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  3. ブラウンさんのレビュー一覧

ブラウンさんのレビュー一覧

投稿者:ブラウン

291 件中 1 件~ 15 件を表示

涼宮ハルヒの溜息

2025/06/13 15:23

フィクションが現実を侵食する

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今度のハルヒは映画撮影。行き当たりばったりなストーリーボードはSOS団を振り回すにとどまらず、作中設定が現実にも影響を及ぼして……。
ハルヒの起こした現実改変はたった今変化したものか、あるいは世界のあり様は元から変わらず、ハルヒの思いつきをきっかけに露呈しただけなのか……SOS団が議論するハルヒの力の推測が面白いのもさることながら、そんな小難しいこと抜きにハルヒとの青春を青春たらしめるために奔走するキョンの人間賛歌がまぶしい。

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コンビニ人間

2025/06/11 13:43

じっとり嫌~な気持ちにさせられるのに、サクサク読めてしまう

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自分のダメなところをひたすら指摘されているような気分になってくる。というよりも人の嫌らしい部分に共感しか湧かない。
自分の至らなさに独自の理論をつけて現実逃避することも、世間との折り合いのつかなさから指示待ちになることも、痛いほど知っている。だから私たちは、せめて少しでも生きやすい形に変形して、社会の隙間にちょこんと居させてもらうしかない。一般常識やステップアップだけで生きられる人間ばかりではないことをもっと知っておいてもらいたいという気持ちを、まるで代弁してくれるような小説だ。
主人公の幼少期のエピソードとして、死んだ小鳥を葬る話がある。主人公はその小鳥を食べようと母親に提案するが、どうしてだか受け入れられない。母親や周囲は憐憫の情を与えて、可哀そうな小鳥を埋葬するために花を手向けるが、それこそ花の死骸に他ならなくて……。
このとき、主人公が求めていた答えとは何だったのだろう。自分なりの解釈だが、同じ立場なら「死因が不明な動物の肉を食べると病気に感染する恐れがあるからダメ。というか、みんなでお墓を立てるより保健所を呼ぼうか」と答えて欲しかったかな、と思う。理由があれば納得するし、社会の決まりがあるならわかりやすい。誰それとの取り決めもなく、また誰に断った訳でもなく、漠然と皆が受け入れている当たり前を強要し、自分たちの正気を証明し続けるのはある種健全な人間の姿なのかもしれないが、その漠然とした当たり前の中に説得力ある説明ができる物事はどれだけあるのか。感情論ではなく理路整然とした言葉で説明できる営みはどれだけあるのか。普通を享受している人々ほど、真剣に考えてみて欲しい。

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海賊稼業はつらいよ

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海賊たちの冒険、生活、風習などを当人たちの残した手記・公的記録を元に蘇らせようと試みるノンフィクション。
飢餓と不養生が常、計画的に見えて実は無計画で捕らぬ狸の皮算用が原動力。しょっちゅう行き当たりばったりの連中なのに、ギリギリのところで生き残る知恵と、多少の障壁など鼻で笑い飛ばすレベルのバイタリティで乗り越えてしまう。
そんな彼らの、危険とお宝以外の人間的な側面・生活も垣間見えるのがこの本。冒険ロマンが取り沙汰されがちな彼らの実態を紐解くには打ってつけの一冊だろう。
惜しむらくは、文章全体から客観性に徹する姿勢が浮かんでいるのに対して、今日まで残る記録が主観的なものが多いために、文章の流れがどことなくぎこちないこと。

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汗臭くて青臭い、小規模なタイムトラベル

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タイムトラベルものと言えばバックトゥザフューチャーのように主人公の出自にかかわる時代であったり、あるいはもっと昔の歴史的転換点でチャンバラやらマカロニウエスタンやら大暴れ、あるいは遥か未来をスーパーガジェットでもって八面六臂の活躍を見せるなどなど……どうしても壮大に味付けしたくなる題材なのだが、なるほど四畳半。小規模である。
すったもんだの大騒動を慎ましく繰り広げる「私」たち一行の時間旅行先は昨日と、何とも欲がない。しかし、クーラーのリモコン一つの趨勢に目の色を変えて、歴史が変わるだの自分らが消滅するだの、本気で慌てふためく様子が面白く、またトラブルを振りまく連中に限って自然体に振舞うのだから猶更面白い。

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四畳半神話大系

2025/06/06 10:05

パラレル青春珍白書

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うだつの上がらない主人公「私」。薔薇色のキャンパスライフに淡い憧れを抱き、奇怪なサークル活動の扉を叩くが……。
人間、どんな選択をしても結局、似たり寄ったりの人生を歩むんじゃないか。だから、自分が選んだ今をうだうだ悩みなさんな。と、何とも肩の力が抜けるテーマを、何とも胡乱でのらりくらりとした語りで描く。

