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いやいやいやいや、新シリーズ書いてないでさ。今回は僧侶かよう。幽談とかあちらよりは好みではあるが、ちょっと違うだけで、京極堂で出来なかった話をしただけ、という感じは否めない。
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古今東西、あらゆる書物が集う書楼、それが「弔堂」。
主曰く、
ここは本の墓場で自分は本を弔っているのだ。読まれない本は屍。しかし読む人がいれば、その屍は蘇る。そして本は己自身に相応しい一冊があればそれでよい。ただその一冊に巡り合うことが叶わぬから、何冊も何冊も読む羽目になる。
そのたった一冊となるべき本を然るべき相手に売ることが供養となるのだという。
訪ねくる客たちは、歴史上実在の人物たち。
京極さん、または弔堂の主人の語り口に、どこまでが本当の話でどこからが創作なのか、わからなくなってくる。
なかでも「探書 肆 贖罪」に出てくる中浜翁に付き従う影のような人物には驚いた。
読んでいると、すぐに正体には思い当たるのだけど「いやでも、あの人は……」となるので、その場までどう繋げるのか、謎明かしは、と気になってページを繰る手が早まった。
この章の最後をはじめ、史実かどうか確かめたくなる部分がいくつかあったけれど、調べるのはやめた。
京極作品は虚と実のあわいにあってこそ、楽しい。
“読まれぬ本は紙屑ですが、読めば本は宝となる。宝と為すか塵芥(ごみ)と為すかは人次第。”(473P)
本は「読むもの」と思っているけれど、半分以上は「積むもの」になっている私には耳のイタイ言葉です。
墓標と化した本たちに囲まれながらも、
己自身に相応しいたった一冊の本。
自分のそれが何か知りたいけれど、まだ出会いたくはないと思ってしまう我が業の深さよ。
・・・・・
昨年「遠野物語remix」で久しぶりに京極さんを読んで、リズムのいい文章にまた読んでみたい熱が上がる。
んが、京極堂は数冊読んだ後は積んでるし、他の作品も積んだり積んでもなかったりしてるうちに巻数が出てるし、さてどうしたものかと思っていた矢先に新シリーズ!喜んで読んだものの他の作品ともリンクしているもよう。
単独で読んでも問題なく面白いけれど、リンクを知ればなお面白そう。
(ううー、京極堂の再読から始めるか。いや分冊版を買いなおすところからか)
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京極夏彦の新シリーズ!なのかどうかはわかりませんけども。今後も続くのかな。
激動の時代にあって、なんとなく無為に日々を生きる主人公高遠の語りは読んでいてなんとなく心地よかった。ひたすらに自分の境遇をうだうだと書き連ねたりとかいうのだと読むのがだるくなるんですが、どことなく飄々としたところが読んでいて楽しい。
まあそこが作者の書きたかった部分かどうかはわからないし多分違うんだろうけど、その「地の文」の力か全体的に楽しんで読めたような気がする。
これまでの京極作品の登場人物が実際にでてきたり名前があげられたりと、ファンサービスもよい感じ。というかこの部分が非常にとりあげられてますね。百鬼夜行と京極堂シリーズのリンクとなるシリーズになるのだろうか?もしかしてルーガルーもそのうちリンクするのだろうか?!w
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約5年ぶりに京極さんの本を読んだ。京極さんらしい文に「うーん」と読まされた。本を読みたい、欲する気持ちって、「弔う」ことに通じるのかと納得してしまう。自分の人生における最高の一冊を求めるって、難しいなぁ。
ちなみに、舞台は明治。書楼弔堂という本屋に、本を求めて、または人生の答えを求めて、幕末維新の立役者がやってきて…というお話。各章の終わり方が、芥川の「羅生門」みたい。
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ひっさびさに京極夏彦を読んだけど、これはかなりビンゴでした。
時代は明治。
もとは武家の出である休職中の主人公。
金も暇もあってぶらぶらしているとき、東京のはずれにあるあやしげな本屋・弔堂に通うようになる。
そこはどんな本でもあるという、不思議な本屋。
訪れる客たちに、風変りな店主はその人のためだけの一冊を選び出す・・・。
って話。
表紙の月岡芳年からして暗めの話と思いきや、この弔堂店主がにこにこして穏やかな人物なので全体にやわらかい雰囲気です。
京極堂シリーズよりもかなり読みやすいかと。
以下ネタバレ。
登場人物たちが明治の有名人たちなので、次は誰が来るのか、などとわくわくして読めます。
井上円了、巌谷小波、勝海舟・・・。
最後にはあの京極堂シリーズの中禅寺のルーツになる人物も登場します。
