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ゲノムに書かれたこころの秘密、
あなたはのぞく勇気がありますか?
遺伝子から脳の秘密に迫る科学者が
個人ゲノム解析時代の希望と課題を描きだす。
脳の疾患やこころの問題を、ゲノムから解明しようとするゲノム脳科学。
その急速な進展により、性格や知能と遺伝子の関係が続々と明らかになりつつある。
個人の遺伝情報を治療に役立て、相性をゲノムで占う社会はすぐそこまで来ている……。
斯界のトップランナーが、国内外の最新研究成果を踏まえ、パーソナルゲノム時代の可能性を展望する。
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また文系の私には驚異的なお話です。
脳の機能から人間とは?というアプローチをしている脳科学。それとは違うアプローチの仕方だけど案外正解に行き着いちゃうかも、と言うのが遺伝子からのアプローチです。
背景には遺伝子解析技術の急速な進歩があります。病気になりやすいかどうかなどを左右する遺伝子の型、10000パターン位に絞った検査なら、数万円、三週間ほどで結果が出る、と。「このペースで行けば数年のうちに10万円程度のコストでその人の全ゲノムの解析ができるのでは?と論じます。
また、遺伝子の特徴が病気に直接影響するのではないか?と言う例として統合失調症を上げます。実はマウスの段階では、遺伝子の操作によりほぼ統合失調症に近い症状を人工的に再現出来るのだそうです。
でもまだ、「こころ」とは何か、どう言うメカニズムで発生するものなのかは「分からない」。
人間のゲノム解読、ってついこの間のように思っていましたら技術はもうここまで来ているんですね。
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人が自分の設計図を二万ぽっちで見られる時代。うーわ。月並みな表現だけどやっぱり科学の進化には目を瞠る。郵送なら日本にいても出来るなぁ…ちょっと検討してみようか。
なんとなく「今までどんどん細分化していた学問の分野はこれからまた融合していくんじゃないか」と思っていたのだが、これを読んでその思いが強まった。とりあえず心理学と精神医学と脳科学は近いうちに融合するんじゃ。ていうかもうしてる部分もあるのかもしれないが。それに今回の遺伝学。同じ「心」の問題に別アプローチで取り組んでいたのが一つに纏まる未来がありそうだなー、なんて思えてならない。
ゲノムのアルゴリズムが全部解明される未来、「心」の定義は一体どうなっているんでしょうかね。
もしや今って「心」を神秘的なものだと思っていられる最後の時代なのかもしれませんね。
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>ゲノム全体のたくさんの遺伝子の機能に関する情報と、その全体的情報からある性質を推定するようなアルゴリズムを考案する必要がある
というのが示唆的だなと思う。
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遺伝子の8割は脳で発現していること、マウスのゲノムとヒトのゲノムは余り変わりないとうことが新しい知識となった。随分ゲノムの解読が進んできたが、まだまだ遺伝子情報をヒトの生活に活かしきるということができていないようだ。技術的なこと以外の問題もあるかもしれないが、今後の研究の成果に期待する。
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なかなか面白かった。遺伝子は性格に影響を与えるだろう。男と女が傾向として性格が違うと認めるのなら、遺伝子によって性格は変わることも認めないとならない。性別は遺伝子で決まるのだから。
気になったのは、ゲノム解析で向いている職業とか、病気になりやすさが傾向としてわかるという点で、これは確度の高い性格診断や占いがあったとして、それを聞きたいかということだと思う。たとえば「あなたは人付き合いが下手で、面倒なことをいやがります」と言われたってだからなんだよ、ということでしかない。職業だって向いている職業とやりたい職業が一致するかわからない。
占いは根拠がないことが逆にいいのかもしれない。不利な占いは信じなければいいんだから。
健康面は使いようかもしれない。たとえば胃がんになりやすい、ということがわかったら、まめに検診を受けるとか。でも、アルツハイマーになりやすい、ということがわかったからといって、どうすればいいんだろう?
