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事件シリーズ3作目、最近株が急上昇
主要な登場人物の中では、ムガンドゥ3世が印象深い。彼は「自分が何をしたいのか、何者なのかを掴むことができていなかった」のではないか。いわく「犬のように」組織の拡大・強化に腐心する父、そんな父から伺える「世界に歯向かおうとした」祖父・・・彼らの後に続き、強大な力を持った3代目は・・・この構図はシリーズ一作目で本人が語っていたものと変わっていないのも素晴らしい。
作品それ自体はシリーズ他作品と同様、大きな事件を物語の柱としつつ、散りばめられた伏線をていねいに回収していく。
本作はそれが非常にハマっていると感じた。作者は箱庭小説が得意なのではないか
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シリーズ三作目。「殺竜事件」の三人組が再登場。いや、ヒースロゥとEDは前作でもチラッと出てきてたけどさ。
密室殺人事件。水晶に閉じ込められた死体。水晶を作る魔法というのがただ一人しか使えないのだけど、彼が行ったようには思えない、と。こんな感じ。
これもやっぱりファンタジィ世界での謎解きなので、その世界の原理を理解していないことにはどうしようもできず。「これこれこういう魔法があるんです」と言われたら、ああそうですかと言うしかない。ただ一応そういうものがあることを事前に述べているわけだから、伏線がないというわけでもない。トリック部分に関しては一作目よりは落ちるけど、二作目よりはマシ、といった印象。
主人公は多分レーゼ・リスカッセだと思う。けど、視点が結構あちこちに飛ぶ。舞台が一箇所だけじゃないと言うのもあるし、過去の回想が入り込んだり、海賊島を収めるインガ・ムガンドゥの話とか織り交ぜてあるし。ちょっと飛びすぎ、という気もする。
このシリーズはぶっ飛んだキャラクタも多いけど、ちゃんと地に足ついてる人も多いというのが好き。〈落日宮〉の支配人ニトラ・リトラとか、タラント・ゲオルソンとか。いいキャラクタだよなぁ。
この話も再読だけど、よく思い出してみたら初読時にも「モローがキリラーゼに対する印象を曖昧に述べたこと」(反転処理)に違和感を抱いていた気がする。EDもその部分をついてきていたけど、この点に関してはちょっと伏線を張りすぎているのじゃないのかな。これくらいでいいのかしら。
ラストのオチが良い、この話。最後で一気にムガンドゥ三世が好きになった。
05.01.17
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ED事件シリーズ第3弾は海賊の島が舞台です。
殺人事件を中心に物語は展開するのですが、それ以外の出来事が「本当の事件」だといえます。不可思議な現象は殺人以上のミステリーを秘めているのだと思います。
また殺竜事件を読み返さなければ!と思いました。
月紫姫も1作目登場人物ですからね。
前作で登場した魔術師が大きな役割を果たしていたりとシリーズがいい感じでリンクしています。紫骸城事件も読まなければいけなくなりますね。
そして、この物語の主人公ともいえるインガ・ムガンドゥ三世。かなり頭が良く、無敵。今後もぜひ登場してほしいキャラです!
この事件シリーズ、金子氏のグラフィックでアニメ化すれば間違いなく面白い作品になると思います。1年に1巻ペースの発売なので多くは作れませんが、観たいです。
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上遠野浩平の独特の世界感が味わえる、
異世界SFミステリー第3弾。
今回も「悪魔絵師」こと金子一馬氏による美麗なイラストが表紙を飾る。
通称―海賊島に“落日宮”殺人事件の容疑者、スキラスタスが逃げ込んでくる。
引き渡しを迫る大国ダイキ帝国は、魔導艦隊の武力制圧を通告した。
拒否する海賊は“代打ち”にカッタータの特務大尉―レーゼ・リスカッセを指名するのだった。
なぜ、ダイキ帝国はスキラスタスを追うのか?
なぜ、海賊は容疑者を引き渡さないのか?
事件の真相は“この世で最も美しい死体”となった夜壬琥姫が握る!?
戦地調停士―エドは、カシアス・モローを助手に殺人事件の全貌を探るが…。
事件シリーズ1作にちょろっと出た、海賊首領が出張ります!
