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目次を見て、1人ずつなくなって行くのか?と思っていたら違う問題が…。個人的に、今年は不運が続き、もう死んでもいいや〜と思うことがあったので、「ほんの少しのきっかけで変わる」ってあると思う。私たちは生かされている。「いつか死ぬまで生きてもいい」という言葉が印象に残った。
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著者がデビュー20年目にして初めて書く現代長編ミステリーだそうな。取っつきが少々悪いのは玉に瑕ですが、全く予想できない結末には驚かされました。単行本は「はなとゆめ」以来だと思うのですが、前作の出来があまりにもアレだったので本作では一安心です。
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『天地明察』『光圀伝』『はなとゆめ』
どれを読んでも面白かった。
この本のテーマは、まるで違う。
それぞれに違う悩みと闇を持つ12人の子供たちが
ネットで見つけた自殺サイト。
廃墟となった病院の地下室で一酸化炭素中毒で
集団自殺を試みようと集ったのだ。
ここに来るまでには、何百という質問、自殺願望の理由
遺書を書き上げ粛々と準備されていた。
ある日、12人が集まった。
それぞれに知りはしない関係。
目的の場所に番号札を持ち集う。
そこには、まるで死んでいるかのような少年が横たわる。
12人以外の誰か。
ここから話し合いが重ねられてゆく。。。。
どんな結末が待っているのだろう。
読めない先が面白い。
結末はお楽しみに。
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作者自身がテレビで語っていたように、物語の最後に希望があった(そのコメントが無ければ、手に取ってなかった)
物語が限定された空間で繰り広げられてるので、物凄い閉塞感。途中まで読んで眠ると、毎度悪夢を見てしまい困るほど。
ある出来事の検証の為に瞬間的に外に出たり屋上に出たりする度に、私もメンバーと一緒に新鮮な空気を吸い込んでいる気分だった。その分、ラストの開放感、爽快感が際立つ。そして読後はグッスリ寝られた。
予想以上に物語に併せて追体験してしまった、、それだけ私には影響力が強かった。
集いに集まったメンバーひとりひとりが、これまで自分の本当の気持ちをぶつける場が無く、まさに自分自身の心の中、という閉塞的な空間でグルグル思考し続けた結果が自殺。こころが痛い。
ただ皮肉にも、最期の場で、集いに参加した個々の理由を聴いてる内に、それこそひとりひとりの心が動いていくのは本当に面白い。最初はお互いの理由は否定しない、尊重すべき、というより、理由はどうでもいいから早く実行したい、という意見が大半だった。ただ、ひとは話を聴くとどうしても自分の意見を言いたくなるもの。自分の理由こそ正当性が高い、と思ってるからだろう。自分と相容れない理由の人と一緒に"実行"したくない、なんて考えてしまうのもわからなくない。
でもそういった、対立、衝突をも含んだ、心を交わす場こそ大切なのでは。相手の意見を尊重する、否定しちゃダメ、というアサーティブな姿勢より、まず議論の場を作る、議論を続けることが大切なのでは、と思えた。
だってこの話では、それでみんなのこころが動いてるから。
ネットのほうが自由に意見が言えるようで、受け取る側の理解が表層的だったり、意図しないポイントで非難されたりと、閉塞感あるんじゃないかな。この集いに参加したメンバーの年代考えると、ネットが普及して交際範囲が増えてるようで、生の付き合いしにくくなってるのかと少し切なくなる。
自分の気持ちが受け入れられなくてもいい、批判されてもいい、吐きだす場が無いことが、人にとって一番辛いことなのかもしれない。
最後、シンジロウを心の頼りに、みんなが帰っていくのを見て、心が温かくなった。そして、管理人サトシとアンリの会話が心に残る。サトシも絶対に"実行したくない"訳でもないのがミソ。アンリの対決宣言、でもいいよね。議論し尽くすことに意味がある。自分の考えを見直す大切な時間。
自殺はダメ、与えられた命を自から投げ出すのはダメ、なんてモラルを言われても、死に取り憑かれた人には響かないだろうから。
