に縋り、支配に酔う。一つ一つは小さな人の弱さだが、これらがレーエンデの地で混合し、巨大な動乱へと発展していく。その前兆、そこはかとなく日常に漂う不安を払拭するように振舞う人々の生活はある種のリアリティを持っており、その生々しさを正面から描きながら、このライトな読み口を維持している作者の手腕は見事と言える。
これから時代を隔てて生まれ没する人々が、いかに自らの生きた痕跡を残し、それがレーエンデにどのような影響を残していったか? 歴史の分水嶺を主眼にしながらどっぷりと読書したいシリーズだ。



ここからはレビューの内で気になった点をいくつか。

・ユリアがモテる様子を書きたいだけ?
 一番モテてるのは父親。ユリアは父親の縁故バフで良スタートを切って、身分に奢らず庶民生活に寄り添ったので良好な人間関係を築けた感じ。

・言うほどレーエンデ、呪われてなくない?
 現実で例えると、定期的に毒ガスが自然発生する地域に定住民がいるようなもの。自分の家がそこにあると想像して欲しい。どう考えても呪われている。

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紙の本

紙の本母という呪縛 娘という牢獄

2023/09/28 18:38

最後までメンタルが削られて、やっと救いの手が見えても遅い

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

プレッシャーの度合いは違っても、プレッシャーの向かうベクトルが同じ家庭環境に身を置く人は多いと思う。生活を豊かにするはずの学問が、いつの間にか安泰のための必須知識へと論点がすり替わっているような、無意識下を侵食する社会の要請。一般的にその要請に従えば確かに幸福を得られるのだろうけど、娘を持つ母親のメンタリティの全てがその要請を満たすことに向けられるとどうなるか。娘視点で惨劇に至るまでのロードマップが描かれているのが本書だ。
厚顔無恥を承知で述べるなら、彼女に共感する点が多々あった。望まぬ習い事や勉強。子供のパーソナリティや志望を無視した強硬なエリート主義。彼女の母は、何故ほどほどを許せなかったのか。もう尋ねることはできない。
娘が罪を認めるまでに得られたコミュニケーションが唯一の救いで、本文はほぼ地獄の様相を占めている。通読の際は心の丈夫なタイミングを選ぶべきだろう。壮絶なルポルタージュの中には、きっと我々にも救いを与えてくれるような、一粒の輝きがあるはずだ。

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紙の本

紙の本方形の円 偽説:都市生成論

2023/10/22 22:33

たった4~6ページで綴る、都市を巡る短編集

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

一編がごく少ページなのにもかかわらず、濃密な想像力に溢れている短編が30編以上もあるなんて正気か……? 難解でありながらコンパクトにまとまっているのでスラスラと読めてしまったことに、何やら狐につままれた心地になっている。

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紙の本

紙の本息吹

2023/10/05 21:19

設定の嵐

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

科学的設定の妙に尽きる。発展も、デフォルメも、衰退も、信仰との融合も自由自在。設定を肉付けする物語はどれも一抹の寂寥を感じさせながら、人への愛に満ちている。間違え、衰え、信じたものに裏切られながら生きていく人々の姿が印象的な短編集だ。

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紙の本

紙の本老神介護

2024/03/22 10:08

ワンアイデアへの肉付けが超マッチョ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

豊かな設定のSF5編がこのページに納まっていることが衝撃。
それぞれ内容は寓意的だったり、現実を映す鏡のようであったり、つまりは普遍的な感情を描いている訳で、よく考えれば展開自体はどこかで見覚えがあるのに、よく考えなければ既視感を見落としてしまうほど、独創的なワンアイデアで著者独特の世界観に昇華されている。
そのワンアイデアに説得力を持たせる描写が超科学マッチョ。圧倒的な情報量で「ひょとしたら、いつかこんなことがあるかもしれない」と思わせられるのは並大抵の筆力では成せないことだ。
特に最後に収録されている地球大砲は科学史愛とでも言おうか、転んでもただでは起きない人間のしぶとさを一編に凝縮されているようで、敬愛に似た何とも言えない気持ちで読書を〆た。余韻まで良い。すごい本だった。

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紙の本

紙の本煌夜祭

2024/02/06 08:38

挫けそうなときに「それでも」と立ち上がる、小さな勇気をくれる

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

猛毒キノコ、役立たず、誰かの犠牲なしには成し遂げられず、だけれど、大事な人を救えなかった、何も変えられない自分だけが残った……。どん底は人の数だけある。そんな時に前を向くのは難しいかもしれない。どうせ暗いだけの景色だと思えば猶更だ。
この物語は、そんな気持ちの時にそっと助けてくれるような、優しい結末が待っている。

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紙の本

紙の本堕天使拷問刑

2024/01/07 00:47

とんでもねえ本が復刊された!

