投稿元:
レビューを見る
幻想小説を集めた短篇集。『異形コレクション』に収録されたものが多いが、雑誌に掲載されたものもある。
ひとつひとつの作品は短いが濃厚な幻想小説。著者の真骨頂と言ったところだろうか。
『異形コレクション』に収録された実験的なショートショートが単行本化されたのは嬉しい限り。
投稿元:
レビューを見る
大学の書籍部で購入
出だしの二編で少し好みと違うなと感じたが、
その後の「猫座流星群」から「柘榴」までの一連の短編はわかりやすくかつ幻想的で好み
その後は実験小説のようなものが多く、残念ながらいまいち理解できなかった
「墓標」と「更紗眼鏡」は実験も少し入っているが読みやすく面白かった
「魔王」「青髭」はやや不足な感じ、やはりキリスト教圏の人間でなければあの感じをうまくは書けないのだろうなと感じた
とりあえずは各短編のもととなった小説を読まなきゃ理解が浅くなるのかな
投稿元:
レビューを見る
著者が過去二十年間に発表した単行本未収録の作品を集めた短編集。
一つ一つは短いがかなり濃い幻想的な作品で、個人的にこの手の話は苦手な方なので長編ほど良さがわからなくて残念。
投稿元:
レビューを見る
「死の泉」以来のファン。
80歳を越えて、質量ともにこのレベルの創作活動を続けておられるのは素晴らしいの一言。
短編集を読むのは初めてだが、一部耽溺できない作品があったため★×3
とした。よりディープなファンの方々には垂涎なのだろうが。
投稿元:
レビューを見る
幻想短編集。じっくりと浸りこんで読みたい一冊。どれもこれもが耽美で残酷で、読めば読むほど惹きこまれてしまいます。
お気に入りは「柘榴」。どこまでも妖しい美しさを感じさせられる一作。
「猫座流星群」も好き。残酷なおとぎ話といった感も。
投稿元:
レビューを見る
思わずため息が漏れてしまうほど、美しく幻想的でおぞましいお話の数々。
やはり皆川さんは素晴らしい。大好きです!!
90年代後半から2013年までの、約20年間に発表された
単行本未収録作品をまとめたものだそうです。
耽美、幻想…読んでいるだけで少し後ろめたい気持ちになる作品集。
日本を舞台にしたものもあれば、
まるで海外翻訳小説を読んでいるかのような作品もあり。
あまりにもジャンルが特殊なので、絶対に万人受けはしません。
ただ好きな人は狂喜乱舞するだろうなぁ。私のように(笑)
特に好みだったのは、
無邪気な子供たちの、残酷な遊びを描いた「猫座流星群」。
「倒立する塔の殺人」を彷彿とさせる戦時中の少女達の物語「柘榴」。
「魔王」と「青髭」は童話を読んでいるかのようでこれまた素晴らしい!
中には一読しただけでは理解できないものもあったのですが、
その事を差し引いても、少しも魅力は半減する訳ではなく。
とっても自分好みの短編集でした。
皆川さん、いつまでもお元気で執筆続けて下さいね。
投稿元:
レビューを見る
毎日一話ずつ読み進め、しんしんと冷えた冬の夜に時間をかけて読了。
冷たい闇を、ひと口ひと口腹の中に呑み込んでゆくように、耐え忍ぶ様にうっとりと読みました。
なかでも『柘榴』と『蜜猫』、『更紗眼鏡』というお話がとても好みだった。
それから『ゴールデン◯◯』という言葉が強烈に心に残りました。
投稿元:
レビューを見る
異形への偏愛、日常に潜む違和感、伝承への想い、いろいろ詰まった玉手箱のような一冊。『沈鐘』『魔王』が良かった。
投稿元:
レビューを見る
難しいところもありますが雰囲気が好きで苦無く読めました。
『沈鐘』『柘榴』『墓標』が好きです。
投稿元:
レビューを見る
猫座流星群、迷路、日が沈む、が特に好き。後暗い、一般的ではない暗さ、それは異端と呼ばれるようなものかもしれないけど、そういったものを好む人にたいへんお勧め。
私は皆川博子のわかりにくーい暗い感じが大好きなのでうっとりしました。
でも幻想小説、と呼ばれる類は私にはまだすこし難しい、かな
投稿元:
レビューを見る
『結ぶ』という短編集を読んで衝撃を受け、大好きになった作家。
勝手に30~40代くらいの女性を想像していたら、なんと80代!