人と話すこと、わかってもらえなくてもそういう場があること、それがどんなに大切か、深く理解できた気がする一冊だった。
理解できなくてもいい。非難しても否定してもいい。無関心が一番の罪だ。
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十二人の自殺を希望した子供たちが、ネットで募集され、集団自殺を試みるためある建物に集結した。最初に建物に集まる部分から描かれるが、その時点から、何か違和感のようなものが描かれ、12人が集まったとき、自殺するためのベッドには、すでに1人眠っていた。自殺を進めるため、話し合いが行われる。
ミステリとなっていて、最後にすべて解決するようだが、細かくて、ついていけなかった。
自殺は話し合う相手がいれば、しなくて済む。そういうメッセージが込められた本で、ミステリが重ねられている本です。
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私はアンリの考え方に賛同なので、ラストが嫌でした。
他のメンバーの考え方には「理解」はできなくても「受け入れて」あげてるメンバーが、アンリの考え方だけは全否定。
そこが納得いかない。
アンリの考え方も「理解」はしなくても「受け入れて」あげる一文さえあればよかったのに。
ヘルペスを受け入れてあげられるなら、アンリも受け入れてあげられそうだけどな。
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推理としてはまぁあまりだったけれど、子どもたちの内面をえぐるような展開はおもしろかったし、登場人物を覚えるのに少し手間取ったけれど、後半は難なく読み進められた。主催者のサトシがもう少しゲームを愉しんでいる感を持ってる少年とかだったらなぁ、とか思うところはあるけれど、ドラマや映画になったらもっと楽しめそう。
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見取り図を見て密室ものかなと予想したけど、なんとも微妙な感じだった。
メインテーマは死にたい子供の方だとは思うけど、どっち付かずな感じです。
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12人の…というと「怒れる」が思い出される~「集い」の地下多目的ルームに最初に入ったのは,陰鬱なイメージをした小さくなってしまったスーツを着た16歳のケンイチでイジメから逃れるために参加した。17才でハンチグ帽を被ったシンジロウは末期になる前に何とかしたいと考える癌患者だ。黒服のアンリは自由を求めてやって来たという。小柄なメイコは母を捨てた父への当て付けに自分に保険を掛けて参加し,会社が傾いていて保険金に手を出すだろう事が見えている。苛めている奴を階段から突き落として殺したノブオは坊主頭にメガネだが,メガネは放り出してしまいたい。安定薬を母親から飲まされ続けられどもっているタカヒロは安らかな眠りを求めている。15才でタバコを手放せないセイゴは母親に保険金を掛けられている。ゴシックのミツエはアイドルの後追いだ。帽子にマスクのリョウコはリコと言う名でテレビで活躍するアイドルをやめたい。頭の回転の遅い金髪のマイはディープキスをしたオッサンから移された不治の病がヘルペスだと告白して皆に呆れられるが,何で変な顔を向けられるか理解できない。小柄で誰とも目を合わせないユキは事故の後遺症に悩んでいた。サイト管理者で11人を選抜したサトシは,会場とした元病院の自殺した院長の息子で14才,3浪しても医大に合格できない兄を母が刺し,IT会社が使うために改装中の物件に入り込む術を知っているが,死に興味があるのだ。12人目のサトシが入ってきた時,サトシが寝るべきベットには既に人が静かに横たわり,シンジロウが調べても自殺ではなさそうだ。ケンイチが13人目のゼロ番を気にして,直ぐに実行しないで問題解決のために話し合うことを提案し,来た時刻・入館した時刻・番号をとった時刻を摺り合わせても嘘を吐いているのがいるなど新たな問題が出て来て,ゼロ番を運んだことを疑われたノブオが休憩後に姿を消し,協力者はアンリで梅毒中毒で生まれた彼女は不妊報酬制度を求めているのだった。そもそも車イスで連れてきた人物が別にいることに気がついていく…ユキは二人乗りしていた自転車で撥ねられて植物状態となった兄ユウキを連れてきて,それを見つけたアンリとノブオが2階から4階,ベッドで地下へ運んで一緒に旅立つ積もりだったのだ…~冲方丁さんは「天地明察」が良かった~「はなとゆめ」は憶えていない(あれあれ)。これは何だか結末が見えていて,どう着地させるかが焦点だった