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短時間で人となりを見極める術なんてない

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就職活動を軸に、PRの欺瞞、採用の限界という要素を巧みに配置し、人間の多面性を描いた傑作。
採用の最終試験であるグループディスカッションを描く前半、ディスカッションで仕掛けられた罠を巡る真相を追う後半。この構成が秀逸だ。採用を賭けたディスカッションは、ある罠によって思わぬ深刻な様相を示し始める。雰囲気はまさにライトなデスゲームなので、登場人物のプロフィールが一面的でもそれが全てだと納得してしまう。だが、真実はそうではない。採用を勝ち取った一人が、かつてのディスカッションの真相に疑いを抱いたとき、参加者の印象を覆す探求が始まって――。
人の嘘を疑う、ドロドロとした物語かと思っていたが、それこそ一面的な評価だった。これは人の真心を知る紆余曲折と、理解への祈りだ。

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雪が降る

2025/05/30 15:31

哀愁背負う伊達男たち

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六篇の短編集。著者の持ち味であるハードボイルドな男たちの仕草が光る。
【台風】では矜持を損なわれた男たちの影を、表題でもある【雪が降る】では運命の分水嶺を、【銀の塩】ではテロリストのパラソルを知る人に嬉しく、【トマト】はファンタジー、【紅の樹】は任侠、【ダリアの夏】は挫折と夢・再起……。多彩な人間模様が繰り広げられながら、いぶし銀が一貫している。

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テスカトリポカ

2025/05/29 16:14

アステカ神話×麻薬・臓器密売×殺し屋!

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すさまじい情報量・密度でありながら、一陣の風を追うかのように読み進めてしまった。
ブラックマーケットで繰り広げられる抗争、効率を超越した組織関係、そして日常のすぐ傍でひっそりと、しかし大胆に実行されていく犯罪行為……人の底知れない悪意の描き方がいっそ爽快で、たちまちこの舞台設定の虜にさせられた。
特筆すべきは、ストーリーの精神的支柱に据えられたアステカ神話。最もテスカトリポカに殉じていたのは誰だったのか……家族の絆、流儀、庇護欲、超巨大なビジネスに揉まれて純粋さを失った信仰の行く末と、ほんのわずかながら純真な善意が残した結末とは。
膨大なインテリジェンスとバイオレンスにまみれながら重くはなく、だが重厚。一方で素朴さも併せ持ったストーリー。このバランスは一つの奇跡でさえあると思う。

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ポップでキュート

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書店で目を引くポップ&キュートな表紙に、キャッチーなタイトル。一度目にすれば、問答無用で記憶に残る書影だった。自分向きではないと決めてかかっていたが、あらすじによると、何と吸血鬼が登場するという。

ティーン向けの青春小説の様相から、吸血鬼という超マイノリティを取り巻く事情、過去吸血鬼が直面した困難など、中々に生々しいヘビーな展開。ただならない雰囲気を追う内に、あれよあれよとページを繰っていた。

吸血鬼が人並みに生活できるように先人たち(存命)が払った多大な努力と、その仕組みの煩雑さに流される子ども。主人公の現在を取り巻く社会の土台には、酷く理不尽な未解決問題を孕んでいる。こう書くとちょっと重すぎるかもしれないが、吸血鬼×JK×友情の底力たるや、危なっかしくも眩しい全能感があって、作品全体にただ沈鬱なだけではない瑞々しさが一本通っていた。

ちょっとした無茶や奇跡も青春の特権。夢のある作品だ。

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カラフル

2025/05/21 13:45

魂のホームステイ

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単行本の発刊が1997年、これほどもっと早く読んでおきたかったと思った本はない。

自分の青春が灰色なのは何故だったのか。今となっては問いかけるばかりで答えが返らない難問だが、灰色から脱け出して、カラフルな青春に一歩踏み出すためのヒントが、この物語に散りばめられている。
自分の傷、他人の傷。上手く生きているように見える人でも、呑気に生きているように見える人でも、その裏には苦しみがある。当たり前のことに気づかず「こいつはこうだ」と決めつけるのは、いつだってこうあれかしと決めつけた自分自身のキャラクターだ。
自縄自縛に陥るのは仕方がない。だが、時には自分事を他人事にしてしまって、思い切り羽根を伸ばしてみると、世界の見え方が変わるかもしれない。そんな勇気が今の私に残っているとは思えないが、すこし、憧れてしまう。
私を他人の立場から操縦するなら、どうするのが面白いか。そこから考えてみたい。

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吸血鬼

2025/05/20 15:07

因習に乗って人心を掴む話

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オーストリア帝国支配下のポーランド、その僻村ジェキ。食うや食わずの陰鬱な村に、役人ゲスラーが赴任する。それを境に村人たちの変死が続き、ゲスラーは土着の儀式に臨むが……。
詩人の領主や、土着の迷信を断つ首斬り人の余所者など、胡乱な登場人物たち、そしてどぎつい訛りが、閉鎖的なジェキ村の暗さを醸し、独特な臨場感が漂う一作。