ムガンドゥ三世の過去と秘密、新キャラ・カシアス・モローの策略、
レーゼとムガンドゥ三世とヒースロゥの三角関係(?)などなど
今回も一気読みする面白さでした。
ラストはある意味、衝撃です。(笑)
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ムガンドゥ一族が統べる島――海賊島。この海賊島に、国際的高級サロン〈落日宮〉で起きた密室殺人事件の容疑者が逃げ込んだ。
ダイキ帝国の魔導艦隊は容疑者の引き渡しを要求するが、ムガンドゥ三世はこれを拒否する。全世界が緊迫する中、ムガンドゥ三世は一人の女を呼ぶ。レーゼ・リスカッセである。
レーゼは戦地調停士EDにある指示をする。それは、〈落日宮〉で起きた密室殺人事件の真相究明であった。
みんな大好き(?)ムガンドゥ三世がメインとして登場する、事件シリーズ三作目。
事件シリーズの中でも特にファンの多い作品ですが、納得です。
まず『殺竜事件』の主人公三人組やムガンドゥ三世、他にも魅力的なキャラクターがたくさん出ていること。前二作に出てきた脇役も出てきます……あ、ムガンドゥ三世もそうか(笑)
今作のミステリ部分はなかなか良かったです。だけど、正直この作品はミステリ以外の話が重要かと。というか、ラストのインパクトがあまりに凄すぎて、ミステリ部分の印象が薄くなりました(苦笑)ただ、このラストこそがこの作品の質を一気に上げているとも言えます。
ますます面白くなる事件シリーズ。次作を読むのが今から楽しみです♪
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事件シリーズ3作品目の海賊島事件ですが、その発端は落日宮という高級サロンで起きた殺人事件。世にも美しい、クリスタルに閉じ込められた死体が鎮座していた…!魔法が存在するファンタジー×ミステリーをここまで自然に書き上げられるのは彼だけだと思う。
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やはり「殺人事件」であることを強調する意味は感じないが、一作目で活躍した三人が出てきたので、二作目より楽しく読めた。ストーリー自体もよく出来てますが、各キャラの人生哲学というか、彼らの生き方も私の好みに合っている。
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殺竜事件の3人が登場。前作の女盗賊ウージィ・シャオもチラッと出てきたりと、色んな人物が絡んできたり、色々な場所へと視点が変わっていくけれど、それが集約していくのが面白い。
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大抵、最初にサービス的に過去作品に登場した人物がでてくる。今回はウージィ・シャオ(紫骸城事件で登場)がお姫様の親友としてちらっとでる。
殺竜事件でも登場したムガンドゥ三世が主役。風の騎士ヒースロゥとリーゼ大尉とEDはおまけ。
ネタバレすると
ある姫様がクリスタルに固められて殺された。
しかし実は自殺でしたオチ。
とはいえ、その自殺はかなり巧妙で自殺と言えるかどうかは微妙なところ。
どうせ病気で死んでいたし、魔法で死ぬにしてもその魔法は人が使った魔法だし。
その謎をとくのにEDはヒースロゥとリーゼとは別行動をとりながら事件を解決する。
もう一方の海賊島ではムガンドゥ1世から3世にかけての運命にまつわる話。
殺しの容疑者として、クリスタル芸術家のスキラスタスが挙がるが、
彼はは海賊島にいるという情報がはいり、殺された姫様の国であるダイキ帝国は海賊島を軍艦で取り囲む。(実はそれは口実だったりするのだが)
これを中立として調停するのが調停士ED・・・ではなく、ギャンブラーとして見込まれたリーゼ大尉だったりする。
ムンガドゥ1世は世界をものにする夢があり、それをひょんな形でついだ2世は1世の夢に惚れただけで、彼自身に夢というものはなかった。2世の死を冷淡に見つめていた3世も、どう生きればいいのか悩んでいる節があり、最後のリーゼへの「これからどうしましょうか」の一言はなんだか本気とも思える。
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戦地調停士シリーズ 第3弾。
タイトルからしてムガンドゥが主役かと思ったら
いきなり、それから50年って・・・
背景は魔法が存在する世界の密室殺人事件。
殺竜事件の三人:ED、ヒース、リスカッセが揃った!
落日宮でEDが殺人の捜査をして、海賊島では、
容疑者引き渡しを迫る帝国軍勢に対して、風の騎士ヒースを
伴ってリスカッセが調停。
結末は、まぁ~推理できないので、そうだったのかぁ~と
まんまと転がされたわけだけど、基本、転がされたいので
よしとしましょう。
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海賊。――それは常に奪う側に立ち、奪われる側には決して立たぬ者。魔法が文明を支配する世界で、海賊ムガンドゥ一族に危機が訪れる。全面戦争も辞さぬ強大な魔導艦隊が彼らに要求するもの、それは完全密室の中で起きた殺人事件の容疑者だった――全世界が緊張する中で海賊は一人の女を呼ぶ。この世で最も美しい死体と、三代に亘る一族の歴史をめぐる因果の先に待つものは、勝利か敗北か、それとも――。
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事件シリーズその3。
ムガンドゥ3世がすごすぎる。ミステリー要素もあるが、今巻ではムガンドゥ1家の系譜のお話の方がメインなきがする。
なお、今巻においてはなぜかな~んとなく種がわかった。のだけど、それを目指して読む作品ではないかな。