紙の本
恋は日食のよう、が印象的
2017/01/19 19:46
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投稿者:真太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物たちが動いている映像が思い浮かぶストーリー展開。藤代、ハル、弥生の12か月ごとに現在と過去の想い出を語り、恋愛に対してのそれぞれの不器用さが表現されてます。映画化してほしい作品。
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いろんなドラマを手掛け、映画「セカネコ」で注目浴びた作家の最新作。「セカネコ」は原作も読んでないし、映画も観てないけど、テレビで取り上げられたこの作品が気になり、手に取ってみた。気になった理由は冒頭の「ウユニ湖」から送られる9年前の元カノからの手紙。その手紙に婚約者のいるフジは、それほど動揺もせず、物語はフジの婚約者・弥生、その妹夫婦を巻き込みながら、淡々と進んでいく。静かで、情景も豊かで、ゆったりとした作風。好きな人は好きな世界観かもしれない。
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果たせなかった約束や、
忘れられない気持ちを抱えながら
忘れなくてはならないと思いながら捨てきれない希望と。
私たちは愛することをさぼった。面倒くさがった。
変わってしまう自分の気持ちも、引き止められない相手の気持ちも、
永遠はないとわかりながらも
わかりながらも信じたいと思えることを。
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共感してしまうことが嫌なのに、わかってしまう自分と向き合わざるを得なかった読書体験でした。無意識に目をそらしていたことを突きつけられているかんじ。自分もこの川村さんが捉えている社会の流れの中で生きているんだなぁ。作られた世界でのお話だから、現実より少し優しくて、それこそクリアな現実にとハルのどこか優しげな写真が散りばめられている映像を見ているかんじ。よかったです。
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愛について淡々と突き詰めた小説。
こっぱずかしくなる内容ではなく、本当に淡々と愛は次第に変化していき、最初の燃えるような情熱も消えていってしまう。ということが書かれている。
でも、その変わりゆく愛に最後まで寄り添っていけるのは、一瞬でも対等にお互いの愛を感じあった者同士でしか寄り添って乗り越えていけないと言う事実があって、
なんだか人生の愛についての手引書だなと感じた。
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夫婦とは何か。人を愛するとはどういうことか。川村さんは優しい描写の中に鋭いことを書いている。二度、三度と読みたいお話だった。
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読んでいてとても心がざわざわするお話だった。
結婚を控えた藤代は婚約者を愛しているかわからなくなっている。そして大学時代に愛した女性からの手紙で昔の別れを振り返るも、結局愛することにこだわれなかった自分がいる。
「愛を終わらせない方法は……手に入れないことだ。」これにはちょっと納得してしまうけど。でも、全てに頷くには寂しいし、悲しい。
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「セカネコ」の川村元気さんによる深く静かな恋愛小説。これを読んでカニャークマリに行っちゃう人が、、、いるんだろうな〜。救いのあるラストで後味良し。
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もやもやしながらもよかった。風景が頭に浮かんでくるお話。たぶん映画になるんだろうな。表紙がとても素敵。
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「いま、そばにいる人のことを本当に愛してますか?」そう問われているようで、読み終わった後も胸の奥の方でざわざわとした何かが動いている。
誰かと出会い、誰かを愛し、誰かと共に歩いていく。当たり前のように繰り返されてきた「人生」は実は不安定で壊れやすいモノだという事に、本当はだれもが気付いているのかもしれない。だから、それに気付かないふりをして毎日誰かのことを「愛している」と言い続けているのかも。
藤代とハルの出会いは自然でこのままずっと一緒に生きていくことが極々自然のながれだと思えていたのに。2人の人生が離れて行ったのは、あるいみ2人それぞれの存在があまりにも自然だったからか。
終わってしまった恋に決着がつけられないまま生きている多くの人にとって、心の小さなささくれを刺激するビターな一冊。
久しぶりにサイモンとガーファンクルを聴いた。卒業もまた観直してみたい。
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私の期待値が高かったゆえに評価は☆4つです。
でも多分☆5くらいの作品だと思います。
川村元気さんの「世界から猫が消えたなら」と同様になんとなく世界観が薄いような作品でした。
内容が薄いとかいう意味ではなくて作中にもハルの撮る写真は色が薄いといったような表現がありますが、まさにそんな感じです。
想像してみてもなんとなく景色が薄く見えるなぁというような。
内容は今結婚相手がいるけど別にその相手に対しては執着しておらず、昔の恋人を思い返しながら自分を見つめるといったようなものです。
恋愛ってある固定の一つの形がなくて人それぞれなんだなと思わされると同時に自分の恋愛観を考えさせられるような内容でした。
読んでいて感情が燃え上がるような作品では決してありませんが、しっとりと何かが心に残るようなちょっぴり切なくなるような作品でした。
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映画を見ているような構成。情景が浮かんできやすい文章の運び。
冷めかけた恋愛感情とやるせなさも、それに反した一瞬の意思疎通も、どちらも共感しやすい。
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ハル 藤代 弥生
人が人を愛するのって
結局のところ なんなのだろう?
たぶん 答えなんて
70億?通り ニンゲンの数だけあるんだ。
日食のように 愛が重なるのは 一瞬だけ
そして 変わっていく愛に寄り添っていけるのも
一瞬を共有できた二人だけ
なんだか もやもや
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昔、写真部に所属していた青年の恋愛の話。
結婚を控えた青年、しかし目の前にいる人を愛しているのかさえわからない。
そんな青年の前に初恋の人から手紙が届いた。
今は感じることがなくなってしまった、燃えるような思いをかつて持っていた相手から。
どんな展開になるのかと思いきや、泣きそうでした。
好きになった言葉。
「わたしは愛して、初めて愛された」
「人を愛して、自分を愛することができる」
強い燃えるような感情を持ち続けるのは難しいかもしれない。でもそいういう気持ちが存在したということを忘れず、時々思い出し、気持ちを積み重ねていく。
その人を失うということがどういうことかを考え、日々に感謝する。
そういうことが大切なのかもしれない。
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映画「世界から猫が消えたなら」を観た時もおもったけれど、川村元気さんはプロデュースしてる作品と自身で発信する作品に違いがあっておもしろいなあとおもった。
内容的には結構えぐいのに、きれい〜な世界観と文体に違和感を感じてしまう。