紙の本
とても面白かったです。
2016/10/26 21:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:三つ葉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小林秀雄や中原中也、長谷川泰子などの登場人物一人一人の心情が非常によく表現されており、「ああ、彼らは、きっとこんな気持ちだったんだ。」と感じる部分も多くありました。
あくまで「史実とフィクションを交えた」ものですので、詩の作られた時期や、実際の行動とは少々異なるところはありますが、しかしきちんと史実を踏まえて全体が描写されています。
絵も綺麗で読みやすいので、文学好きな方には勿論、文学に興味のない方にも是非手に取ってもらいたい作品です。(そしてあわよくば文学に興味を持っていただければ尚嬉しいです。)
いつしか、第2部が始まることを心待ちにしています。
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富永の死。泰子が小林の元へ行き中也、小林、泰子の奇妙な関係が始まり、中也と小林のそれぞれの文学に変化が……と、いい所で第一部完。最終話が中途半端。続きが気になる。最後まで完結して欲しいと思ってしまう。今の出版社で続きが無理だった場合、この続きをどこかの出版社がだしてくれないかなぁ、と欲をかいてしまいます。
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第一部完!!
続きが描かれるー、可能性は低そうね。。月子さんのコメント的にも次は史実で、ということか…………。
実際とても興味を持ったし、ちゃんと読んでみよう。
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文学者の小林秀雄と中原中也。
実在する二人の関係を軸にした物語。
ストーリーに組み込まれ引用される中也の詩と、作者の美しい絵に引き込まれる。これはすごい。
また中也のカリスマ性や憎めないキャラクターも読む側を引き込む。
2人は泰子という女性を巡ってお互いに対立しながらも、でも文学を極めんとする「同志」として共にあり続ける。互いを意識し、傷つけ合いながら高め合おうとする。なんという業深く、そして楔のように痛ましくも強い関係だろう。それに圧倒された。
作中の中也の言葉が印象的だ。
''僕たちは生きている限り、
お互いをどこまでも傷つけ合って、
とことん地獄まで堕ちて掴むんだ―――
文学の''何か''を。''
第一部終幕ということだけど続きはやってくれないのかしら。すごく読みたい!
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文士を本人とはかけ離れた姿形、人格で描かれるコミックにはもう辟易していた。
勿論彼等は生身の人間であり尚、私にとっては神様である。
文学史や文壇四方山話なんかは、毎度神々の戯れの様、古事記の様に読んでいる傾向があった。
そんな訳で、自分にとっての神々を無理矢理、人の形をした妄想の道具に貶められるのは御免だ。
だがそう言った面で本作は、本人と乖離した物語、全くのフィクションとして楽しむ事が出来る。
それはやたらめったらラメを塗りたくる様に、彼等をきらきらと輝かせる所業が見受けられないからである。
そして中原中也、小林秀雄等の繰り広げた愛憎劇が、実際に崇高なストーリー性を持つからだ。
目次ページに、「※本作は実在の人物を題材としたフィクションです」とある。
ここから彼等の人生は学べないが、作中に引かれる作品の素晴らしさに、はっとさせられる事はあると思う。
現に文学に親しむ前から中也に親しんでいた私も、また新鮮な視点で詩を読む事が出来た。
ラストシーンはどう転んだって褒められないが…。
<Impressive Sentences>
私は私自身を救助しよう
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打ち切りになったのが勿体無い漫画。
文豪好き、中原中也好きの人には、一度読んでもらいたい。