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【感想】
一斎が後半生の四十余年にわたり記した随想録「言志四録」。
指導者のための指針の書とされ、西郷隆盛の終生の愛読書だった。
本書の一文である「少くして学べば、則ち壮にして為すことあり 壮にして学べば、則ち老いて衰えず 老いて学べば、則ち死して朽ちず」は、ときの総理大臣である小泉純一郎も会議で述べたという。
この作品を一言で言い表すことなんて到底できないが・・・
要するに「生涯学び続ける必要性」を謳っているのではないかな?と思った。
学び続け、学んだことを活かして準備をし、作戦を練った上で事に興す。
文中で1番気に入った文章はコチラ。
「最期のお迎えが来るその日まで、自分がやるべき事をコツコツとやり続ける。
休むのはお墓に入ってからでいいというくらいの気持ちで日々集中すれば、不安も恐れもなくなります。」
愚痴ったり、ゆっくりするのはお墓に入った後でいくらでもできる。
生あるうちは、走りきってナンボだなと読んでいて強く思った。
【内容まとめ】
1.新たな時代を切り開いた人々の活力。そして論語に見られる人生に対するブレない見方。
「言志四録」はこれら二つの要素を持ち合わせた、類まれなる書なのです。
2.人が仕事をするにあたって、成功する目安をつけてから着手すべき
3.利を興すは害を除くに如かず。
→利益になる仕事を始めるよりは、害になるものを取り除くに越したことはない。
儲けようとするより、害を減らすことを考えた方がうまくいく。
4.「予測力」が実力を左右する。
人が焦るのは、自分が思ってもいなかった事態に直面したとき。
人は焦った時に持てる実力を発揮できなくなる。
常に「想定内」であり、対処法はすでに考えている事が重要。
5.三学の教え
「少にして学べば、則ち壮にして為すこと有り。壮にして学べば、則ち老いて衰えず。老いて学べば、則ち死して朽ちず。」
→「少・壮・老」人生はいつでも学ぶべきときである。
6.人生の収支は、今日一日の積み重ね
昨日を送り、今日を迎え、今日を送って明日を迎える。
人間の一生は、長きを保ってもこのようなことを繰り返しているに過ぎない。
その日その日を慎むように生きねばならない。
1日を収支決算で考えたとき、あなたの今日はプラスだったでしょうか?
必ず毎日をプラスで終えるよう、何か工夫を凝らしましょう!
7.日々、やるべきことをやること。
最期のお迎えが来るその日まで、自分がやるべき事をコツコツとやり続ける。
休むのはお墓に入ってからでいいというくらいの気持ちで日々集中すれば、不安も恐れもなくなります。
毎日毎日、目の前のことを一生懸命やり続け、ある日さっとお迎えが来る。
それが理想の生き方・死に方ではないでしょうか?
【引用】
幕末の儒教者である佐藤一斎の著作「言志四録」は現代においても最強の人生指南書である。
新たな時代を切り開いた人々の活力。そして論語��見られる人生に対するブレない見方。
「言志四録」はこれら二つの要素を持ち合わせた、類まれなる書なのです。
p27
・仕事を行うときは、自分の度量と才能から予測してやりなさい。
人が仕事をするにあたって、必ず自分の度量と才能と力量でその仕事を成し得るかどうかを計り考え、成功する目安をつけてから着手すべきである。
ただし、若いうちはこれが得意と決めてしまわず、色々な仕事にチャレンジすることをお勧めします。
どのような仕事でも、量をこなすことでうまくなっていくもの。
p39
・攻めざるを以て之を攻むるは、攻むるの上なり。
→攻めている方よりも守っている方が上である。
守る者には余裕があって、攻勢に出る者はかえって力が足りない。
p42
・利を興すは害を除くに如かず。
→利益になる仕事を始めるよりは、害になるものを取り除くに越したことはない。
儲けようとするより、害を減らすことを考えた方がうまくいく。
p51
・過去よりも現在の過ちに目を向けよ。
→今の行いの結果を過去として見てみる。
未来の事についていいイメージを描くシミュレーションはよくするが、悪い結果を思い描くことをあまりしない。
あえて悪い結果をイメージし、それを過去のものとして見ることで、今の過ちに気付く事ができる!
