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長年京都を舞台に作品をつくってきた森見氏の日本全土を贅沢に使った最新作。
とても練り込まれていて素晴らしい出来。集大成といって恥はない。
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ホラー?ファンタジー?ミステリー?
続きが気になってやめどころが難しい。
秋の夜長にお薦め。
ミステリーを期待して読むと、
結末は賛否が別れそう。
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森見登美彦の作品は「四畳半~」や「夜は短し~」などのイメージだったので、この本の雰囲気が新鮮だった。最後まで読んでもすべてに明確な説明があるわけではなく、不気味さが残った。ただ読書ならではの不思議な想像の世界を味わえて読後感はよかった。
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森見さんの書く物語の主人公はある一人の相手をひたすら想い続けていることが多い。大学の後輩、元彼女、歯医者のお姉さんなどなど。その流れで「夜行」を読むと、主人公は画家、そして相手は妻(?)になる。「夜は短し」「有頂天家族」「太陽の塔」のように恋する本人が自らの行動や思考を表面上は面白おかしく語っていた物語も、他者の視点から打ち直せばこの「夜行」のように切なく不気味な物語になってしまうのだろうか。まあ、言い換えれば「夜行」も画家視点から打ち直せばめちゃくちゃ面白おかしい物語になってるのかもしれない。どちらに転んでも変わらないのはある特定のひとりを想い求め続けているところなので、私は森見さんのどの作品を読んでも泣きそうになってしまうのです。
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初・森見登美彦。
彼女はまだ、夜の中にいる。果たして本当に夜の中にいたのは・・・?
とても不思議な雰囲気の作品だと思った。一回読んで、「ん?」となって、もう一回読みたくなる。
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直木賞候補おめでとうございます。
ホラーという話は聞いていたものの、ちょっと不思議な物語って感じだろうと思っていたら、とある章がガッツリ怖くて、「なに普通に語ってるの!?通報されるよ!?」と思ってしまったりもした。
一番印象に残ったのは、女子校生と坊主と電車に乗る章。
死相の話にはドキドキさせられたし、最後のどんでん返しも驚きだった。
読むのに時間がかかってしまったため、読み取れていない部分も多い。
特設ページに「夜行を読み解くための10の疑問」ができたので、これと照らし合わせて、また読む機会を持ちたい。
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10年前に起こった鞍馬の火祭で事件から、再び鞍馬に集まる男女。10年の間にそれぞれが各地で体験した不思議な出来事には岸田道生の銅版画という共通点があった。
著者の怪奇モノというと「きつねのはなし」だが、個人的には本作よりもそっちのほうが好きだなぁ。
物語全体の結末よりも、各章の終わり方が、えっ?ここで終わり?という感じで、それに続く出来事は非常に読み手の想像にゆだねている形。もう奥飛騨なんかは、この後どうやって戻ってきたのよって感じです。全体を読み終えても悶々としたものが残り、読み返したとしても答えはでないのだろうなぁ。自分なりに納得できる続きの物語を作り上げるまで何度も読ませる作品。
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紀行ファンタジーホラーとでも呼べば良いだろうか、寡作の著者だが更に珍しいテイストの作品。
銅版画家の連作をモチーフにしているがこの小説こそが連作のようで、繋がっているようでそれぞれに独立した趣深い中篇が綴られてひとつの物語になっていく。
正直、各中篇は腑に落ちないところもあるし、それはワシの苦手とするところだが、人は得体の知れないものに恐怖する、ということを根っこに据えてみると、なるほどこの苦みのような各結末が畏れとなって心に暗く染み渡る。
いつ落ちるか知れない日常の落とし穴こそが、最も恐ろしいのかもしれない。
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淡々と話は続いてく。不可解なんだけど淡々と当たり前のように。「そこで話してるのは君なんだよね?」君は。。
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途中、怖くて怖くて、
読んだ後に夜の公園歩きながら泣きそうになった。
娘のお迎えに行ったのだけれどね、
バスから彼女が降りて来なかったらぁとか
私だけ、置き去りにされたらぁとか
もうほんとに怖いんだから。
阿呆な大学生の話のほうかと思ったのだけれど、
ちがったよぉ
でも、これはこれで大好き!モリミー!!
ゆっくり、頭整理しながら読まないと
一気読みする時間がない私はしばしば戻りつつなんだけど。
「怖いよ、怖いよ」って思って終わるのかと思ったら
最後は「怖くないよぉ、こっちおいでぇ」って引っ張り込まれた。
でも、引っ張り込まれたほうが幸せだった。
上手いなぁ。
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久々の新刊!!
そして 本屋大賞候補というところで ワクワクしながら読んだ。
ある英会話サークルだった5人が久しぶりに集まり 昔出逢った絵画に5人全員がなにかしら共通点を持っていた。
それにより サークル時代に失踪した女性の手がかりを見つけようとする話。
ラストがどういうことなのか分からなくって また時間が経って読むと分かるかもしれない。
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少しホラーテイスト。いつもの大学生ものとは少し異なる内容であった。最後にはなるほどともおえる終わり方であった
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氏の、「有頂天家族」や、「聖なる怠け者の冒険」とは趣きの大分異なる、SFのような連作短編集。読み進めていく毎にぞっとした。最後に光があるようで、でも理解が及ばずもどかしい。
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森見先生の新作。待ちに待っていた。「10年前に突如失踪した女性を巡って久々に再会した5人の周りに起こったふしぎな出来事」というイメージで読んでいる。
夜行列車のように日本各地で起こったエピソードを追っていくのが楽しい。
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★2016年11月14日読了『夜行』森見登美彦著 評価A
これまでの京都を舞台にしたドタバタ青春小説からようやく一歩踏み出した森見氏の意欲作と呼んでよいのではないでしょうか? 通常の作家であれば、評価はB+かもしれませんが、森見ファンとしては、スランプ脱出を祝い、Aを付けたいと思いました。
(題名の夜行とは、百鬼夜行の夜行であり、夜行列車の夜行でもあります。)
作者名を恒川光太郎としても違和感なく読めてしまうほど、ホラー小説の雰囲気、ちょっと暗いおどろおどろしさと正体不明の登場人物、小説の前提をくるり、くるりとひっくり返す設定はこれまでの森見作品にはなかった傾向かと思います。評価はおそらく二分されると予想します。
しかし、ここ数年、大スランプに陥って、作品が全く成長していなかった彼にしては、頑張った作品だと私は評価したいと思います。あらすじは野暮になるので、書きません。私は面白いと感じました。
短編連作5編から成ります。
1.尾道
2.奥飛騨
3.津軽
4.天竜峡
5.鞍馬