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直木賞候補作だが、選考委員が満場一致するほど期待外れ。
天地明察や光圀伝の力量は垣間見れず。
残念。
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「そんな風に考えないで〜」...とついついお母ちゃん目線になってハラハラ。
多感で短絡的なのは(自分にもあった)"若さ"だなぁ〜...と思いました。
登場する子供達と同じ世代の時に読んだらずっと違う感想になったかもしれない。
重たい話なのに、最後はイマドキっぽい妙な爽やかさを感じました。
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まさか密室モノの新本格ミステリ?を直木賞の候補作として読めるとは思いませんでした。
事件の真相を皆で議論するというフォーマットですが、『十二人の怒れる男』が元ネタ(三谷幸喜作の映画『12人の優しい日本人』のほうが有名だと思いますが)になります。
自殺を扱った作品ということで、何となく内向きな重い展開を覚悟していたのですが、意外とからっとした感じで物語が進んでいくのが印象的でした。
元ネタの作品はいずれも大人の陪審員が主役ですが、本作では集団安楽死を求めて廃業した病院に集った12人の少年少女たちが主人公になります。
本作では大人は一切登場しませんが、子どもだからといって安易に思考放棄するような展開にはもっていかず、子どもたちの視点から喧々諤々の議論を経たうえで見えてくるものは何か、というテーマに著者が真摯に向き合っているように感じました。
そして話が終盤に向けて進むにつれ、ラストはたぶんこうなるんじゃないかと薄々予感していましたが、やっぱりその通りになりました。
まあ当然と言えば当然の結末なのでしょうが、ミステリとしてはちょっと弱いかなあと思いました。
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ある意味新しいタイプのミステリー小説ではないかと感じた作品。単なるミステリーの枠を超えている。社会的問題である児童の自殺の実態を等身大で描きつつ、謎解きの盛上がりのポイントを幾つか設けそれをうまくミステリーの味付けでコントロールをすることでストーリーに引き込ませていく。純粋な推理小説の典型的な傑作ではないかもしれないが新しいミステリージャンルと言っても過言ではないのでは。一気に読了しました。
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内容(「BOOK」データベースより)
廃業した病院にやってくる、十二人の子どもたち。建物に入り、金庫を開けると、中には1から12までの数字が並べられている。この場へ集う十二人は、一人ずつこの数字を手にする決まりだった。初対面同士の子どもたちの目的は、みんなで安楽死をすること。病院の一室で、すぐにそれは実行されるはずだった。しかし、十二人が集まった部屋のベッドにはすでに一人の少年が横たわっていた。彼は一体何者なのか、誰かが彼を殺したのではないか。このまま計画を実行してもいいのか。この集いの原則「全員一致」にのっとり、十二人の子どもたちは多数決を取ろうとする。俊英・冲方丁がデビュー20年目にしてはじめて書く、現代長編ミステリー!性格も価値観も環境も違う十二人がぶつけ合う、それぞれの死にたい理由。彼らが出す結論は―。
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悩みをもった11人の少年少女達、そして主催者の少年を含む12名が同じ目的でとある場所に集まる事から物語がスタートする。目的を全員で達成するまでトラブルがあったり、意見交換をしたり、自分の気持ちを皆に打ち明けた事で少年少女達の気持ちが少しずつ揺れ動く・・・。うーん、内容云々と言うより、この作品を読んで同じ悩みを抱えた人たちに向けて作者からの強いメッセージが込められていると感じました。