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金融小説を代表するの作家というと僕には池井戸さんとこの江上剛さんが頭に浮かびます。定年、リストラ、退職者の悲喜ごもごも、、というよりは「非」ばかりを集めたような短編集。長編のように腰を据えて物語を楽しむというよりも、リズムよく読めて軽く読み流せます。まる。。
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人生終盤にかかったサラリーマンたちは、なにを思いどう生きていくか。
サラリーマン生活は、なかなか厳しいようです。
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内容(「BOOK」データベースより)
自社の合併に関わる派閥抗争に巻き込まれた常務。賛否うずまく取締役会で、彼はある決断を…(「耳したがう」)。銀行広報部部長が、裏金疑惑が発覚した頭取と記者会見に臨んだ。威圧的な頭取に、広報部長は突然…(「おうちに帰ろう」)。五十代後半、企業人生をまっとうする者、再スタートを考える者。男たちを取り巻く組織、家族とは。文庫オリジナル全八編。
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kindle unlimitedにて読了。いつも読むジャンルとは目先を変えたい意図でチョイス。タイトルで「退職勧奨」となっているものの、タイトルからくる意味合いの話ではなく、人生の岐路に立った中高年層の決断・行動をテーマとした短編集。長く続けてきた物を捨てて新しい道に進むという選択は中々難しい心情を良く描いてあり、色々と考えさせられた。読んでいて良かったのは「ハローワーク」「跡継ぎ」。感想はこんなところです。
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人生の折返し。
子曰く、50にして天命を知り、60にして耳順う。
還暦前後の中年男性たちの短篇集。
定年まであと少し。早期退職か、嘱託として残るか。
実家が三代続く老舗の豆腐屋、自らは四代目になる気はなく40代で大手銀行の取締役に就任する直前、三代目の父ちゃんが危篤に。
悲哀と慈愛に満ちた一冊でした。
しかし、こう読み終えると男性はいつの世も仕事に翻弄されながら、人生の機微を感じるものか。
家庭だ、育児だってのは一編も出てこなかったな。
主夫の生涯みたいな小説があれば読んでみたいものだ。
医療技術の進歩により、人生百年となった現代では、50で天命を知るには随分と早いな。
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会社に仕えて30数年、やがて見える定年の時。
そして、大きな決断をする時が...
サラリーマンの様々な悲哀を描いた短編集、8編。
それぞれ味わい深いストーリーですが、特に下記は感銘を受けました。
『紙芝居』
定年前、仕事を辞めると言いだした銀行員。
やりたい事とは、なんと紙芝居であった。
なぜ、紙芝居を...
妻の気持ちが少しずつ変化していくのに、じんわりとしました。
『ゆるキャラ』
あるメーカーの人事部長という役職にある会社員。
社長の独断で、100人のリストラを実施しろとの指示が。
泣く泣く人を切る毎日の中で、ある青年を無理やり辞めさせた結果、自殺してしまう。
幼子と母親の非難に耐え切れず、自身も辞めることに。
そして、選んだ次の仕事が、人に見られないチンドン屋のぬいぐるみ。
ある日、かつての母親と偶然出会う(もちろんぬいぐるみの中なので、中身はばれずに)。
そして、幼子が、大好きなピアノを欲しがるが...
『私の中の彼女』
定年直前に、銀行から人材派遣会社に退職出向となった会社員。
銀行では常務であったが、会社では社長を務めることに。
しかし、突然、最愛の妻が亡くなり、失意の底でなかなか立ち直れない日々を送っていた。
ある日、欠員の秘書採用の面談で、若い時の妻と瓜二つの女性と出会う。やがて、ふたりは...
最後に、亡き妻がまるで『さよなら』をする様なシーンには、ウルウルします。