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【最新脳科学が明かす「天性のウソつき」の正体】クールに犯罪を遂行し、しかも罪悪感はゼロ。そんな「あの人」の脳には隠された秘密があった。最新の脳科学が解き明かす禁断の事実。
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中野信子さんの最新作を頂戴したので読んでみる。往年のBOOWYのアルバムで親しい名称だが、深く理解をしてみると実に興味深い。サイコパスとは先天性が強いかなり特殊な脳の状態のことを指していると理解するが、特徴は自己中心的、怜悧、無慈悲、共感心や恐怖心の欠如といったところであろうか。サイコパスを代表する人物たちは残念ながら大量殺人鬼に多く、かつ確信犯でやるので再犯率も高い。これらの人間を社会的に管理するコストは莫大でアメリカでは全人口の4%がサイコパス的傾向を持っていると推定されているらしい。
ヒッチコックの「サイコ」でイメージが決定的となってしまったサイコパスな方々だが、著者のユニークな分類によると「勝ち組サイコパス」と「負け組サイコパス」がいるらしく、勝ち組サイコパスは魅力的で社交的で機知に富み、口もうまく、周りでカリスマ的人気になる人も多いそうである。そう思うと、確かに、そんな感じで人気の芸能人や商売人もちらほら散見されるように思える。さらに言えば、このように機知に富み、恐怖心のない人間こそがフロンティアを切り開く冒険家(起業家)となって人類社会の発展を生み出している可能性すら言及している。その証拠として、これだけ社会的害悪が強いサイコパス的傾向をもった人間が淘汰されず今日にも一定%存在していることを作者は挙げている。なるほどそうなのかもしれない。
脳科学者である作者はサイコパスの生理学的なメカニズムを大量の論文から挙げて解説をおこない、その研究成果の一つとして、歴史的人物のサイコパスの可能性に言及している。曰く、毛沢東、スティーブ・ジョブス、ピョートル大帝、ジョン・F・ケネディ、ビル・クリントン、織田信長、そしてなんとマザー・テレサもサイコパス的傾向の強かった人物としての論考がなされているそうである。そうしてみると、上記の"サイコパスによる社会進化説"もうなずけるような気がしてくる。
さて、勝ち組、負け組サイコパスの分水嶺は「逮捕歴」にあるそうで、逮捕されないでいたり、逮捕されるまでには至らないレベルで"ルールハック"を繰り返し周りを巻き込み続けるサイコパスの研究はなかなか進みずらいらしい(「あんたサイコパスかもしれないから、研究させてください」と言うのはなかなか難しい)。それでも、「道徳のジレンマ実験」(「殺人鬼が村に侵入してきて、みんなで隠れている。その時に赤子が泣き出した時にあなたならどうする?」と問う思考実験)や「アイオワ・ギャンブリング課題」(ハイ、ローそれぞれのリスクとリターンを学習しながら行う賭けゲーム実験)、「ケビン・ダットソンのセフルチェックリスト」などの心理実験を通じてその傾向の強弱は取れるらしく、これらによって、最終章では自分や自分の身の回りにいるかもしれないサイコパスの見分け方やそれらの付き合い方や抑制方法などについて言及をしている。さらに前向きなことにはサイコパスに向ている職業を提示してその希少な能力を有効活用をお勧めをしている。この考え方はなかなか斬新で、確かにADHD等も最近は天才のふ卵器として見直されてる中では、サイコパス的傾向やそのルールハック力やKY力は、硬直化した社会に風穴を開��るように作用させられるかもしれない。大事なことは周りの十分な理解と良い方向に才能を結び付けられる社会的柔軟さなのではないかと思えた。
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世間で言われているサイコパスは、本当は違うらしい。
良い事か悪い事かを考えずに、徹底的な行動に移せる人というのが適切な定義のようだ。悪いサイコパスはよく思われる猟奇的な殺人犯、良いサイコパスはスティーブジョブスみたいな感じ。
ちょっとしたサイコパステストで、自分もサイコパスの可能性があると出た。
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サイコパス(精神病質)について書かれたものではあるが、サイコパスとは何なのかが宙ぶらりんのまま終わる残念すぎる新書。
