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先進国があるから後進国があるのではなく、「後進国が先進国をつくる」点が楽しい。(…)真似する人がいることが鍵である。そして、真似させようなんて考えているようでは、本物はできない。まず自家消費として、自分自身が陶酔しなければダメである。103
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「日本人と商売をすると、必ず儲けさせてくれるがそれだけで終わる。しかしイギリス人と商売をすると、いろんな遊びを教えてくれる。それは一生の思い出になって残る。ただし、イギリス人は全然儲けさせてくれない」(…)イギリスの貴族は自分では勉強しないらしい。勉強している人を親友にして、そのエッセンスだけを聞く。そのための手段が別荘や遊びで、家族づれの楽しい一週間が経ったころフラッと顔を出して、遊びや夕食を共にしながら何気なく質問する。超高度な情報はそのようにしてこそ得られるものだと知っているのである。115
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私の知り合いに、戸別訪問セールスナンバーワンの成績を誇るベテラン営業マンがいる。あるとき、「あなたぐらいベテランになれば、玄関を見ただけで、この家は買ってくれそうかどうか、すぐにわかるでしょう」と聞いてみた。すると、「絶対にわからない」と断言された。だから、数撃たなくてはいけないというのである。(…)彼いわく、「訪問件数を何とか三〇軒に減らして同じくらいの成績を上げようなどと考えている人は駄目だ」――。142
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現在のような大衆社会では、むしろ誰もが知っている情報こそ価値が高いこともある。講演会でも「誰も知らないことを教えてあげます」と言っても人は集まらないが、「東京ではみんなが知っていることを話しましょう」と言えばワーッと集まる。127
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多くの人が誤解している。本来度胸と賢さは表裏一体のものである。早く言えば思考をつくした上の度胸である。159
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一般的な法則から未来を予測するためのヒントが詰まった本。著者の知見が凝縮されているはんめん、個々の知見根拠は詳述されていない。分かるけど、何となく分かる程度になる。
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筆者の語り口も歯切れよく、テンポよく、内容的にも本質を捉えていて面白い。エッセイっぽい感じで非常に読みやすい
P11(流行の順番)
モード、ファッション、スタイル、礼服という言葉の違いは、流行の順番を表したものだ。新しい様式が最初に出てきたときが「モード」で、やや時を経て世間に広がった状態が「ファッション」と呼ばれる。さらに時を経て大多数が採用すると、これが「スタイル」。そしてスタイルとなったものの一部は、最後には日常生活とほとんど無縁の「礼服」となり、しだいに社会から消えていく
P44(音の贅沢)
これは第二次世界大戦直後、フォードの社長が完成したばかりの新車を見にいったときの話だが、新車はなかなかの出来栄えである。(中略)その車のドアを閉めた。と、その時である。ペシャンと、ドアの閉まる音がブリキのような安っぽい音だった。(中略)アメリカは、誰でもクルマを持っている。一家の主人が仕事から帰ったとき、そのクルマのドアの音は、隣近所にもよく聞こえる。クルマはその仮定の社会的地位や所得を示すシンボルになっているのだから、ドアの音の具合は、その家の主人の威厳にかかわる。「もっと重厚な音にせよ」と改良を命じたのである。
P76(恋愛と贅沢と資本主義の「発展法則」)
ゾンバルドは資本主義がスタートする前には貴族の間に贅沢競争があり、贅沢競争がさかんになった理由には「恋愛ごっこ」があったと説く。私はこれを読んで、贅沢競争とは文化の導入競争と想像競争だったと解釈した。ともかくゾンバルトはヨーロッパ中世の贅沢競争の同期は、女性をめぐる恋愛及び恋愛ごっこだったと考えた。それはルネッサンスに始まる
P78
工業化とは文化の普及段階であって、創造段階ではないということである。重要なことは、大衆が憧れるような本当の贅沢が事前に創造されていないと、大量生産や工業化は発生しようがないという点である。そして、産業革命前のヨーロッパで文化創造の役目を担ったのは貴族階級の華麗なる「恋愛ごっこ」であった。彼らをイノベーターとして文化の普及時代がはじまったのが近代である。(中略)このようにして出来上がったのがイタリア文化であり、フランス文化だが、そこで完成された文化や生活様式を大量生産しようとしたのがイギリスの産業革命であった。
P83(文化産業、発展の四条件)
文化産業の誕生、発展には四つの条件があると考えられる。第一は「文化的飢餓感が、全国民的規模で存在していること」。第二は「文化的向上心の全国的存在(いつかは自分も)」。第三は「賃金による労働刺激効果の発生(あの文化を買うためのお金が欲しい)」。第四は「消費の満足の追求(さらに改良と創造)」
P124「金持ち消費と、貧乏消費」
消費行動において、トップとボトムは共通した様式を持っている
P208
老後の生活に役立つ技能、資格、学術、名声なら、所有しても決してデフレによる損はない。
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・5種類の人間:
1)イノベーター 2.5%
2)アーリー・イノベーター 13.5%
3)フォロワー 68%
4)ラガード 16%
・嗅覚を満足させる商品は、味覚を満足させる商品よりも「高級」だ。
・鼻に対する刺激、その人を動かす力が非常に強い。
・人間が知らないものを理解するには、2つの方法があり、
一つは「アナロジー(例え話)」で、
もう一つは「アナリシス(箇条書き)」
・寄り集まって会話を楽しみ、知的刺激を交換し、
情報の共有を確認しあうことである。これ以上の快楽はない。
これをなるべくお洒落にやったので、サロンである。
・文化に関しては「同時生産、同時消費」を喜ぶようになる。
・「二十一世紀、世界は日本化する」
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盛岡さんの著書でこの本の存在を知って購入。
なるほど、これはマーケティングの本かも。
人に関する洞察は、時代を超えて通用するものがあると思わせてくれます。
サロンって、貴族の知識欲を刺激する環境づくりから始まったそうだ。
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未来を予測するための法則をまとめた本。
法則は筆者の主観と知識と経験から導き出されたもの。
科学的な根拠があまり盛り込まれておらず、それだけで好き嫌いが分かれる本だと思う。
私はあまりハマらなかった。
森岡毅さんの本『確率思考の戦略論』で名前が出てきていなければ読んでいなかったと思う。