自分的には、「贖罪」が一番じんと来た。
弔堂を探している謎のおじいさんが土佐の中濱、と名乗ったときは、おお、と思ったのですが、さらにその中濱翁が連れてるのがまさかのあの人。
幕末、いろんな人々が信じたそれぞれの正義のぶつかりあいによってたくさんの血が流れた時代、それに巻き込まれてわけのわからないまま人を斬ってきた浪士が、明治の世に幽霊となって生きている。
死にたくても死ねない、その苦しみが描かれていて。
一冊の本が誰かを救うことができるのかもしれない、癒しとなるのかもしれない。
ってなんか直球でいいこと言ってるー。
面白かったです。
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賢しくてしかも面白くない。本は内容じゃないなんて、弔堂の主人に言わせているのが言い訳にしか感じられない。
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久々の京極夏彦作品。面白いの一言につきる(*´∀`*)
現代物より明治大正昭和の半ばくらいまでの近代作品の描き方が秀逸。(時代物は未読)
京極堂シリーズと少しだけリンクしてたりもするのでこれからのストーリー展開が期待される。京極堂シリーズ読み直ししようかな。
実在の登場人物を調べながら読むのもよいかも(笑)
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中禅寺洲斎……「福神ながし」ですね。(@∀@;)
それで、百介さんと面識ができて、交流が続いてたんだ。(@∀@;)
本編ももちろん面白く読みましたが、巷説や百鬼夜行の気配にうきうきしてしまいました。
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歴史上の有名人がぞくぞくと登場して、次は誰が出てくるのか予想なんかしたりしてワクワクしながら読んだ(*^.^*)そして最後に中禅寺家の話が!?と驚いている間に弔堂と高遠様の名前が明らかに!二度ビックリして読了♪相変わらず、他の話とリンクしてくるなぁ(^^;だから、京極作品は読み逃せない!(^^)あぁ京極堂シリーズの新作も早く読みたい!
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明治時代。ある古書店を訪れる人たちの物語。
その人の人生にとってたった一冊だけの本。それを見つけることができるのは、果たして幸せなのかどうか。探し求める過程が幸せってこともあるかもなあ、と思ってしまいました。弔堂、あったら行ってみたいぞ。本好きならば確実にそう思います。
さまざまな歴史上の有名人が登場するので、そこも興味深い読みどころ。
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久しぶりの京極本。作者の熱い熱い本への思いが詰まった一冊だった。
京極堂シリーズは未読も結構あって、あまり熱心な読者ではない。それでも、ん?これはもしや…、と思って調べてみたら、やっぱりこれもある種スピンオフ的なものとも言えるようだ。ただ、よもやこれで終わりの訳はないはずだから(そうだよね?)新シリーズなのだろう。
ファンにはうれしい仕掛けもいろいろあるようだが、これだけ読んでも十分面白い。ケレン味たっぷりの語りを楽しんだ。
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明治時代。高遠が書楼弔堂という古書店を見つけるところから始まる。
登場人物が歴史上の有名人であり、この人は…と思いながら読み進めるのも楽しい。妖怪シリーズともリンクしており、本作も新シリーズらしいので次作が楽しみ。
誰にでもある運命の本に、私はもう出会っているのか、これからなのか。
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らしいというか、京極夏彦しか書けないだろうなぁという話。
物語も派手な展開はなく、舞台もほぼ本屋内だけど、本に対する思いがなかなか興味深かった。
自身も「自分の一冊」が欲しくなるね。
あと鰻が食べたくなった…
さりげに他シリーズとリンクしているのがファンにはうれしい。
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歴史上の人物の背中を押す本。それを扱う本屋。こんな本屋に行ってみたい。京極堂シリーズとは違う作風が新鮮だった。
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明治版ビブリア古書堂、的な感じなのだが
こちらの方が断然いい!
店主の本に対するただならぬ知識、蔵書量はもちろん
本に対する考え方人生観、とにかく素晴らしい。
なにげに軽いテンポで読ませるが
とってもふか~い哲学書といっても過言ではない。