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短編集。フィデルマのシリーズの中でも割とエモーショナルな事件が多い印象。ちょいちょい引き合いに出る大王の宝剣の事件もこれに掲載。
絶対解決するってわかってても、面白いのはやっぱり物語のうまさかしら。
説明っぽくないのに、時代背景や当時の法律などがするりと入ってくるのが毎回すごいなーと思うのです。
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弁護士で裁判官の資格も持つ美貌の修道女(しかもアイルランドの一地方の王様の娘)。そんな超人設定でも舞台が7世紀だと納得できてしまいます。
キリスト教に関することや、言葉の意味などがしっかり解説されているので、馴染みのない舞台でも読みにくさは全くありません。「へー、そうなんだー」程度の理解ができれば話そのものはなんの問題もなく読むことができますし、適度に興味もひかれます。現実的で行動力に富み、情に流され過ぎることのないフィデルマの推理。時には辛い真実に向き合わなければいけないけれど、そこでぶれることがないのは修道女の精神力の強さのせいでしょうか。公平でいられるはずの読み手がついしてしまっている思い込みや深読みの裏をかかれることも多く、登場人物に対して容赦のない展開になることもあるのが潔いくらいです。現実の厳しさを試練とし、受け入れていく姿勢はそれこそ宗教に通じるような。
話と関係のないところで、本を入れて壁にかけておくという鞄がとても気になります。インテリアにもなりそうで自分の部屋でもやってみたい。かけておく壁がないですけど。
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修道女フィデルマ・シリーズの8作目の短編集(原作順で)。
面白かった。
短編集の方が良いかも。
聖餐式の聖体拝領で毒殺されたり、
「魂の友」が夫と息子の殺人の容疑者になり、
大王の剣は盗まれ、
大王の墓から悲鳴が聞こえたりと、
いつもより少々ドラマチックな感じだが、
フィデルマがさっさと事件を解決してくれるので、爽快な印象。
「魂の友」の事件が、ちょっとフィデルマにはつらかったのではないかな。
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フィデルマが赤毛なのはアイルランド人であることを強調したかったからか。修道女が裁く事件でも基本的に動機は愛と物欲と権力欲。ローマカトリックとも違うアイルランド独特のカトリックが興味深い。アイルランドというと幻想、下手すると迷信深いという印象があるが、そういう面もあるけれど、ここに描かれるアイルランドの知性は合理的論理的。司法制度の在り方とか。女卑でもないし
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長編の方がメインなのにうっかり短編から手を付けてしまった
アイルランが舞台のミステリ
当時のアイルランドがどういう社会システムなのか知らなかったけれどうまく説明しながら想像しながら読めた
作者の考える最高にキュートな最高最強なヒロインなのかなーと思ったり
こういうヒロインが活躍する話が私は好きです
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7世紀のアイルランドが舞台。著者は、歴史家としても著名とのことで、その世界を身近なもののように伝えてくれる。美貌の修道女という設定も魅力ですが、初期のキリスト教とアイルランドの古いしきたりとの軋轢を教えてくれるのも楽しみです。
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中世の時代のアイルランドを舞台にしたミステリ。
アイルランドの王国の国王の妹で修道女であり、弁護士であるフェデルマが様々な事件を解決していく話。
短編集です。
当時のアイルランドの様子だけでなく、歴史や法政界の仕組みなども描かれていて、歴史小説のようにも読める。
勉強にもなるミステリで、この時代のヨーロッパ好きな人はもっと詳しくなれるからおすすめ。
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フィデルマはアイルランドのキャシェルの先王の王女であり、上位弁護士の肩書をもった美貌の修道女。彼女の行くところに事件あり、な短編集。
巡礼の地、ローマの小さな教会で起きた毒殺
フィデルマの幼なじみにかけられた夫、子殺しの嫌疑
吹雪の中、逃げ込んだ山荘に出る亡霊
大王即位に必要な宝剣の盗難事件
千五百年前の王の墳墓から見つかった死体
淡々と事件を解決するフィデルマがカッコイイ!
事件解決後の一言がじんわりした後味だったり。
まずは短編で様子をみて、と手に取ったけど、長編も読みたくなる。
中世アイルランドの政治、キリスト教のせめぎ合いが絡むのでそういう意味でも面白かった。
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古代アイルランドの〈ブレホン法〉に則って裁判を行う弁護士〈ドーリィー〉であり、そのなかでも上位の〈アンルー〉という資格を有する修道女フィデルマが、聖餐のワインで毒死した青年、雪山の旅籠に夜な夜な出現する幽霊、消えた王家の大剣などの謎をその明晰な頭脳と法知識で解決する短篇集。
著者はケルトの歴史学者。このシリーズはミステリーの枠組みを使って古代アイルランドの社会を描くことを目的としたエンタメ小説である。
まずはなんといってもフィデルマの設定。王位継承者の妹という特権階級であることを差っ引いても、当時のアイルランドでは男女が同じ教育を受け、職業的に差別されることなく重要な役職に就けたという史実から生まれたスーパーウーマンである。
そんな彼女の武器は当時のアイルランド独自の法律、ブレホン法。この法律こそがフィデルマシリーズの二人目の主役と言っていい。婚姻や離婚における双方の権利の細かい取り決めや、王位継承者を一系の世襲ではなく集会で決定するなど、これまでローマ中心史観で〈未開人[バルバロイ]〉として語られることの多かった古代アイルランドの先進的な面を知ることができる。キリスト教ケルト派の大らかな思想と合わせ、先入観をひっくり返されるのがとても楽しく、作者の古代アイルランドに対する深い愛情を感じる。
収録作のなかでは、正当防衛とはいえ探偵役が犯人を撲殺して特に悪びれない「旅籠の悪霊」が印象的(笑)。あなた修道女でしょ?!(笑)聖職者だからか、フィデルマの探偵像はどこかブラウン神父に近しい。この邦題もそこを意識してつけられたのだろう。
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【収録作品】聖餐式の毒杯 The Poisoned Chalice/ホロフェルネスの幕舎 At the Tent of Holofernes/旅籠の幽霊 Our Lady of Death/大王の剣 The High King's Sword/大王廟の悲鳴 A Scream from the Sepulchre
世界史の知識があれば、もっと楽しめるのかもしれない。
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ミステリ。短編集。
初めて読む作家。
7世紀のアイルランドという舞台設定が独特。非常に好きな世界観。
文章は簡潔で読みやすい。
取り扱う事件は殺人から窃盗、幽霊騒ぎと様々。
「大王廟の悲鳴」が個人的ベスト。
インパクトのある事件でありながら、シンプルな解決という分かりやすさが好印象。伏線の張り方が堂々としすぎていて、逆に見逃した。
このシリーズは全作読みたい。
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7世紀のアイルランドを舞台に、アイルランド五王国の一つモアン王国先王の王女にしてドーリィー(法廷弁護士)であり、状況次第では裁判官としても活動できるアンルー(上位弁護士)の資格も有する修道女フィデルマが事件の謎を解き明かす短篇集。収録作は以下のとおり。
聖餐式の毒杯
ホロフェルネスの幕舎
旅籠の幽霊
大王の剣
大王廟の悲鳴
法律の高度な専門家としてたとえ王が相手でも物怖じせず、論理的に事件を解決するフィデルマの人物像やミステリーそのものとしてのおもしろさは充分。加えて、7世紀のアイルランドという未知の世界も素晴らしかった。その独特の風土に最初は戸惑ったが重要な単語はフォントの変化で示され、本文中にも解説があるので安心して読めた。