吸血鬼が比喩的なのは良いが、だとすればおどろおどろしさが過剰なようにも感じる。
「結局、アレは何だったの?」という点が二か所。死体に死斑が出なかったことと、ゲスラーの体験した幻覚?の描写。これらの要素があればこそ、また迷信と現実が曖昧な時代背景かつ人々の学習格差が広い中でどう折り合いをつけるか模索する展開があればこその結末とも言えるので、必要な描写だったとは理解できるが、いかんせんその原因や正体が明かされないまま終わる。冗長さの際を綱渡りする構成で、モヤモヤを残してくる。

独特の癖がある文章は人を選ぶと思われる。地の文とセリフの境界が曖昧、かつ全体を通して淡泊な描写が、人物の心身の動きを繋げにくくさせている……読むのに疲れてしまった。

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膨大な参考文献が支えるリアリティ

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ナチスに故郷を滅ぼされた少女セラフィマ。絶望の末に死を望んだ彼女の前に現れた元狙撃手イリーナ。イリーナはセラフィマの心に残された思い出を壊すことで怨念を燃え立たせ、少女に狙撃手となる道を示す。最後はイリーナ自身を撃たせる覚悟で――。

第二次大戦時のソ連・ナチドイツ間の戦争を、一人の少女の視点で描く今作は、何と言っても圧倒的な参考文献量に裏打ちされたリアリティだろう。

狙撃にかかる物理学・理論・技量・狙撃手それぞれが持つ着弾までの物語……詳細な戦況の推移と共に見える景色は緊張感が伴いながら、ふと垣間見える戦時下の日常に心が痛くなる。

戦時下でも特に女性への被害をフェミニズム的な視点から追うのは少し時代設定と合わない気がしたが、とんでもない。「戦争は女の顔をしていない」に記されているように、この物語は当時の女性たちの声を少なからず反映させていたのだと知ると、自分の不見識を恥じ入った。

それを差し引いても、エピローグに着地する人間関係の変化は、ある意味期待していたものであっても、若干唐突に思えもする。が、戦争が女の顔をしていなかったように、戦後の彼女たちの顔が素顔なのだろうと思うと、何とも切ない余韻が後を引いた。

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三体0 球状閃電

2025/05/09 15:07

本編の前日談

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異星人との「象徴としてのコンタクト」から始まり、宇宙の終焉までを描いた壮大なSF小説、三体。その中で触れられた球電兵器の開発秘話に当たる物語が展開する。

幼少期の鮮烈な体験から、焦がれる思いを抱き続ける。その焦がれを追い求めるために人生を捧げられるなら最高だ。だが、その体験は、その生き様は、決して甘くはない。球電で両親を失った男と、兵器にとり憑かれた女。両者の対比が人類の進歩と挫折、失敗の縮図のようだ。

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氷菓

2025/05/02 15:24

エブリデイ・ミステリー的な

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古典部の文集「氷菓」に秘められたメッセージに迫る。高校が舞台のライトなミステリー。

ミステリーの質に唸るよりも、キャラ同士の掛け合いや感情を追う青春物としての性格が強いように感じた。突き止めたとて何になると言いたくなるささやかな謎の真相を、状況証拠から推理して、本当にささやかな謎なので答え合わせまではするまでもない。高校生の等身に合わせた謎解きと、謎がささやかであるからこそ映える、ごく小さな悲鳴……。

こんなミステリーもあるんだな、と何とも言えない余韻に浸っている。

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60歳の老剣客、実は凄腕

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おじさんおばさんが実は実力者……的な物語は一種の定番で、あるところで代名詞として挙がった作品がこちらだった。
読んでみると確かに。60にもなる老剣客が、若い娘を捕まえていちゃこらし、うまい飯を食い、小耳に挟んだ悪事やら昔の伝手に頼って来た相談を、腕っぷしで解決する。これが小細工抜きの淡々とした江戸の町並み描写の中で、地に足着いたキャラクターの動きで描かれているのがまた潔い。
背景が厚いからこそ描写がシンプルなのだろうか。読んでいる、というよりかは読まされている感がある。地名と人名と家系・因縁で説明する相関図は、濃密に見せかけて実は読み飛ばしても全然成立するくらい軽妙。剣術らしさを見せるなら構えの名前と剣の動きがあれば充分という気風で、チャッとしてズバッてやれば敵役が倒れる。時代や技術はもはや空気として当然のように世界観に居座っている。
それを表現する腕はまさに職人芸だが、少々物足りない。
独立した短編が薄っすらと繋がっている形式は好きなのだが、その繋がりが弱い。展開もあくまで「よそのトラブルが舞いこんで見過ごせない」が動機だからか、いまいち親身な気持ちで読書が続けにくいのも難点か。言うだけ野暮、江戸の人情と思えばこれも味で、多忙かつ疲弊した現代人にはこのくらいの雰囲気が上等な癒しなのかもしれないが、疲れ果てるまで没入したくなる読書感は得られない。
つまりは、自分向きではなかったということ。

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