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

因習村ミステリーが思春期特有の、それもかなり尖った飛躍も厭わない想像力豊かな視点で描かれている。不安定な年頃のフィルターを通して目の当たりにするこの舞台なら、本当に悪魔や堕天使みたいなのがいるんじゃあるまいな……と思わせてくる表現力。一旦ホラーに寄り道してからミステリーに着地して、更にラブストーリーをひとつまみ添えるなんて、筆の曲乗り、筆の綱渡りとでも言うべき離れ業がこうもキレイにまとまっているだなんて、通読した今も信じられない。今年一番の読書がこれで本当に良かった。

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紙の本

民族高揚の第三巻

3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

前巻主人公たちの活躍が忘れ去られた時代が今度の舞台。蒸気機関が登場し、人の移動が活発になったことで芸術文化が華やいだレーエンデで、役者と脚本家の兄弟が、隠された歴史を蘇らせる。
もうこれだけで熱い筋書きだ。前巻の結末を知っている読者にとって、テッサたちの活躍と思いが舞台の上で復元され、後の時代に繋がっていく様子を追えるのは最高のご褒美だろう。
残りあと二巻。この土地の行く末が気になって仕方がない。

あと、このシリーズを読むのに「銀呪病視点で読む」態度を推奨したことがあるのだが、これ本当に銀呪病視点で進行しているかもしれない。

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紙の本

全てが上手く行き過ぎた世界でのエヴァ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

僅かにシナリオを違えた旧劇場版の内容から、その後の世界を描くエヴァ。何もかもが上手く行き過ぎたと言われる世界で展開されるのは、かつての第3新東京市を大きく超えてワールドワイド……いや、スペースワイドの巨人活劇である。聖書モチーフを深く掘り下げ、特有の謎理論も盛り沢山、そして何より原案と違った熱いテイストでまとまったストーリー。これに滾らないエヴァファンはいないでしょう!

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紙の本

リコリコ節全開

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ノベライズまさかの第二弾。PRが回って来た時は「前巻のが今になって?」と思ったが、念のためチェックしておいて良かった。広告が無かったら絶対に見落としていただろう。

料理、映画、銃趣味、創作、人情……人生を豊かにする要素に溢れた描写を、明るい女の子が引っ張っていく。もののあはれと言っちゃ高尚すぎるかもしれないが、そういうサラッと流しがちな日常や趣味描写をきちんと描くからこそ、リコリコ世界のハードな一面が活きてくる気がする。

片田舎にリコリスたちが出動するシチュに説得力を持たせる描写には苦心の跡を感じた。確かに彼女たちが出張るには不自然で、いっそマイルドヤンキー風な別動隊を作った方が合う気もするけど、あの制服でアクションして欲しいしなあ……。そんな悩みが聞こえてきそうだった。

が、昨今、作中の整合性を求める声が大きくなっている気がする一方、こういう創作者の偏愛が垣間見れる作品もまた良いもの。今後とも愛すべきリコリコ節で進んでいってほしい。

新作アニメもあるらしい。楽しみだ。

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紙の本

喫茶リコリコの日常と、ほんのちょっとのリコリス

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

アニメが大変面白かったので、思わずノベライズにも手を出してしまった。
原作よりも喫茶店の常連たちにフィーチャーした、本編では描き切れなかった補完的な内容。の、ようでいて、きっちりリコリス決めるところは決めてくれる。そうそう、このデコボコ女子高生の面白おかしさにチャカの天誅を混ぜた味! リコリコロスにこの一冊だ!

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紙の本

紙の本怪談・奇談

2024/04/09 15:26

日本人の魂に刻まれた物語たち

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日本の怪談で避けては通れない小泉八雲。遅ればせながら手に取ったが、新訳とだけあって大変親しみやすい読み味だった。
思うに、ファンタジーは、その発祥の地の願望が託されている。人の身ではどうにもならないしがらみを超えて、人の身ではどうにもならない神秘の力は、ついぞ口にできなかった本音を代弁してくれるように思えてならない。死者の心残り、遺族の願い、あるいは神秘的な存在の生きる姿を通して抱くメッセージは千差万別であろうが、そこには現実に生きる私たちへの警告や訓戒が少なからず含まれている。

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紙の本

紙の本語学の天才まで1億光年

2024/04/01 11:08

辺境取材作家流、ブリコラージュ語学法

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これまで世界の辺境を探検してきた著者が、語学に焦点を絞ってこれまでの体験を振り返る。
ここで紹介されている学習法はコミュニケーションが好きな方なら今からでも実践できる効果的なものではないだろうか。著者の持ち味である小気味よい語りもいかんなく発揮されていて、「語学」に感じるハードルの高さなんてほとんど感じない。シャイな自分でも、こんな生涯学習に臨んでみたいと思ってしまった。
言語学習に関するあれこれの他、他所の文化に持ち込まれた文字の発音がどのように変遷していったか、言語におけるノリの重要性など、実体験からくる興味深い話が盛り沢山。特に終盤で触れている、文明レベルによって生まれる語彙の差に関する考察は秀逸の一言だ。

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紙の本

紙の本流浪地球

2024/03/25 13:56

科学と人間(知性体)の関係性を愛さずにはいられない

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

全6編の短編集。以前、同著者の「円」を読んだことのある方なら「お」と思うような話も収録されている。
全編余さず豊かな知識と想像力で描かれているSFにもかかわらず、時には印象が子供っぽかったり、時には失敗の人類史をなぞっているようだったり、時には巨人型神話をなぞっているようだったり……他にも、これは私の主観だが、寓意的な話や、著者の愛する分野へのエールをこめた話などなど……作家とは、語るに尽くせないものがあればあるほど面白いのだなと思い知った。
著者が語りたいと思った物の内、私の中にはいくつ残っているだろう。

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紙の本

紙の本図解中世の生活

2024/03/06 15:03

中世ヨーロッパ入門

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

以前に読んだ「クリエイターのための階級と暮らし事典 中世ヨーロッパの世界観がよくわかる」と比較して、より広範かつ細かな要素をまとめている。独特の服飾や装備などの固有名詞が豊富で、それを手掛かりに調べていけるのもありがたい。あれこれ両立できない要素が平然と共存しているあたり読み進める内に混乱しそうになるが、そういう良い加減さも中世という時代の一部なのだろう。

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