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ことばと本、ひと、それぞれか生かし生かされ、作用できることとできないこと。俯瞰して感じられる一冊でした。
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古本屋「弔堂」を営む店主が後に著名な人物と出会い、その人のためになる1冊の古書を薦めるやり取りが面白い。
「どの本も掛け替えのない喜びを与えてくれた大切な大切な本。1冊として無駄な本などない=略=本来持つべきある方を探している。(P255)」との信念はホンスキーの皆さんも同じ思いだろうと思う。
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メモしておくのを忘れてしまったので、正確な言葉ではないけれど
本とは、既に死んでいるものである。
言葉は道具でしかないのだから、重いも軽いもなく、
ワードやエクセルを自在に使える使えないの違いみたいなものじゃないのかな。
早くて便利で確実だけど、淡白かもしれない。
どんな言葉を遣っても
そこに、強い意思や深い思考があるかどうか
自分でその言葉を遣おうとして遣ったのか
受け手に対して、適切に遣っているのか
そういうことが大事なんじゃないかなあ。
道具に慣れてしまうことはあるけど、
時々振り返ってみよう。
つづく。
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ゆっくりと味わいながら読みたい作品。
生きていると云うことは、ずっと未完ということ。
なるほどなぁ。
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明治、東京を舞台に書店「書楼弔堂」の主人が、時代の変遷と共に翻弄される様々な人達(皆さんご存知、歴史上のあの文豪やあの絵師やあの偉人が登場!)
探し求める「本」と「人」を巡り合わせる物語。
六編目の登場人物が心憎いですなぁw
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この本を一言で表すと「粋」
時代は変われど心は変わらぬ。
「人に人は救えない、だが本は人を救うこともある」
迷い悩み苦しみ。
弔堂の主人が全てを超越してる様に惚れ惚れする。
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『世に無駄はない、世を無駄にする者がいるだけだ』
大切なことを見つけるor見出すのは、本人だけでは難しかったりするもので。
懐の深い人間になりたいものです。
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面白いとは思う。
ややしつこく会話が続いて、飛ばし読みしたくなる。
高遠のように生きてたい、なんだか好きなことをして生きてたい、と思いながら読んでいた。
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書楼弔堂シリーズの第1弾。先に読んだ『炎昼』の方が第2弾であったか!ま、スタイルはまったく同じ(「私は誰でしょう?」スタイルと命名)。最終話のゲスト・中禅寺輔が名字からして京極堂の縁者らしい…けど、特に含みもない。
ちなみに解説もナシ。勝海舟がいい味出してますー。ジョン万次郎をただの「お付きの人」で使うとは、勿体ない…。
語り手の高藤彬のクズっぷり、京極堂シリーズの関口巽とはまた違ったベクトル向いたダメダメで…好きかも(笑)
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魍魎の匣以来の京極夏彦さん。またまたどっぷりと浸かりました。足りない知識、いろいろ調べながら読んだので思いのほか時間が掛かりましたが物語は読みやすく、思いもかけない繋がりも出てきて、ますます本を読みたくなります。
弔堂の主曰く、ただ一冊、大切な大切な本を見付けられれば仕合わせとのこと。
私にとっての一冊に出会えるのだろうか?
その一冊から立ち上がる現世は果たして・・・・
誰も知らない。
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百鬼夜行の気持ちで読み進めたら、とても短い!短い分、章の間で考える時間が多くなって、読了までの時間が長くなった。全編通して描かれている、読書の醍醐味に共感。言葉で書かれた物語が人それぞれに立ち現れてくるのは楽しいし面白くて興味がある。もっと本を読みたくなった。
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史実の著名人をモチーフにして、その人のための一冊を提示する書店の、売り方にそれぞれの作家への畏敬や救いのようなものを感じた。京極先生の本と文への愛がこれでもかと詰め込まれた小説だった。
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3階みっしり本で埋め尽くされてる空間はさぞかし圧巻だろう。是非とも訪れてみたい、心が踊る
しかしそこは本という墓を取り扱う墓場という
その本を必要とする人に売る(逢わせる)を弔うという
考えたこともなかった
そこは本の再生とか甦るとかではないのか
その本が誰かにとって生涯の1冊であっても、人生を変える1冊であっても、生きていく力をくれても、墓は墓のまま、現れるのは過去の、知識の幽霊。
だから弔いになるのか
こんな考え方もあるのか
舞台となった明治は激動の時代だ。文学、宗教、身分、国と身の回りのあらゆることが変化した
流れをつくる者、流れに乗る者、流れに逆らう者、流される者、たくさんの生き方や立場があって、それぞれが懊悩し決断し、壊して築いている
その時代で名を残した人物が各章で登場し、自分の1冊に出会うが、この人物は誰なんだとわくわくしながらページをめくった
こんな悩みがあっただろう、苦しみがあっただろう、でもその人物の真実ではない、京極夏彦世界の虚だ。
今回も虚の世界はとても楽しかった
それ以外の遊び心的なものも大いに楽しめた。
読書を娯楽として楽しめる時代と技術、作家の方々にありがとう
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初めて読んだ京極夏彦先生の作品。
表紙の「弔堂」はドールハウス⁉︎ 凄い。
六話収録。
この物語は’奇’ではあるが’怪’ではない。
明治二十年代の東京。「燈台みたいな変梃な」(p21)書舗を訪れる種々の客たち。
この客たちというのが普通の客ではないのだが、その正体は各話とも初めは伏せられており、その正体が明かされるまでのワクワク感が堪らない。
また、真名が伏せられている間の会話等に所々ヒントとなるような情報が散りばめられており、客が誰かを推理することも決して不可能ではない…というよりも詳しい人ならばすぐにピンと来るのかもしれないが。
どの話も好きだが、〈探書肆 贖罪〉が特に良い。「鯨を捕ったり金を採ったり」(p288)した中濱という男…こちらはまだわかりやすい。ではもう一人の男は誰?…え⁉︎
これはたまげました。
これらは勿論、京極先生による創作ではあるのだが、実際ほんとうにこんな出来事があったのではないだろうかと思わせられる凄味がある。
まるで夢幻のような小説。
1刷
2022.3.21
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京極夏彦さんは京極堂シリーズ(は途中まで)、今昔百鬼拾遺のシリーズなどを読んできましたが、この書楼弔堂シリーズも前から読んでみたかったんです。
江戸の町の書楼弔堂の亭主は「ただ一冊、大切な本を見つけられればその方の仕合わせ」と云っている本屋です。
しほるという小童がひとりいます。
高遠という弔堂の常連客が主人公で、探書 壱から探書 陸までの六話に渡って現れる客に弔堂の主人がその客に合った一冊の本を薦める話です。
以下ネタバレありますので、これから読まれる方はお気をつけください。
高遠の連れてくる客は臨終間際の絵師、月岡芳年。書生時代の泉鏡花。哲學館を創設し、後に妖怪博士と呼ばれた井上圓了。ジョン万次郎の連れで勝海舟に「名を捨てて生きろ」と云われた男、岡田以蔵。児童文学者となった巌谷小波。そして登場人物ではありませんが夏目金之助や尾崎紅葉、福沢諭吉などの名前も出てきます。
エンタメ度は他の作品より低いと思いますが、近代文学の好きな方は楽しめる作品なのではないでしょうか。
時代を超えた格調の高いビブリオミステリーで、私にはちょっと難易度が高い作品でした。