サイコパスはテストの各項目によって診断され、各人のスペクトラム(まちまちの程度差)が出る、サイコパス≠凶悪犯罪者である、ということは理解できるものの、
「あの歴史上の偉人も、世間を騒がせる有名人もサイコパスかもしれない」ような具合で列挙されると、さすがに軽々しく思われ、三文記事のような印象になっている。
またサイコパス特性が、戦時下やある部族社会などにおいては有益ともなりうる、とまで視点を変えられてしまうと、判然と分類できる概念なのか、却って疑問を深めてしまった。
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脳科学の立場からサイコパスについてあれこれ
多くのトピックを浅く扱っているので軽くてすぐ読み終わります。
暇つぶしにどうぞ。
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冒頭の列記されたサイコパスの特徴を読んでるうちにアメリカの新大統領になったあの人もそうに違いないと思えるようになった。息を吐くように嘘を言うし、人からどんなに非難されても蛙の面に小便。人との共感性もない。とりあえず注視するしかない。
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サイコパス興味深い。共感する働きが弱くて、自分にとっての最善だけを迷わず選べる脳。そんな”異常な”存在でも遺伝子が生き延びてきたのは、サイコパスたちが偉大な業績ものこしてきたから。新書ってどうしてもキャッチーでこじつけになっちゃう部分があるから、そのへんは目をつむるとして、とにかく興味深い。
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織田信長やスティーブ・ジョブスがサイコパスってのはわかるが、マザー・テレサもサイコパスだったというのは知らなかった。(調べると色々出てくるが)
自分もサイコパスかな?と思っていたが、セルフチェックでは平均を大幅に下回る結果で、全く該当しない事がわかり、少々イガイだった。
サイコパスには良心がなく合理的な判断をするとの事だが、恐怖や不安を感じにくくリスク管理が甘い(よく言えば冒険心がある)ようで、その点が自分とは異なるのかなと感じた。だから対サイコパスとしては、徹底的に合理的な恐怖(生命・財産・権利を奪う)を与え、行為を起こさせないように萎縮・抑制させるのが有効なのではないかと感じた。マクロ的にはその辺の法整備や制度設計が今後の課題だろう。
身近にそういう人間がいて危害がある場合には正義は通用しないので、損得で追い詰めていく必要がある。また予防策としては目立つ人間を信じない事、常に疑う事かな。
収穫だったのは「愛情・友情・助け合い」は美しいものではなく脳が勝手にそう判断しているだけであり、種として生き延びるのに便利だから重んじられてるだけという事。サイコパスは脳異常により、遺伝的に良心や倫理を重んじる事ができないそうだ。それでも淘汰されずに1%の割合で生き残っているというのが興味深い。人類にとって必要悪という事になるのだろうか。自分に直接の害がなければ存在は構わないが、もうちょっと遺伝子的に淘汰されてもいいような気はするが。
中野信子はTVのコメントでは冴えてるのに書籍はイマイチという印象があったが、出版重ねて除々によくなっている気がする。
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近年、脳科学の劇的な進歩により、サイコパスの正体が徐々にわかってきた。脳内の器質のうち、他社に対する共感性や痛みを認識する部分の働きが、一般人とサイコパスとされる人では大きく違うことが明らかになってきたのである。
例えば、村に殺人鬼がやってきて、みんなで隠れていたとき、息を潜め、音を立てないようにしなければならない状況で、赤ちゃんが泣き出したら、ほとんどの人は、なんとかして声が漏れないように工夫すると答えるのに対し、サイコパスは、迷わず絞め殺すと答える。
また、臓器移植を必要とする(しなければ生きられない)複数患者が目の前にいるとき、身元不詳の若くて健康で家族のいない青年がやってきたとき、サイコパスは、青年を殺し、臓器を分け与えると答える。どちらも、その方が合理的だから、というもので、熱い共感がなく、それによって道徳性に問題があるからである。
それ以外のサイコパスの特徴としては、
・外見や語りが過剰に魅力的で、ナルシスティック
・恐怖や不安、緊張を感じにくく、大舞台でも堂々とする
