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シャープ元副社長の佐々木正氏の伝記。
伝記ではあるが、当時の電機業界の技術競争や成り立ちなど佐々木氏自身の話だけでなく、業界全体の話も多く、興味深く読んだ。
本当は学者になりたかった佐々木氏だが、戦中、戦後と自身の思い通りになる世の中ではなかった。
けれど、エンジニアとしてジョブズや孫正義に師と仰がれる。
氏はエンジニアの前に人として素晴らしい。
相手が分からなければ、例えそれがライバルだとしても教え、自身が分からなければ相手に聞くという、「供創」の思想は本当に素晴らしい。
とても読み易く、佐々木氏と当時の状況がよく分かった。
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・「液晶はもういい。ロボットをおやりなさい。
まずは言葉だね。自然言語を理解するロボットを東京オリンピックまでに作るんだ。
世界中から集まる人々をシャープのロボットがもてなす。素晴らしい光景じゃないか。」
そんなある日、一人のシャープ社員が佐々木を訪れた。
景井美帆。
「これ、まだ試作なんですけど」
テーブルに置かれたのは、愛らしい顔の小さな人型ロボットだった。
RoBoHonと言います。。。。
→ほんまかいなぁ~~~wwww
・違うものを接げばそこから新たな価値が生まれるのか →共創
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人脈凄すぎ。早川徳次ゆずりの度量大きすぎ。佐伯社長、経営力ありすぎ。今の中国企業になったシャープを見てどう思ってるんだろうか
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ITのことはよく分からない私でも、はじめからがっちり掴まりました。まだ何者でもないスティーブ・ジョブズと孫正義に出会うエピソードから、この本は始まります。
「ロケット」というのは佐々木の仕事と、決断の早さを、アメリカ人の技術者が称したもの。ひろい人脈をもち、その人たちに信頼されている佐々木は、すぐに次の手を打つことができた。
それは『共創』という佐々木の考え方によるもの。一つの会社が発展するだけでなく、世界全体のために必要なことだといって、若い技術者からも教えを請うたし、自分の知っていることは相手に教えた。相手が追いついてきたら、それを凌ぐことをまた考えればいい。
こんな度量を持った技術者が、今の日本にどれだけいるのだろうか。
小説のように読みやすくてわかりやすかったです。
しかも、驚きに満ちた本。読んでよかった。
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これが日本の技術者
自分の力で試してみる。わからなければ聞いてみる。管理職は情報のハブである。知っている人を見つけて会わせる。
もちろん、聞いてばかりではいけない。自分の持てるものを出す。
皆で進めていかねばイノベーションは生まれない。ドクター佐々木はそのすべてを体現している。
半導体立国でお見かけした際には、単なる技術部の偉い人という印象しかなかったけど、この本を読んで、初めてその人となりを知りました。
溢れるアイデアをどう世に出すか。
自分も次のアイデアを世に出さねば!!
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佐々木氏の烈伝。こういう人物が時代を創る。
孫正義もそうだろう。少しでも触れたら、その気を自分にも活かすべし。
フィクション小説としては、エピソードが削れなさ過ぎて、社史レベルになってしまっているが。
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技術とは人類を幸せにするものだ。
その通りだと思う。
誰かの懐を肥やすためのものではなく、多くの人を幸せにし続けるものではなくてはならない。商売で戦うことはあっても、技術を独占、隠し続けることをすると、負けてしまう。技術を共有することで、人類を幸せにする事が必要なのだ。
何と素晴らしい考え方であろうか。
そのような考え方にも続き、世界を股に掛け、技術発展に貢献した方が早川電機、そう今のSHARPにいらっしゃった。
電卓の競争ではカシオと、本当に日進月歩の技術開発で戦い、Appleのスティーブ・ジョブズ、ソフトバンクの孫正義など、数々の現在を率いているコンピューターの世界のトップの背中を押してきているのだ。
何と素晴らしい考えだろう。
このオープンな考えにより、技術発展が行われたのだとしか思えない。
最後に、シャープが開発したロボホンはこの素晴らしい考えを持つ、佐々木さんのアイデアで開発が始まったのだ。資本が変わっても、目の付け所がSHARPである、SHARPであって欲しい。
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2017年9月18日読了。
佐々木正氏と彼を取り巻く人々(ハインリッヒ・バルクハウゼン、ジョン・バーディーン、江崎玲於奈、早川徳次、佐伯旭、樫尾4兄弟、フレッド・アイストン、ロバート・ノイス、孫正義、西和彦、スティーブ・ジョブズ等)との「共創」をテーマに紡がれた伝記。
技術は人類の進歩のためにある。
> サムスンに技術を渡した佐々木を、人々は「国賊」と呼んだ。
> だが佐々木は、自分が間違ったことをしたとは露ほども思っていない。
