紙の本
心理誘導のうまさ。
2017/01/05 08:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人的には「石榴」にぞくりとした。
登場人物同士の心理誘導の描写のみならず、そこに焦点を当てて、読者の意識を結末へ惹きつけつつ先を読ませない作者のうまさ。
これが江戸川乱歩が現在も読まれる理由の一つだと思う。
既読の「心理試験」「人間椅子」もあいかわらずいいが、随筆に当時の推理小説におけるトリック事情などが見えるのもいい。
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『湖畔亭事件』『心理試験』に代表される、乱歩の『謎解き』を主題にした探偵小説と随筆3編を収録。編者は湊かなえ。
乱歩は何度読んでも面白い。光文社文庫の全集を引っ張り出してみようかな……。
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既読の作品が多かったですが楽しく読みました。「赤い部屋」「人間椅子」がやっぱり好き。わたしも、乱歩の長編で一番好きなのは「孤島の鬼」です。作家さんが選ぶ乱歩作品も興味深いです、他のシリーズも読みたいです。
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人には言えないが、心の片隅に眠っている
人間の倒錯した欲望が一種幻想的ないろどりを加え
作品に単なる事件、トリック、探偵ではない
ねっとりとした空気を纏わせているのだろう。
全て明らかになったかと感じた直後に真相が明らかになる
収録作2、3、4、真相が明らかになっていない可能性の
余韻が漂う収録作1、5、推理小説ではない収録作6
に随筆3本。
やはり収録作5『人間椅子』
気味の悪い恐怖のどん底に陥った直後、
できすぎたタイミングで真相が明らかになった、
かと思うのだが、、、では、なぜそんなにも気味の悪い
手紙を書けたのだろうか。いやいや、まさか、もしかして。
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「人間椅子」という一短編のために借り、読み終えた。あとは編者解説に目を通すだけにしようと、当該箇所を開くと「必ず、本編読了後にお読みください」
湊かなえが、わざわざこう書いたってことは、本編の後に解説を読んだほうがおもいしろいのだろうと考え、結局全部読むことにした。
行替えが少なく読みにくく、時間がかかった。
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はじめての江戸川乱歩作品。短編集だがぐんぐん引き込まれる。古い作品なのにどれも人間心理を上手く利用していて共感、そして驚嘆する。
殺人を犯す登場人物たちの語り口調も独特。皆に共感を誘い、自分がどれほど愚かなのかを理解しつつも読み手(聞き手)にも理解してほしいと叫んでいるよう。
なにをしても退屈で仕方ない、というのはわたしも同じだ。だが暇つぶしで殺人トリックを考えたり、ましてや実行したりすることはできない。だから興味深い。ひとつの作品に2つも3つもトリックがあり江戸川乱歩の手数にも驚いた。
明智小五郎や少年探偵団など他作品も読んでみたい。
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久しぶりの江戸川乱歩!!!
どんどん話の中に吸い込まれていく、、、。
事件の内容が怖いけど
それより結末にいつも震えが止まらなくなる。
まだまだ色んな本が読んでみたいと思った!