・倫理的理由でためらいや危険を感じてやらないことを平然と行い、挑戦的で勇気があるように見える
・お世辞がうまく、有力者を味方につけたり、崇拝する取り巻きがいる
・常習的なウソや話を盛る。自分をよく見せるため、主張をコロコロ変える
・ビッグマウスで、飽きっぽく、物事の継続や、最後までやり遂げることが苦手
・傲慢で尊大、批判されても折れない、懲りない
・付き合う人間がしばしば変わり、付き合いがなくなった相手を悪く言う
・人当たりはよいが、他者に対する共感性が低い
などがある。
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「悪の教典」「偽りの隣人」「羊たちの沈黙」などのサイコパスが出てくる映画を立て続けに観て興味を持ったのと、岡田斗司夫が紹介していたので読んだ。実社会にも程度の差こそあれ存在すると聞くと、自分は大丈夫なのかなと心配になる。いろいろな障害やらが細分化された現在において「普通」とは何か?他者に迷惑をかけないサイコパスであれば全く問題がないだろうし、むしろ人類の発展に寄与するだろう。そしてまた、種として生き延びるのに有利だったからサイコパスが存在しているともいえるだろう。
道徳による判断ではなく、「合理的なのだから、それが正しい」と考えることの何が悪いのかと思う。道徳とされることが必ずしも正しいとは限らないのだし。最終的には「美的判断」であろうと思う。何が自分にとって社会にとって美しいのか。
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サイコパスを知る入門として参考になった。新書だし、パッと読み終えてここから主要な文献について辿っていく事もできるだろう。
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サイコパスを多角的な視点で捉えた本。
殺人を犯す過程だったり、脳化学的な視点だったり、サークルクラッシャーだったり。
私自身、サイコパス傾向があると思っていたが、セルフチェックをしてみると一般人に分類されるようだ。
極端な事例が多く、もう少し日常に潜むサイコパスの研究をしてみたいと思った。
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専門用語が多くてなかなか内容が頭に入ってこなかった。
同じことを何回も繰り返し述べているところもあり、飽きることも。
ただ、サイコパスといっても勝ち組や負け組といったタイプがあるのだと知った。
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お友達にサイコパスっぽい人がいる。ある人からこの本を勧められて読み始めたが、最初の数ページで、頭の中のモヤモヤがパーっと晴れていった気がする。サイコパスっぽい友達は、「ぽい」だはなく、明らかに「サイコパス」だ。そう思って付き合えば、すべての疑問が解決できるし、もっと笑顔で付き合える。サイコパスは犯罪者とは限らないが、心底信用して付き合うにはいくつかの注意点がある。この本は、そんな身の回りに潜んでいるサイコパスな友人との付き合い方を指南してくれる本だ。
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【要旨】サイコパス=相手の考えていることは理解できるが共感できない人。一定数いることで役立ってきた?
一章、特徴:心拍数が低い→緊張しにくい(プレゼンがうまい)、スリルを求める。積極性が高く周囲をかえてしまうためにストレスがない。最後通牒ゲームで相手が多くとっても損得を優先して拒否しない。
二章、偏桃体(感情)が弱く、前頭皮質(良心)との結びつきが弱い→強いと逆に鬱やパニック障害に。良心は社会によって変わるから、後天的に学習する必要がある。罰より見返りをほしがる。
【コメント】
サイコパスがどういう人か、については概ね本を読まなくてもわかっているような内容だった。詳細の記述は目新しさはあるものの、そこから生まれる結論は平凡。
むしろ、日本でサイコパスがこれだけ持て囃されるようになったのはなぜか考えてみる方に価値があるのではないだろうか。平気でうそをつく人、相手の気持ちを理解できない人というのは昔からいたはずだが、なぜ今注目されるのか。協力型の非サイコパスが勝ち組になれなくなってきて、競争型のサイコパスが勝ち組に占める割合が増えてきたのだろうか。閉塞感のある社会こそ、サイコパス的な、異端児的な人しか成功しなくなるのかもしれない。