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誰かがよかったと言っていて、興味を持って読んでみた1冊。日本にはこんな技術者もいる、と嬉しくなるような立志伝。一緒に働いてみたかった。。印象に残ったのは、この本の主人公・佐々木さんが一般的なエンジニア像と違って、技術力だけでなく抜群のコミュニケーション力も兼ね備えていたこと。人をつなぎながら、技術で貢献していくスタイルは自分の目指すところでもあり、大きな目標像になるなと思いました。世の中に求められている水準やスピード感に応える部分はしんどいところもあったろうけど、それを達成して味わうものはまた格別で、それを何度も経験してきたんだろうなぁと思わされた1冊でした。
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一応理系の大学院を出ているので、本書を読む前から彼の名前ぐらいは知っていたのだけど、本書を読んであらためてこんなスケールの大きな技術者が戦前からいたのかということに驚いた。何よりもまず最初に興味を引かれたのは、彼が実質的には台湾で育った人間だったということである。あの当時の台湾は、この本にも書かれている通りにコスモポリタンな雰囲気・・・というよりも、もっとはっきりいってしまえば「一旗あげたい流れ者」がたくさんいた場所のようである。そういった環境で育った人間が、後年で様々な文化の人間と付き合い、挑戦を愛するようになったというのは頷ける部分が多い。
また、圧巻なのは佐々木が極めて早い段階から半導体の可能性に気づいていたということだ。情報が段違いに入るようになってきた2018年の現在でさえ、将来の技術的なトレンドというのをよんで、かつ行動にうつすのは難しいというのに、当時から社会的なロードマップも含めて予想ができたというのは、同じ技術系出身の人間としては凄いというしかない。こういったことが出来るのはもちろん本人の才能もあるのだが、思うに、一つには本当によく勉強をした方なのだろうということと(巨人の肩に乗っていることを自覚していたのだろう・・・)、もう一つには本書に書いてあるように、生活を気にすることがないぐらい裕福な経験をしたからではないかと思う。人間、食うに困ると目の前のことしか見えなくなるものだ。
一つ心に止めておかないといけないと思ったのは、本書は歴史という結果が出てから記載をしてるので、どうしても初代早川を佐々木を除いた人間に対して辛い評価をしている。2代目社長の佐伯に対しては親族に近い人間で院政を敷いたという書き方をしているし、片山もその関係で引き上げられ、かつ液晶一本足でシャープの破綻を招いた人間であると感じられるように描いている。
確かにそういった面もあったかもしれないが、例えば片山の経営がうまくいっている時には「選択と集中」の好例であると言われていたし、佐伯に関してもシャープ中興の祖という評価されていることもある。更に言えば、明らかに佐々木の性格を形作ったのは、その生い立ちや幼年時の環境にあったと思われるのだから、佐伯に関してもさらっと書いてある幼少時のことについてもう少し掘り下げてもよかったのではないだろうか。テーマが違ったといえばそれまでなのだが。
著者の大西さんは実は勤めている会社の記者会見にお越しいただいたことがあり、文体とは違ってとても礼儀正しい方だという印象を持っている。日本企業が競争力を失っていることに対して強い憤りを感じさせる著書が多いが、どれも読みやすくかつ面白いので、今後も応援していきたいと思っている。
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エンジニアとして非常に能力が高かったのが前提だが、それ以上に人間としての魅力を感じる一冊。人を別空間に誘い夢を見させて取り憑かれさせる。新しい夢を見させる努力を惜しまない。努力の結果を見せることを惜しまない。
そういった、日本人が思う人間の美学が詰まった方を、非常に読みやすい文章で描かれている。
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シャープの発展だけでなく、日本の電子産業も盛り上げた立役者。
「共創が技術を進化させる」
技術だけでなく、協力し合う事が、あらゆることを進化させるのだろうというが持論です。
常に進化させていく気風がある企業が生き残って、守りに入ったら負ける。
シャープの隆盛と没落は、この事を身を以て我々に教えてくれていると思います。
我が身を振り返り、どうか?
考えたいとおもいます。
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日本の半導体産業が負けた理由。それは技術を外に漏らしたことではなく、自らが足を止めたこと。
とても示唆に富んだ言葉でした。
佐々木正さん、日本が誇るべき偉大な方です。
とても読みやすく一気に読んでしまいました。
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人物を扱う本はサクセスストーリーとして、読み物もして、多分に脚色されてるもの。
そう思いながら読んでも、面白くて一気に読んでしまった。
分からなければ聞けばいい。
教えを請われれば、与えていく。
同じ時代を生きるものとして、共創してさらなる高みを目指しなさい。
限られた時間をどう生きるか。
そんな視点を持たないと人生もったいないなと思わせてくれた本です。
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こんな会社というより人物がいたのか、と言うのが率直な感想です。
単なる調整役ではなく、真に技術の融合を目指す方として、共感出来ましたし刺激になりました。日本の深さを知るのに良書です。