情報は、それを使って未来をよりよくすることができてはじめて意味がある。遺伝子治療がもっと進歩して、あなたはアルツハイマーになりやすいからいまの内になおしちゃいましょう、ということになるのなら言うことはないが・・・・
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良くも悪くも、ゲノム研究の今を紹介するに留まっている。
一つ一つのスニップがどの遺伝子に関連しそうで、そこからこんな事がわかりそうです、といった内容でしかなく、科学的に正しい態度ではあるのかもしれないが今ひとつ反応に困ってしまう。結局、それほど興味が持てない場合、著者の言う「だからなに?」で終わってしまいそう。
ゲノムビジネスの今後の展開にもかなり期待しているようだが、利用する側の成熟を求める前に、もっと興味を持ってもらえる工夫がいるのではないだろうか。
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内容は悪くないんだけど、タイトルから感じるワクワク感が満たされなかった、と感じたので☆3つ。
結局「こころに影響をあたえるのはゲノムと環境のどちらもです」が結論で、そりゃそうだわな、という感じ。後半のゲノムビジネスについての考察はそれなりに興味深いけど、タイトルから期待していた「何か」とは関係ないように感じてしまった。
でも前半は、ぼくのような素人が遺伝子の仕組みから脳科学の触り、研究の実態に触れるには良い内容だったと思う。記述が丁寧なので、ちゃんと頭に残ってる。細胞核、染色体、遺伝子、DNA、mRNA、tRNA、アミノ酸、タンパク質、ATGC、SNIP...とかとか。
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ゲノムに関する研究はものすごい速度で進歩している。
病気あっての医療ではなく、個人の特徴に合わせた医療を提供するオーダーメイド医療の時代が到来。
誰もが気になる個人の性格や、ある病気のなりやすさなどを特徴づける遺伝子が次々と解読されている中、将来的に世の中に確実に普及するであろうオーダーメイド医療とどう向き合っていくか、その将来像を研究者の視点からわかりやすくかつ現実的に提起し、論じています。
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先日、ラマチャンドランさんの「脳のなかの幽霊」を読みましたが、この本が書かれた1998年時点では判明していなかった大きなできごとがあります。それが「ヒトゲノム・プロジェクト」です。そこで今回は、その最新の知見を踏まえた本を読んでみました。こころと遺伝子というテーマの研究についての新書で、「ゲノム脳科学(neurogenetics)」という分野だそうです。
どういう遺伝子を持っていると、こういう病気にかかりやすいという話はよく聞くんですが、いまは既にどれくらい社交的か、どれくらい新しいもの好きか、などの個性や性格、知能、数学の成績、記憶力などの知的能力に影響を及ぼしていると考えられるゲノム上の個人差が解析されてきているそうです。本当かな?と思ったのですが、読み進めるときちっと科学的な形で根拠が示されていました。面白かったです。
ちなみに帯には、血液型占いを信じる人にこそ読んでほしい!と書いてありました。科学の本なのだから、むしろ「血液型占いみたいな非科学的なものは信じない!」という人をギョッとさせるような言い回しの方が注目されるのではないかな?と思いました。血液型占いを明確に否定する科学的な根拠はほとんどないとか。
[続き]
http://wildhawkfield.blogspot.com/2012/02/blog-post_19.html
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ワクワクしながら読めた。小さい時、スーパーコンピューターがゲノム解析を24時間ぶっ続けで解析している。そんな話を見た記憶がある。それが今では数万で自分のゲノム解析ができるという。かかりやすい病気、気質を知り、自分の子供のゲノムをパートナーと比べる楽しみ。 楽しみだけでなく、ゲノム解析で起こるリスクも記載してあった事がまた一喜一憂せず考えるキッカケになった。 それでも、私はゲノム解析やってみたいな☆
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ふと思った疑問。
こころって遺伝するの?
性格が親に似るっていうし。じゃあ、こころはどこにあるの?
という疑問が少しわかる本。
でも、ニンゲンが細胞からできていてすべてにDNAがあるなら
脳細胞以外にもなにかしらの個人の記憶が残ることもあるのかな?
SF的だけど、生体移植した人がドナーの記憶を持つこともあるという
話もあるし。。
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一つの遺伝子がヘテロになっているだけで、2000遺伝子が変化している
αcamk2欠損マウスは歯状回での神経新生が増えている
未成熟脳を持った人を探した
これから10年間は精神疾患の時代?
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遺伝子と心についての話より,むしろ自分のゲノムを解析してもらえる23アンドミーみたいなサービスの現状・将来が興味深い。
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ゲノムってそんなにお安く解析できるんだなあって。
結局ゲノムとは何かっていうことの理解が出来たか出来ていないかはわからないけれど、わかりやすい語り口でそこそこ面白く読めた。
マウス実験において遺伝子がひとつ無効化されただけで、他のマウスを殺してしまう傾向が見られるようになるなんて衝撃。