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ようやく自立した価値観を確立した
2018/12/07 02:19
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
副題の「ニュークレアフュージョン」の日本語訳「核融合」がこの巻のテーマです。
研究不正を追及する、より高度で専門的な部署へ異動になった一般職・水鏡瑞希は、上司の女性キャリア官僚と組んで、核融合研究の検証に取り組むことになったのですが、大した仕事もできないうちにトラブルに巻き込まれてしまいます。
ネタバレにならないように感想を書くのはちょっと難しいのだけど、「味方と思ったら実は騙されてた」パターンで瑞希はかなりの人間不信に陥ってしまいます。その疑心暗鬼がストーリー展開をよりサスペンスなものにしていると思いました。やたらと専門用語も登場しますが、瑞希自身が、「難しいことは分からない」と言っているのだから、そこは主人公と同レベルの(無)理解でスルーするのがお話を楽しむコツかと思います。
この巻は瑞希の内面にも結構踏み込んでます。やたらと推理が得意で、おばあちゃんの知恵袋的な雑学も豊富にある彼女ですが、キャリア官僚に囲まれて、常に下に見られる一般職という立場にある彼女は、自分が偏差値の低い大学出であることに劣等感を持ち、「人の役に立ちたいのに」と焦りながら、特有の正義感で結構向こう見ずな行動に走ってしまいます。これまではそれで結構結果が出せてきましたが、さて今回は?本人はかなり葛藤してます。
葛藤の末に到達した心境は:「必要とされる存在になりたい、そんなことは考えずに生きよう。必要を感じるかどうかは他人の自由だ。そんな他人の思いに自分の願いを託しても意味がない。」
ようやく自立した価値観を確立した、と言うところでしょうか。今後の活躍が楽しみですね。
電子書籍
必ず買います
2017/01/15 12:24
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投稿者:misty - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回のはいつも違うパターンでしたがワクワクしてページを読み進めました。
紙の本
サスペンス度満点
2016/12/25 08:35
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
瑞希は劣等感と焦りにとらわれ、騙されたと思って疑心暗鬼に陥る。そのことがストーリー展開のサスペンス度を高くしている。疑心暗鬼な分、後のドンでん返しが有効になるというか。
にしても、好奇心というか問題を解決したい一途さは評価するけど、「知らない人についていっちゃだめでしょ」と言いたくなるのは私だけではないはず。向こう見ず過ぎ。
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水鏡推理シリーズ5作目。
今回から、文科省の「不正調査タスクフォース」から「研究公正推進室」へ異動。ついに正式チームになって活躍を期待する瑞希だけど・・・
このお話はだれが信じる相手なのかわからなくなってしまうね。でも親はうざく感じても、絶対的に子供の味方なんだなぁと。
本作はタイトル通り、核融合のお話。
読み終わってやっとわかるという自分がいた。
英語・・・できなさすぎだな(笑)
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霞が関の暗部を暴露!現役官僚も注目の問題作
ノンキャリの問題児・水鏡瑞希の異動先は文科省最前線。最先端技術の理解に四苦八苦中の瑞希は何者かに拉致される。巨額予算が認められた難プロジェクトの裏に動く驚愕の事実とは?霞が関も注目の超問題作。
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前作もそうだったが、サブタイトルにだまされるというか・・・家族愛が重要なテーマなのだろうか、前作は父と、今作は母と、いい話だった
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部署が変わっても、似た感じの仕事(?)
今回は「核融合」それから「妊娠、不妊バクテリア?」がテーマ
今回は事件というか、からくりがわかるのは早めだけれど
それから後、完全解決までの道のりが長かったです。
しかし、室長が敵じゃあなくてよかったです。
「妊娠」にも絡んでいるせいか、
家族愛ももう一つのテーマとなっています。
お母さんとも(お父さんは以前に)
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シリーズ第一弾と同じくらい、いや、それ以上に面白かったかも! 難しい科学用語にあまり振り回されず、展開に引き込まれました。
以下ネタバレ含みます
味方と思ったら実は騙されてたパターンは過去の松岡作品でよく見られるストーリーだったので、室長が敵でなくてよかった! 今まで、あまりにヒロインが青臭かったので、今回見方も得て、成長したようなので次作が楽しみです。いい加減、恋もさせてあげてほしいです
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水鏡推理シリーズ第5弾。今作から文庫書き下ろしに変わり、手元に届くのに時間がかかった。タスクフォースでの実績を認められた瑞希は、研究公正推進室に異動になることから始まる。タスクフォースでは人の出入りが激しく、浮いていた瑞希にも新しい親切な先輩が出来て、前途洋々かと思いきや、いきなり、不正に巻き込まれる。同時に不妊バクテリアのターゲットにもされ…相変わらず、一見いい人が悪に手を染めていて、どこまで人を信じていいのか、分からない。ラストも、私も瑞希と同じように疑っていた。今回のテーマも核融合と難しいテーマだけど、核融合にも2つの意味があり、いろんなことを考えさせられる一冊。
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ダメだ。シリーズを通して読んできたけど、ここまでが限界かもしれない。専門用語がサッパリ分からないので、意識がそのことに囚われてしまって、ストーリー全体を楽しむ余裕がない。
ただ今回瑞希のモノローグですごく好きな部分があった。
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必要とされる存在になりたい、そんなことは考えずに生きよう。必要を感じるかどうかは他人の自由だ。そんな他人の思いに自分の願いを託しても意味がない。
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必要とされたい病の私には、とてもグッときた。瑞希のように思えるようになりたい。
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シリーズが進むにしたがって現実味が薄くなっているような気がしないわけでもない。
楽天ポイントで購入
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今までのもそうだったけど、今回はより家族との絆が深まっていく様に心打たれる内容だった。
事件の解決の方がいつもより早めで、先の内容に主眼が置かれてたような気がする。
瑞希とその家族と、とりまく社会環境と。どんどん成長し、変わっていく様はどれも輝いて見える。
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シリーズ5作目です。
顔見せの1作目、
実際の研究不正事案をモデルにした、
2作目、3作目ときて、
オリジナルの研究不正を持ってきた、
4作目のあとの本作品となりまして、
ネタのクオリティの維持に、
多少の心配もありましたが…、
本作品では、
研究テーマとした「核融合」に、
「エネルギー」と「不妊治療」の、
ダブル・ミーニングを当てた上で、
不正のミスリードの軸としており、
結構渋いところを突いてきたな~、
と、ちょっと関心もしました…(笑)
本作品では、
最後の家族愛がよかった的な書評、
まあまあ、目にもしますが…
ボクは、その辺りはそこそこで、
ミステリーのカラクリの妙から、
1本のライトミステリーとして、
十分に面白かったです。
また、本作品では、主人公が、
これまでのタスクフォースから、
研究公正推進室なる新たな組織に、
移動してきましたが…、
その辺りの、作品への効果?は、
まだ、出ていなかったでそぅか…?
上司の言動も、ちと熱すぎたかも?
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シリーズ一気読み最新刊へ
核融合のダブルミーニングがすべてと言ってしまえばそれまでだが、ちょいちょい興味を持つネタ(携帯の合成音声とか)をはさみつつ最後まで
最後の展開は読者の予想を意図的に裏切っているのかな
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文科省一般職員・水鏡瑞希の不正研究ミステリー第5弾。
本作は、部署異動、不妊バクテリア、核融合反応、精神疾患等が絡んでくる。毎回思うが、一見関係ないことのように思える事柄を提示しながら、後半にうまいこと伏線を回収していく。
さすがにマンネリ感がするかと思ったが、そんなことは全然なかった。まだまだ新作を楽しめそうだ。