「あの時もっとこうしておけばよかった」と思うようなら、今やっているやり方の間違いを認め、問題点を探し、改善すること!
p62
・出来るだけ高い視点を身につければ、道理が見えて迷う事がなくなる
(着眼高ければ、則ち理を見て岐せず)
人が成熟するとは、自己中心性を離れる事だという教え。
より高い視点を持つことをいつも心がけていると、狭いところの議論では見えなかったものが見え、他の人が気づかない大切なポイントを提示することができる!
縦の視点と横の視点、両方を身につければ、それまでとは異なる「道理」が見えてくる!
自己中心性を離れるというのは、自分の視点に縛られなくなることを意味する。
p66
・「予測力」が実力を左右する。
→事を幾先に見る
人が焦るのは、自分が思ってもいなかった事態に直面したとき。
人は焦った時に持てる実力を発揮できなくなる。
常に「想定内」であり、対処法はすでに考えている事が重要。
p95
・聡明にして重厚、威厳にして謙沖(けんちゅう)。
→上に立つ者は、さとく明らかに物事を洞察し、おもおもしく穏やかであり、その態度は威厳があって、へりくだって、わだかまりがない。
p138
・三学の教え
「少にして学べば、則ち壮にして為すこと有り。壮にして学べば、則ち老いて衰えず。老いて学べば、則ち死して朽ちず。」
→「少・壮・老」人生はいつでも学ぶべきときである。
p168
・言を聴く時には虚心坦懐
人の話は心を空っぽにして受け入れるべきである。
私たちは、自分の考えや社会の常識といった先入観でもって、人の言葉を聞いてしまいがちです。
p172
・アウトプットを考えながらインプットせよ
→外から教えを受けたら必ず内側でチェックし、内側で工夫したことは必ず外で実際に試しなさい。
インプットの上手な人は、最初からアウトプットをするものは何かと考えながらインプットする。
p183
・「言葉を選ぶのではなくて、言う相手を選ぶんですよ。」
ほとんどの人は「何を言うか」ばかりに気を取られていて、「誰にどう言うか」ということに頭が回っていない。
人間関係でトラブらないために大切なのは、言葉選びだけではなく、まずは人の見極め。
p235
・人生の収支は、今日一日の積み重ね
昨日を送り、今日を迎え、今日を送って明日を迎える。
人間の一生は、長きを保ってもこのようなことを繰り返しているに過ぎない。
その日その日を慎むように生きねばならない。
1日を収支決算で考えたとき、あなたの今日はプラスだったでしょうか?
必ず毎日をプラスで終えるよう、何か工夫を凝らしましょう!
p248
日々、やるべきことをやること。
最期のお迎えが来るその日まで、自分がやるべき事をコツコツとやり続ける。
休むのはお墓に入ってからでいいというくらいの気持ちで日々集中すれば、不安も恐れもなくなります。
毎日毎日、目の前のことを一生懸命やり続け、ある日さっとお迎えが来る。
それが理想の生き方・死に方ではないでしょうか?
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西郷隆盛の座右の書として有名な「言志四録」。
これを齋藤孝さんが解説している本。
「聡明にして重厚、威厳にして謙冲」
「春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛む」
「一日慎まずんば、醜を身後に遺さん」
など、有名な言葉を身近な事例から自分事として学べる。学べるのだが、若干かみ砕きすぎの感あり。齋藤さんの “おしゃべり” が多いかなという読後感。
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言志四録を読みたいな、まずはとっつきやすいのから、と思って読んだ本。著者が仕事、人間関係、学習、人生論と分けて条項をピックアップして解説を加えている。