わたしの好きな幻想小説のどストライクで、新たな作品を読むたび好きになる。
主人公はみんな境界にいて、此方に背を向けてあちらを見ている。
〈向こう側〉から呼ばれているような。
この作家は、常人には見えないものが見え、聞こえないものが聞こえているかのよう。
そして、最も好きなのが、〈向こう側〉をちらりと見せたところでパツッと物語が終わるところ。
そこから先は想像の世界。
それが、突然現実に引き戻されたようでなんとも幻想的。
まだ、意識は曖昧なところで戸惑っているのに、読むべき物語は終わっている。
あちらに対して憧憬や恍惚の念を抱いてしまう。
冒頭から生の世界の描写が詳細だけれど、死に囚われているがために、儚く刹那い。
やはり、好きだな。
投稿元:
レビューを見る
「九十年代後半から今年(二〇一三年)までの約二十年間に発表された単行本未収録作品をまとめた皆川博子の幻想小説集」(※日下三蔵氏解説より)
・☆を7つ付けたい。2014年に読んだ中で、間違いなくベストの本。中井英夫ファンに強くお薦めしたい。
・一篇が10頁から20頁ほどの短篇・掌編集であるが、その世界の濃密さに圧倒される。
・まず研ぎ澄まされた文が美しく、やさしく艶やかな語感を声に出して味わいたくなる。豊かなイメージが呼び起こされ、異形たちの声が聞こえ、姿が見えるようで身が震える。
・作品中にも度々井戸が登場するが、著者の作品そのものが「井戸」のよう。居住空間の中にぽっかりと口を開けた、幽世に通じる禁忌の井戸である。身の毛がよだちながらも、そっと覗かずにはいられない。
・私は幻想文学が好きで山崎俊夫、中井英夫、赤江瀑、皆川博子を愛読してきたが、どうしても一人の著者の生み出す世界には限界があり、パターン化した展開に次第に飽いてくる。しかし、本作はその倦怠感を見事に破り、豊潤な世界に浸らせてくれた。リアルタイムで著者の作品を読めることが本当に嬉しい。
・特に好きなのは、「釘屋敷/水屋敷」(2011年)。無駄や淀みのない磨き抜かれた文章で、収録作品の中では2番目に新しい。一方、最も古い「沈鐘」(1995年)も好きだ。
投稿元:
レビューを見る
怪しく蠱惑的
幻想小説、幻想怪奇小説、と言おうか。
結末がはっきりしているわけではない。
長く、ぼやけた余韻。
エロティックであったり、グロテスクであったり。
にじんだ漆黒のインクが途中で鮮やかな血の色に変わってゆくようなそんな印象を持った。
『創世記』
写真で綴られている。
これも小説なのか。
前衛的なようでいて、江戸川乱歩の描く(今では古典的手法になっていたとしても)世界に似ている。
『月蝕領彷徨』
詩のようで、散文のようで。
上段と下段が呼応し、妖しげな世界にいざなう。
『穴』
蝸牛の渦の中へ、渦の中へ、渦の中へ、そこにあるのは、
『猫座流星群』
かわいらしいタイトルとは異なって、鮮やかに示されるのは、ギロチン。
ざわりと身体の毛が「逃げ」の体勢を取る。
万人受けではなく、ややマニアックな世界観を楽しむ物語である。
ただ、語られる言葉が妖しげな魅力を放っていて、そして、その怪しさが美しく思える。
投稿元:
レビューを見る
つまらない訳ではないが痺れるほど面白い短編があるわけでもなかった。
合う、合わないでいえばやや合わなかった。ついていけない幻想だった。「魔王」とか、もう何やってんだかという感じ。
好みだったのは「更紗眼鏡」「迷路」「柘榴」。比較的分かりやすい部類…か?自殺した弟を持つ姉の話のオムニバスとか読んでみたいなと思った。
投稿元:
レビューを見る
美しい文体 暗い世界観 罪悪感 無邪気な子供の残酷さ。
皆川さんの濃いエッセンスがぎゅっとつまった感じだった。
私にはわかりづらい作品も多かったけど。
結ぶ を思い出した。